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「生命力」が溢れすぎている人が有名になる

最近、なぜか原田真二の曲をずっと聴いている。
デビュー曲の「てぃーんず ぶるーす」は中毒性があり、ずっとリピートしてしまう。

実は、昔通っていた英会話教室の先生が、彼の息子さんだった。

当時は、原田真二を知らなかったのでそれを聞かされても「へ〜」としか思わなかった。
原田真二全盛期を知っている私より1回りほど上の生徒さんは、その先生の授業を積極的に取って「親子の比較」をして楽しんでいるようだった。

へ〜と思うだけだったとは言え、確かに言われてみれば「やっぱりな」という気持ちだった。

この先生、すごく存在感があった。なんというか「目を惹く」と言えばよいのだろうか。私はシンプルに先生の授業が好きで受けていたのだが、不思議な魅力を携えていた。

ロックスターの息子、と知る前は、一般人として見ているので、かなりフラットに見ていたはずだが、他の先生に比べてダントツで存在感があるのだ。

私は芸能人や大企業の社長などに取材する機会がわりとあるので、人がもつ「オーラ」というか、空気感というものについて考察するのが趣味である。

人が持つオーラというのは、その人自身の発する「生命力」なのではないかと思う。いろんな著名人に会って導き出した結論は、他人に影響を及ぼすほどエネルギーが溢れている人が、有名人なのではないかと考えるようになった。

だから、有名になる前でも、有名になっちゃう人というのは、一般人をはるかに凌駕するエネルギーが溢れまくっているのだと思う。

路上ライブをしていて歌手デビューしてしまう、ゆずや優里なんかいい例だろう。

逆に、有名になったあとにそのエネルギーを周りから巻き取りながら、どんどん膨らませていくタイプの人もいるだろう。

地下アイドル系の女の子たちは、これだと思う。ファンからの熱量を自分のものにしちゃえる、言葉は悪いが「欲張り」な人がトップアイドルになるのだと思う。

そう言う意味で、この先生は「よくわからないけど、なんか目が離せない」と思わせるエネルギーを10人程度の英会話教室で充満させていた。

顔がいい、とか悪い、とかのレベルではない。もちろん、塩顔でやんちゃそうな顔なので、韓流アイドルとしてもやっていけそうな感じではる。

でも、顔じゃない。だったらなんなんだ? 声か?
パパの血を引いているからなのか、歌はべらぼうに上手い。ボイストレーナーもやっているそうだ。ご自身でもバンドを組んでいると聞いた。

英会話なので、声や発音は超重要である。「R」と「L」の発音だけで1時間終わったこともあるくらい、かなり丁寧に教えてくれらた(マスターできてないけど)。

だから、歌っているよりその先生の声を慎重に聞く機会に恵まれていたであろう。時々、ワンフレーズだけ歌ってくれることもあった(何の曲か忘れた)。

先生自身は、パパの話を隠しているわけでもないようで、よくプライベートな話や「親父がツアーをやっていて」とかをスモールトークで披露していた。(「お父さん、演奏家とかなのかな」くらいにしか思っていなかったくらい、あんまり興味をもっていなかった)

その英会話教室にはもう通っていないが、時々、先生のことを思い出し、その度に「原田真二」と調べていた。そして、最近、YouTubeで昔の映像を見たのだが、衝撃を受けた。

そっくりじゃないか!!!!!!!

髪型をくるんくるんのカーリーヘアにして、それをかぶったら先生になる。
ひぇ〜、顔も雰囲気もおんなじだよ。
そりゃ、存在感あるわ。

と妙に納得してしまった。
でも、パパのすごさもやっと理解した。
洋楽ポップスを目指した音楽。今聞いても全く古くない。おしゃれなメロディー、儚く澄んだハスキーボイス。

wikiを読む限り「当時の芸能界で生きていくには、ロックスターすぎて、
生意気と思われてしまった」のだなと理解する。先生もちょっと生意気そうなオーラあったしな、とやはり親子は似るのだなと、またしてもうなずく。

そして、何より松本隆の歌詞が素晴らしい。
聞いていて、なんとなく、マカロニえんぴつというか、
はっとりさんを重ねた。

ピアノ弾き語りスタイル×ロックだからかもしれない。
あとメロディーがおしゃれな点も近いのかもしれない。
Bメロになるとドラムが縦ノリっぽくなる感じも似ている気がする。
あと、サビが男性ボーカルにしてはハイトーンなところも。
若者のヒリつく感情やもがきのようなものを表現した歌詞も。

原田真二が和製ロックポップスの原型をつくったのだから、いろんな人に影響して、めぐりめぐって、はっとりさんへたどり着いている可能性はある。(もちろん、まったく知らないかもしれないけど)

当時、女子中高生がライブにおしかけ、デビューしたばかりで3万人もファンクラブの会員がいたというほど、大人気。もし私が原田真二と同世代だったら、完全にハマっていただろう。

逆に、原田真二がもう少し遅く生まれていたら、どうなっていたのだろう? と考えてしまう。「早熟の天才」と呼ばれ、本物のロックスターである彼が、芸能界のシステムが崩壊しつつある令和に登場していたら・・・?

間違いなく、生意気さがプラスに働き、今でもトップスターになっていたのではないかと思う。YouTuber歌手という形なのか、普通にCDデビューだったのか、それともライブ中心でメディアなんか出ない活動だったのか。
気になって仕方がない。勝手に物語をつくりたくなるほど、暇さえあれば「令和にデビューする原田真二」について考えてしまうくらいには、ハマっている。

スターの子どももスター性を引き継ぐのか、という話でした。

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