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面会禁止の病棟に入院した話2

 明日は遂に外科手術が控えている。最後の晩餐と介助なしでの入浴をすませ、病室で精神を整える。軽く入院二日目の出来事を以下に綴ろうと思う。

 初日から二日目(すなわち一泊目)にかけて、不安に押しつぶされて眠ることができなかった。夜中に進路や術後の事を考えていたら、ただひたすらこの状況が怖くて仕方なかった。同年代は進路のために動いたり、とても長い休暇でチャレンジングな事をしていると思うと病棟で何もできないことが悔しくてたまらない。このような不安がぐるぐる頭を駆け巡り脳のソースを使い果たした頃、夜が明けた。夜勤の看護師さんに、採血があるから朝食を摂らないでねと釘を刺された後、何故か朝食が出てきた。食べるか食べまいか迷ったので、とりあえずパンにバターを塗りたくって万全の準備をした。朝食全裸待機をすること数分ドクターが回診でぞろぞろとやってきた。昨夜全く寝れなかった事や10日程前から予後不安で不眠気味であることを伝え、処方箋を出してもらった。また朝食を食べて良いことを確認しモグモグした。入院中の楽しみの1つとして食事は欠かすことはできない。一般的に病院で提供される食事は味が薄い。また特定の疾患で入院している場合下限の塩分量しか接種できない食事を余儀なくされる。ここで特段塩分制限がない人ならば差し入れを任意のタイミングで食べることができる場合が多い。また塩分制限があったとしても、差し入れでデザート等を摂取するのは特に問題はないようだった。しかし面会禁止の影響もあってかそもそも、差し入れ等が来ない。院内のコンビニ等で買い物しようにも外来患者さんが出入りする時間帯は原則として病棟から出ることはできない。よって一日3回決まった時間に提供される食事は味が薄かったとしても、貴重な食事なのだからよく噛んで味わって食べる必要がある。夕飯は普段なら苦手なサバだったが、これを食べないと他に食べるものが無い事、夕飯後から手術に向けた絶食が始まるのでありがたく頂いた。人生で食べてきたサバの中で間違いなく一番美味しいサバだった。大きく脱線してしまったが食事は慣れだと確信した。話を朝食後に戻す。朝食後、軽い検査をいくつかした後ようやくウトウトし始めた。そこから昨夜眠れなかった事を聞きつけた初日の日勤の看護師さんが心配して担当外にも関わらず、駆けつけて相談に乗ってくれた。幾分か心が楽になった。そこから日中は食事が来れば起きて食べるが、それ以外は寝てたりしていた。ICUに持っていく荷物の整理や、オペ看護師さんとの話し合いもしたはずだが、事細かな内容は全く覚えていない。

明日の手術に対しての不安が去る事はないが、流れに身を任せるしかない。

過酷な手術なので三日間くらいはスマホやパソコンすら触れない状態が続くだろうが滅気ずに乗り越えたいものである。

慈悲をください、、、!