見出し画像

たじ、Jr.からの軌跡~2022 INI 1ST ARENA LIVE TOUR [BREAK THE CODE]

INIの東京・日本武道館で行われた、初のツアー「2022 INI 1ST ARENA LIVE TOUR [BREAK THE CODE]」追加公演を見に行った。

1月8日昼公演。12時開演だが、友人から「10時45分集合」を言い渡された。
「ほぼ2時間前じゃん!」と驚愕しながら、前日に参戦したマカロニえんぴつのさいたまスーパーアリーナの疲れが全く取れないまま九段下へ。

キャリーケースをガラゴロさせている女子が多いのは、アイドルコンサートならではの風景に思う。

さて、実は私、結構筋金入りのジャニーズ好きでした。

というか、我々の時代、テレビ局や芸能事務所ではジャニーズへの忖度が働きまくって(憶測)、ジャニーズ以外のメンズグループは存在していませんでした。

よって、ビジュアル系バンドにハマれなかった私は、ジャニーズの中から好みを選ぶしかなかったのです。当時は、V6が好きでした。

その後、一回離れたけど大学卒業頃にまたジャニーズに戻りました。
KAT-TUNとNEWS全盛期のころ、私は大学の卒論で、「ジャニーズを好きになるのはなぜか?」という社会学の論文を書いていた。

そのため、ガチのジャニヲタの方々に接触し、フィールドワークも行った。
それを見て、同じゼミの友人が「関ジャニ∞が面白いから、ぜひ一緒にコンサートに行ってくれ」と頼むので、大阪城ホールへ行った。

確か、2007年だったと思う。人気が出始めの頃で、「無理やりデビューさせてもらった崖っぷち」感がジャニーズっぽくなく、「8時だJ」メンツがグループの半分を占め、親近感が湧いた。

それからめちゃくちゃ追いかけるも、色々あって今度はK-POPにハマった。
B1A4というグループで、日本デビュー時から追っかけたが、推しの脱退という憂を経験し、韓流アイドルの洗礼を浴びせられた。

しばらくは、ショックで立ち直れずハマれるグループはなかった。
エイトに引き入れたジャニオタの友人が「とにかく、少クラ(少年クラブ@NHK)を見ろ」というので家で鑑賞会を開いた。

当時まだキンプリ結成前で、平野くんやれんれんが先輩の曲を歌って、神宮寺くんと岩橋くんのシンメを「じぐいわ」と称してファンがお熱を上げていた頃だ。

テレビ画面に映るJr.が、ただの子供にしか思えなかったが、平野くんかじぐいわか、誰か忘れたが、バラードを歌っている後ろで、ひらりと踊る1人の少年がいた。「宙に浮いている」という表現がピッタリだと思うような、重力を全く感じさせないダンス。

バックはその子だけだったので、推されているのだなと一発で分かった。
「ストーーーーップ!」と号令をかけ、友人に巻き戻させた。

私「この手足の長い、赤ちゃんは誰!?」
友人「ああ、これ、たじだよ」
私「リピートお願いします!!!!」

多分、30回くらい巻き戻したと思う。これがVHSなら擦り切れて再生できな苦なっていたことだろう。

私は無類の赤ちゃん顔好きだ。よく「まよっこって、少年顔好きだよね」と言われるが、毎回訂正する。

「少年じゃなくて、赤ちゃんな!」

自分が男児を産んだ際に「子どもの友達に萌えたらどうしよう」と本気で不安を覚えたほど、赤ちゃん顔が好きだ。(ちなみに、夫も息子と顔を間違われるほどベビーフェイス)

その後、ほどなくして、タジはジャニーズを退所した。ものすごく悲しかった。ジャスティス(テディベア)を抱っこしながら少クラのMCコーナーに登場する姿を思い出し、

「にわかじゃなく、もっとちゃんと応援してあげればよかった」

と、結構強く後悔した。しかし、辞めて違う道を探すほどデビューしたかったのか、とちょっとびっくりもした。

だって、不思議ちゃんでふわふわした子なのかと思っていたから。
会社員で言うと「超安定の大企業から、スタートアップ企業に転職して経験積みたい」と言う意識高めの人と同じである。

かっこいいな、と思った。
私は当時、転職活動したりキャリアに悩んでいたから、
たじの決断をリスペクトしていた。きっと周りには「もったいない」とか、
「だまされている」とか言われたと思う。でも、たじは頭がいい賢い人なのではないかと少クラを見ていて感じていたから、次の事務所?に対して、何か「引かれるもの」があったんだろうと思いを馳せていた。

しかし、申し訳ないが、それ以上に韓流のB1A4の追っかけがライフワークだったので、心の中で謝罪したが、忘れてしまった。

そして数年経ち、日本版プロデュース101で再びたじを見た。
その時初めて、韓国の事務所にいたことも知り、あんなにイケメンで長身で足も長くて顔も小さいのに、なんて苦労人なんだ!!と涙した。

多くのファンの方を魅了し、これまでの下積みをバネにし、得意のダンスとラップで見事デビューした。

その姿を武道館で見ることができ、にわかファンにも関わらず、私は猛烈に感動した。
しかも、オーディションで死ぬほど練習したであろう「Let Me FLY」で。

メンバーも万感の思いで歌い踊っていたであろう。
「自分が、このステージに立って、踊れている」
そんな思いを、喜びを、1人1人が噛み締め、そして見守り続けたファンも同じ気持ちで「ようやく、ここまできた!」そう思い、会場が本当に一つになった瞬間だったのではないかと感じたのだ。

もちろん、他の曲でも一体感はあったが、初参戦でしかも素人の私ですら感じ取ることができたのだから、玄人のファンの方々はより一層、肌で感じたのではないかと思う。

しかも、当たり前だが、完成度がめちゃくちゃ高く、
空気がぴたっと音楽に一致し、INIメンバーの動きも、
ファンの呼吸も、すべてが、寸分違わず流れるように披露された1曲。

その後、メンバーがMCで涙目になりながら話すのも納得だった。

当時、雪崩のようにジャニーズ事務所から退所する人が出てくるとは、
誰も想像しなかった。
そんな時代に、たじは、自分の可能性と才能を信じ、信念を貫いて道を切り開いた。

途中、腐ることなく、ずっと努力を続けて。
苦しさを顔に出さず、あの赤ちゃんみたいな表情は、そのままだった。

人の顔は、パーツの良さだけでなく内面がにじみ出る。
退所から約7年。Jr.時代の栄光を背負い、新しい人生を始められずに犯罪に手を染める人や、人相が別人のようになった人だってたくさんいる。

デビュー組も例外ではない。でも、たじは、その間も地道にダンスを磨き歌の練習をし、韓国語まで習得してステージに立っている。

私は、尊敬の気持ちを拍手に込めて、たじに届いて欲しいなと思って、
なるべく大きな音が出るように毎曲拍手を送った。

アイドルが見せてくれる夢は、かわいさだけではないと思う。

「努力したら、きっと報われる」という希望を見せてくれる。

「努力を見てくれる人が、いる」と世の中には、愛があるんだと見せてくれる。

「好きなことで、人を幸せにする」という強い覚悟で、世界を平和にする。

INIのメンバーは、普通の人だったからこそ、見ている人に誰よりも希望を抱かせてくれるのではないかと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?