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【J1 第1節 vs 湘南】山中のポジショニングで見るゴールまでの布石 / 西川のキックとセカンドボール回収

はじめに

4-4-2で新たなスタートを切った2020年の浦和。J1開幕戦となったA湘南戦から面白い場面をピックアップして、どうしてそうなったの?を分析していきます。
今回は、興梠の1得点目と、レオナルドの2得点目に繋がるCKを獲得する前進について見ていきましょう。

※動画の画面左上に試合時間が記載してあるので、DAZNを見ながら確認するとより分かりやすくなります。(5/10現在、再配信されています)

この記事で主にわかること
・試合序盤から行われていた、1得点目に繋がる山中の駆け引き
・西川の武器を効果的に活かしてセカンドボール回収が出来た理由

1得点目分析 - 山中のポジションで見るゴールへの布石

この分析でわかること
・山中→汰木のパスが、どうして実現したのか?
・試合序盤から何回も行われていた山中と湘南MF齋藤の駆け引き
・偽SBのオプションを持っている山中の強み

山中→汰木→興梠と繋がり貴重な同点ゴールとなった1得点目を分析します。
着目ポイントは、裏へ抜け出した汰木へと渡った山中のロングパス。湘南のハイラインを逆手に取る一撃必殺のパスが、どうして実現したのか?を見ていきましょう。
湘南の十八番ともいえるハイライン・ハイプレスは必然的にDFラインの裏に広大なスペースが広がります。当然、山中による後方からの高精度パスを駆使してこのスペースを使いたい浦和でしたが、実は試合序盤、この類のパスを出すことが出来ていませんでした。
その背景には構造上、山中とマッチアップする湘南MF齊藤未月との駆け引きがありました。山中が得意とする「偽SB」は、ルヴァン杯仙台戦でポジショニングで大きな効果を与え、4得点目PK獲得に至るビルドアップに大きく貢献しましたが、この試合では齋藤のプレスに捕らえられます。
しかしこれを察知した山中はすぐに修正を行い、徐々にゴールまでの道筋が見えてきます。

おまけ - 偽SB山中が大きく貢献した仙台戦4得点目のPK獲得

2得点目CK獲得分析 - 11人目のフィールドプレイヤー西川の武器とセカンドボール回収

この分析でわかること
・湘南のハイライン・ハイプレスをどのように突破したか
・味方に届けることだけが「良いパス」ではない理由
・セカンドボール回収するためにどのような準備が必要か

CKの流れから、山中→レオナルドと繋いだ2得点目。このCK獲得に至るまでを分析します。着目ポイントは西川のキックという浦和サポならお馴染みの武器をどのように機能させたかという点。
また、セカンドボールが重要!という話(解説)はよく聞きますが、具体的に何が必要かも見ていきましょう。
1得点目に引き続き、浦和がゴールへ迫るための焦点はやはり湘南のハイライン・ハイプレスをどう突破するか。今回は、西川のロングキックという武器を使って一気にひっくり返します。
西川までボールを下げることで湘南を全体的に引き出したうえで、西川の正確無比なロングパスで一気にFWとMFのラインを飛び越えます。「ボールは人より速く動く」というサッカーの原理を利用して湘南の狙いを無効化。
このボールは裏に抜け出した汰木に直接届くことはありませんでしたが、決して「失敗」ではなく、セカンドボール回収に大きく貢献します。
また、西川にボールが渡った時点で、他の選手も次の展開に備えて素晴らしいポジションを取ります。これがセカンドボール回収に繋がります。
GKまでボールが下がったからといって、下がりすぎない。セカンドボール回収エリアにしっかり人を残し、そのエリアにボールがこぼれてくるようなロングキックを蹴る西川。
チームとして意図を持って前進出来た良い攻撃でした。

あとがき

今後も、浦和レッズの試合からピックアップして、「どうしてこうなったの?」がわかる分析をTwitterやnoteなどで行っていきます!
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