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私の英語多読遍歴74: Rilla of Ingleside

赤毛のアンシリーズです。

この話の主人公はアンの末娘リラ。これまでのシリーズでは赤ちゃん扱いだった子がティーンエイジャーに成長し、まさにこれから青春を楽しもう、というときに第一次世界大戦が勃発。その日を境に彼女の生活は大きく変化します。

兄や幼馴染は次々と志願兵として戦地に赴き、母も姉も奉仕活動に忙しい。そんななかで自分にできることを模索し、これまではあまり勉強も好きではなく将来になんの目標もなかったリラが、戦争の暗い背景を舞台にいろいろな経験を経て大きく成長していく姿がこの話では描かれていました。

この話の前、アンの子供たちや村の牧師の子供たちが主人公となり小さな冒険を綴る話がありましたが、それはすべてこの話のためにあったのではないかと思いました。戦地に向かうことになった兄との会話、幼馴染たちの今と過去、そこにいたわけではないいち読者の私ですら、あの子は子供の頃はああだった、あんなこともあったと一緒に振り返ることができるのです。

この作品が発表されたのは1921年。おそらく実際に戦争を通して作者が見てきたものが書かれているためか、人々の感情、当時の状況がとてもリアルです。

これは映画化してもいいんじゃないかと思うくらいよい話でした。暗い戦争とそれでも変わらない美しい風景、そのコントラストは鮮明で、だからこそよけいに心が打たれます。

アンシリーズを読むなら、ここまで読んで欲しい。これはもう大河ドラマです。今でもこのシリーズが愛されている理由がよくわかりました。

英語ですが、長いこと読んできて慣れたせいか、それともこの前に読んでいた本が難しすぎたのか、以前よりもさらさら読める気がしました。戦況に出てくる地名やら戦争用語やらはわかりませんでしたが、そこは雰囲気で。

赤毛のアン、おすすめです。

以上、「Rilla of Ingleside」でした。

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