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"Stranger Things" Maya Hawkeが語る、男女関係の「革命」

今朝、いつものようにTwitterでチャプチャプしていたところ、目に留まるツイートが。

https://twitter.com/netflix/status/1279125104291483650?s=21

「こ、これは!SCOOPS AHOYのセーラー!そしてこの絶妙にイモっぽい美貌は…Mayaさん!Mayaさんじゃないか!」

そう、Netflixで配信中、本国アメリカで社会現象的大ヒットとなった"Stranger Things"、その第3シリーズの1周年を祝うツイートのサムネイルに、自分の大好きなキャラクター「ロビン」の姿がどどーんと表示されていたのです。
しかも動画じゃないか!条件反射的に再生ボタンをタップした自分、1分後にはスマホを握りしめてガッツポーズを決めまくっていました。

ロビンの名場面集か何かかと思って開いたその動画は、ロビン役のMaya Hawkeさんへのインタビュー動画であり、ロビンというキャラクターの核心を突きながら、世界中の物語のジェンダーバイアスに挑戦するかのような素晴らしい内容だったのでした。

自分が能書きを垂れるよりも、まずはMayaさんの発言の原文(英語字幕より)と和訳(訳:まよたぬ)を掲載したいと思います。

原文:

Men and women aren't really allowed to be friends on screen.
You know, there's always this undercurrent of one-sided love or like, or (聴き取れず). There's always a sexual undercurrent to most male-female relationships that play out on screen and it's very refleshing to see a bond between a man and a woman that isn't transactional, and that isn't romantic.
It's their togetherness that comes as a true friendship in understanding through opposition. And I think that seeing that is almost, I mean it's not, but it's almost revolutionary to see him be so understanding of her choice and of her sexuality, to see their friendship continue even though the romantic thing is taken off the plate.
You know, so often it's like, "Boy likes girl, girl doesn't like boy, friendship is over". Right? But, that's not the case here. The sexual element is taken out of their relationship and the relationship grows stronger.
And I think that that is a pretty revolutionary thing.

和訳:

多くの場合、映像作品で男性と女性が普通に友達でいられることはありません。

どんな作品も片思いとか両思いとかそういうものを含意していて、つまり、映像作品で描かれる男女の関係には常に性的な底意が含まれていますよね。

だから、恋愛的でない男性と女性の絆を目の当たりにすることはとても新鮮です。

その絆とは、スティーブとロビン、ふたりが共にいること。それが、対立を通した相互理解を経て真の友情になるんです。

そして、私はそれを目の当たりにすることは、大袈裟かもしれないけど、革命的だと言っていいと思います。

「Stranger Things」の視聴者は、スティーブがロビンの選択とセクシュアリティに対してあんなにも理解を示している様子を目にしますし、恋愛感情がなくなっても続いていく2人の友情をも目の当たりにします。その事実は、ほとんど革命的です。

「男の子は女の子が好き。でも女の子は男の子が好きじゃない。はい、友情おしまいね。」そういう場面が多すぎますよね。
でも、スティーブとロビンはそうじゃない。2人の関係からは性的な要素が取り除かれますが、それによって2人の関係はより強固なものになるんです。

そして、私はそれってかなり革命的なことだと思います。

補足と所感

いや、最高か?

作品を知らない方のために補足しておくと、Mayaさん演じるロビンは3期からの新キャラで、ショッピングモールのアイスクリーム屋で働くダウナーでクレバーな女の子。
1期からスクールキングとしてお馴染みだったスティーブ(自分の推し。1期では基本クソ野郎なのですが、シリーズを重ねるごとに味わい深いイイ奴になっていきます)とはバイト仲間で、モールの謎を追う中でいい感じになるのだが、実は……という。

この「実は……」の後がネタバレ注意なので、踏みたくない方はこの段落を飛ばしてください。
ロビンはスティーブといい感じになり(少なくとも傍目からはそう見えるように演出される)、とあるシーンでとうとうスティーブはロビンに告白します。
しかし、実はロビン、スティーブに恋愛感情はありませんでした。彼女は性的指向が女性に向いている、いわゆるレズビアンだったのです。
ロビンは、スティーブと一対一の状況で、自らの口でそれを伝えます。
"Holy shit...."突然のカミングアウトにスティーブはしばらく黙りこくってしまいます。裁きを待つように沈黙を受け入れるロビン。
しかし、スティーブは気分を損ねることも、無駄な質問を重ねることもなくジョークで返し、その後の2人の間には新たな友情が育まれ、共に冒険を乗り越えていく……そういう感じです。
このガン尊いシーンはシーズン3エピソード7の中盤。口で説明するより見たほうが早いのでぜひ。ていうか全編見てください、絶対面白いから。

所感とか偉そうにタイトルつけましたが、「最高か?」意外に言うことないんで困りました。大切なことは全部Mayaが言ってくれたんで……

強いて言うなら、ジュブナイルものや世間擦れした大人の世界を描く物語ではなく、20歳前後という年齢設定でこれをやってくれた意味って大きいかもなと思います。
こういう男女間の純粋な友情みたいなものって、性的観念が未発達な少年期への郷愁とともに描かれたり、達観した大人の世界でようやく生まれるものであるかのように描写されたりということは稀にあっても、ワカモノの世界ではなかなか描かれないからです。

いやー、スティーブは前から大好きだったけど、こんなに役柄を愛して、特別視して、すばらしい意味を与えてるMayaさん、推せるなぁー。

そんなところです。
"Stranger Things"、いいぞ。

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