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ユーザ数が右肩上がりでもPVや広告収入が伸びない理由とは?データ分析で判明した落とし穴

※お時間無い方は最後の「【重要】大切なのはサービスの提供価値を体験しているユーザ数」だけ読んでください。

これはかなり前ですが、キュレーションサイトのコンサルをした時のお話です。

そのサイトはユーザ数は右肩上がりなものの、なかなかPV及び広告収入が伸びず悩んでいる状況でした。
NPS調査をしても-50を下回るような悲惨な状況。。。

私はUX向上させるためお声がけ頂いたのですが、まずはGoogle Analyticsなど定量データを俯瞰的に見させてもらうところから始めました。(定性調査はそこから調査計画を立てていき、最終的にUXデザインにつなげていきます)

そこであった印象的なやりとりをご紹介させていただきます。

DAUだけを見ている時の落とし穴

そもそもなぜNPSのスコアが悪いのにユーザ数が右肩上がりなのか、このサイトの場合はペイド広告費を相当額使っており、ユーザ数を伸ばしていました。

ここで注意しなければいけないのは、広告からの流入の場合、もちろんターゲットユーザにリーチしたケースもあるでしょうが、誤クリック、誤タッチ等により意図せず開いてしまったというケースも少なくないということです。

単純に集計すると後者の意図していないユーザもしっかり計上されるため、DAUとしては右肩上がりの優秀なデータに見えます。
※この時点で広告代理店の役務達成となるケースも多いです

データを見た時の違和感、担当者の見解の食い違い

自分が最初に見させていただいた時、下記2点に驚きました。

  • LPの離脱率の高さ

  • 記事閲覧ユーザの少なさ

まあ当然といえば当然なのですが。なお自分が最初に聞いていたのはDAU30万程度のサービスということだけでした。

LPの離脱率50%程度、記事閲覧しているユーザは3割程度というデータでした。

そこでサイトの担当者の方にどれくらいのユーザが記事閲覧をしているかを聞いてみたところ

「記事のPVが1日大体20万くらいで、DAUが30万くらいなので、20万÷30万≒0.7で7割くらいのユーザが記事を読んでくれているんだよね」

という驚き(!)の回答をいただきました。なんだったら3割程度のわけないのではというコメントまで。。

この数字がどうというより、こういった見方をしていたらそれは良いサービスにならないよと落胆したのでした(なおそのご担当の方はとても良い人でして、その後なんとかしてあげないとと自分を奮い立たせました)。

【重要】大切なのはサービスの提供価値を体験しているユーザ数

今回はペイド広告を打っているサイトでしたが、アプリのASOであれ、何かしら流入に対し対策を打っていれば、DAUが伸びていくことがあります。ただそれはユーザがサービスを体験した満足度にかかわらず伸びる値であり、それだけ見ていてはいけません。

大切なのはDAUではなく、サービスの提供価値を体験しているユーザ数を伸ばせているかです。

キュレーションサイトであれば、ユーザが自分の興味ある記事を読むことが最大の提供価値となり、初めてサービスを使って満足することになります。その確認を蔑ろにしDAUとPVから推測しているようでは、とても効果的な施策を打つことはできません。

来訪したのにサービスの提供価値を体験してくれなかったのはなぜなのか、どうすれば即離脱せず体験してもらえるようになるか、体験しているユーザについては
さらにたくさん体験してもらえるようにするにはどうすればいいか、サービスの体験を軸にDAUを分解するだけでも考えるべき施策はたくさん出てきます。

Google Analyticsであれば

  • 記事一覧(LP)→記事→記事一覧→記事

  • 記事一覧→記事→記事

のようにシーケンスを指定するだけで、たまたま記事を開いたユーザを含めないで、しっかりサイトで記事を読んでくれているユーザをカテゴライズして詳細分析することも簡単にできます。

またDAUなどのKPIに加え、「一週間で●記事以上閲覧してくれたユーザを●万人」のようにノーススターメトリック(NSM)を設定するのも大切です。

ぜひみなさんのサービスでも、サービスの提供価値の体験を軸にユーザを分析してみてください!
そして効果的な施策立案につながればば幸いです!!

(言われてみれば当たり前なのですが、意外とできていないケースも多いんですよね)

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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