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福岡附属小で感じた教育の展望

2月23日(木)に福岡教育大学附属福岡小学校の研究発表会に参加してきました。全国からリアルで500名を超える参加があったようです。オンラインも合わせるとさらに多いとのこと。
こんなに会場が熱気に包まれた研究発表会を久しぶりに見ました。

研究主題は
「未来社会を創造する主体を育成するカリキュラム・マネジメントⅣ」
なんと、8年に渡り作り上げた研究成果を発表されたとのことでした。
この記事では、附属小の研究の概要と私の所感をお伝えさせて頂きます。

まず、この附属小の研究で凄いのは、既存の教科を一度取り払い、新たに7教科に再編したことです。人間・社会・健康・芸術・科学・数学・言語の7つです。
さらに凄いことは、なんと既存の学習指導要領より663時間の削減を実現したということ。そして、その上で子どもの資質能力をしっかりと育んでいること。
663時間!?663時間て・・・。なら公立の私たちは一体毎日何をやっているのだろう、とひっくり返ってしまいそうになります。
(ちなみに、実質は873時間減らして、減った分に個の探究に特化したチャレンジの時間を210時間追加して、663時間だそうです。さらにびっくりです。)
もちろんただ減らしたわけではなく、減らすにあたり、1年間のカリキュラムを入念に作り直したり、独自の指導要領を分厚い本にしてまとめたりと、もの凄い努力のもとに成り立っています。

このような時、良くありがちな批判として
・附属だからできるんでしょ?
・そもそも子どもも教師もレベルが違うから。
・どうせ無理ー
といった声を聞くこともあります。
確かに、教育を行う環境が整っている面はあります。しかし、本当に夢物語なのでしょうか。

私が附属小の発表会で子ども達の姿を見て、感じたことは「教育の本質を追求できている」ということでした。そしてそれを可能にしている要因として

教師集団全員が同じビジョンを共有し、同じ気持ちで子ども達の教育に関わっていること

だと感じました。
子どもの姿については、百聞は一見に如かずなので、多くをここでは語りませんが、まぁ本当に心から学ぶことや成長することに喜びを感じている姿が溢れていました。これこそ学習の本質ですよね。そして、11月の発表会では附属の先生方の協議会の様子も公開されたのですが、先生方も同じく教育を研究することに没頭し、追求する楽しさをもって仕事をされている、と感じました。

発表会の終盤であったシンポジウムでは、現在の日本の教育界をリードされている大学の諸先生から、附属小の研究が非常に高い評価を受けていることが見受けられました。簡単に私流で翻訳すると
「こんなダイナミックなことを、このレベルできちんとまとめてあげている研究校は他にない!次期指導要領にも反映される可能性を秘めている!!」
とのことだったと思います。(違っていたらごめんなさい)
全国の附属もっとがんばれ、的なこともおっしゃっていました(^-^;

まとめになりますが、私はこの発表会に参加して、このような教師集団ができ、教育について熱く語り合えるところこそ、教師業の最大の魅力ではないかと思います。そして、考え抜いた指導法(もはや指導ではなくなってきていると思いますが)で、子ども達と授業をする。そして子ども達が最高の姿を見せたり、逆に思ったようにいかなかったり。子どもの成長にこんな風に関われるのは教師だけだと思います。

学校はたくさんの大人や子どもが集まって、未来へ希望をつなぐ場所です。
そんな学校であふれる日本社会になればいいなと思っています。

お読みいただきありがとうございました!




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