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仕事で失敗した話を正直に綴ろう

こんにちは、こおるかもです。
今日は泣きながら記事を書いております。
仕事で盛大に失敗しました。

それもひとえに、英語ができないからです。
みなさんもこうならないように気をつけてくださいね。

はじまりは朝のコーヒーチャットから


朝、いつもの通り会社に出社しました。

この日は、あるプロジェクトの大事なマイルストーンレビューがあり、契約相手のとあるイギリスの大企業のエンジニア、シニアマネージャーたちにプレゼンをする日でした。

もちろん準備はそれなりにできていて、自分が担当するプレゼン資料もすでに作成済みです。

そんななか、社内のキッチンでコーヒーを入れてレビュー会場へ向かおうとしたとき、今回のレビュー会を取り仕切るプロジェクトマネジャー(以下プロマネ)が声をかけてきました。

「今日の会議で、何分か時間とれる?」

と聞かれました。

ん?

ぼくは一瞬戸惑いました。
会議で時間を取るってどういうことだろう?

だけど、反射的になにか返事をしようと思ったので、「Of course, OK!」と返事をしました。たぶん、ぼくが担当するプレゼンの説明時間をちゃんと確保してあるからよろしくね、的なことを気にして声をかけてくれたのだろうと勝手に解釈しました。

勝手に解釈して、曖昧なまま返事をする。
それがいけなかった。

会議が始まる

いよいよレビューミーティングがはじまりました。

こちらは5人(CEO、CTO、プロマネ、ぼく、エンジニア)に対し、相手方はオンラインを含めて12人。大企業だけあって関係者が多く、対してこちらは発注先のスタートアップ会社であり立場もメンツも弱い感は否めない。

今回のレビューでは、今後のプロジェクトの大事ないくつかの要件についての合意が目的で、大企業相手に、かなり機微な交渉を必要とする難しいレビューになることはわかっていました。

しかも、朝9時から午後3時まで、お昼を挟んで6時間の長丁場。

簡単に自己紹介を済ませたあと、うちのプロマネがファシリテーターとして早速1つ目の議題を話し始めます。

すると、先方のシニアマネージャーがいきなり口をはさみます。

「ところで、今日の議事録は誰が取るんだ?」

するとうちのマネージャーは間髪いれずに答えました。

「こおるかもが先程了解してくれたので、彼にお願いしています」

ん?

いやいや、聞いてないんですけど、、、と、こおりつくこおるかも。

。。。。。

勘の良い方はお気づきでしょうか?

そう、ぼくは、朝の会話で、議事録という意味のminuitesと時間の分を表すminuitesを取り違えたのです。

実は、彼女は朝、こう言っていたのです。

「Are you able to take minutes for the meeting today?」

僕の感覚では、議事録のminuitesは「マイヌート」なのですが、彼女ははっきりと「ミニッツ」と発音していました。もちろん発音も紛らわしいですが、もっと文脈を考えて、わからなければ質問をしていれば解決したはずです。

ちなみに、彼女がCan you…?ではなく、Are you able to…?と聞いてきたことも、ニュアンスとして、ぼくが英語が苦手なことを知っている上で、議事録を取れるかどうか不安があったから、本当にできるのかどうかをより丁寧に確認してきたのだと思います。

Can you…?の場合は、能力としてできるかどうかというより、「やってもらえる?」的な、もっと直接的な依頼のニュアンスになります。そこまでのニュアンスを瞬時に理解する能力はもちろんありません。

….と、今朝の会話がフラッシュバックして謎が解けたのは良かったものの、とりあえず僕はマネージャーから指名されたことに対して、さもわかってますよ的な表情を浮かべながら「Yes, I do.」と言いながら、慌ててラップトップを開きました。

そしてそこから6時間にわたる、議事録を必死で取り続ける戦いがはじまりました。

それはそれはもう地獄のような時間でした。

何しろ、相手は全員ネイティブスピーカー。
加えて、何人かはスコティッシュなまりの初老のおじさんたち。

それでいて、プロジェクトの根幹に関わる深い技術的な議論や、政治的な駆け引きが矢継ぎ早に繰り広げられます。

もし事前に議事録担当をすることがわかっていれば、心の準備はもちろん、取り扱われるであろう議題の内容も頭に入れておくことができたのですが、ぼくはその時点では自分のプレゼンのことで頭がいっぱいで、それ以外の担当者のプレゼン資料までは全然見れていませんでした。

とにかく議論の内容をメモして、合意したこと、アクションとして残すことを理解できた範囲で書いていきました。もちろん、日本時代の新卒1年めはだいたいそういうことをしていたので、議事録を取ること自体はそこまで苦手ではありませんでしたが、英語の理解度としては常に50%くらいという感じでした。

そしてお昼休憩の30分は、それまでの内容を清書するのに時間を割いて、お昼ごはん抜きで午後の部に突入。

お昼すぎには、ぼくが用意したプレゼン資料を使った議題もはさみました。

その頃には、もう頭が回っておらず、とりあえず投影したプレゼン資料を読み上げるので精一杯。質問にもまともに答えられず、「これってリスクなんじゃないの?」と聞かれているのに「I think, should be fine.」みたいな身も蓋もない最悪な受け答えをしてしまう失態。

かなりぼろぼろな精神状態になりつつも、なんとか6時間の議論が終わりを迎え、ラップアップの時間になりました。

そして訪れる大失態


当然予想はしていたものの、ラップアップでは、ぼくの書いた議事録を画面に映して、合意した内容やアクションを確認することになりました。

みんな基本的には暖かく、単純なtypoなども笑って見過ごしてくれたのですが、ある項目の合意事項が画面に表示されたところで、同席していたうちのCEOが「No, No, No!」と声を荒らげました。

それは、ある要求仕様をどうやって検証するかという議題で、取引先は、実際のハードウェアで試験をして検証すべきと主張しているのに対して、うちの会社はシミュレーション解析で十分だと主張してコンフリクトしている議題だったのですが、ぼくはあろうことか、「弊社が試験を実施することに合意した」と議事録に書いてしまっていたのです。

たしかに、議論の正確な内容としては、「どんな試験であれば実施が可能か、今後検討する」ことには合意したのですが、それでもうちのスタンスとしては基本試験はしないよね、ということに変わりはなく、試験の実施には合意していません。

この議事録をみた取引先のシニアマネージャーは笑いながら、
「Oh that's great! Thank you, 〇〇(ぼくの名前). Good Job!」
と言って一同爆笑。弊社側は失笑。

ぼくは死にたくなりながら謝罪の言葉を述べ、当該箇所を削除し、修正文をどうしたらいいか確認して、その場で書き直させてもらいました。

もちろん、それで合意内容はきちんと修正されましたが、ここにいる人全員に、こいつが全然議論についてこれてないことが白日の下に晒され、信用ならんやつだという評価を下したことは間違いありません。

会議の後、ぼくの直属のボスであるCTOからは、たしかに今日の会議は難しかったし、ネイティブじゃない君が議事録を取るのはUnfairだったと思うよ、と慰めの言葉をかけてもらいましたが、難しいならプロマネから議事録を依頼されたときに断って、もう一人のエンジニアに代わってもらえばよかったじゃないか、とも言われてしまいました。

反省

というわけで反省しまくりの一日でした。
大事なことはとにかく聞き返すこと。

2年イギリスで仕事をしていて、少し気の緩みがでてきていたことも要因だったと思います。なんとな~く聞き取れていれば、日常の業務ではほとんど支障はありませんが、こういう大事な場ではなんとなくでは絶対にNG!

よく考えたら、本質的な問題は英語ではなく、コミュニケーションを如何に丁寧に、誠実にやるかという問題な気がしてきました。

これから海外で働こうと思う方も、100%ネイティブと同じようにやりあえるということは期待しないほうが良いです。それでも、強みを活かして戦力なる方法はありますし、英語が苦手でも、誠実にコミュニケーションを取っていけば、信頼につながっていくと思います。

それにしたって、2年経っていまだにこんなに英語が聞き取れないのは本当に不思議で仕方がありませんが、めげずに努力はしていきたいと思います。

さて落ち込むのはこれくらいにして、明日もシゴトがんばろう。

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