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日常生活に戻って...(Day11〜)

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久しぶりの眠り慣れたベッドで横になり寝る準備が整うと、瞑想センターで得た感覚を維持したいので、寝転びながら眠りに入るまで観察瞑想を続けることにした。頭の先から足のつま先までを観察し続けているうちに教会の鐘がなるのを度々確認した。6回目の鐘がなって、その後にアラームも鳴ったので起きる時間になった事に気づき、起き上がり朝の支度をしている時にふと、
今日一日中全く寝ていないことに気づいた。
寝るのが飯より好きな私がこの人生で眠たくならなかった事は一度もなかったので初めての経験に驚くと同時に儲けた感じがした。

Day11:



家に帰っている途中にふと、西洋は女性の意識だと頭に浮かんできた。
最新兵器を備えて防衛し、それでもものたらず世界最大の軍事同盟を築く事で抑止力を増し、同盟国同士でお互いにいかに意思疎通できるかが一番の優先順位なこの社会構造をとたんに俯瞰した。まるで女性同士の友達関係の構図のようである。
その組織体は助けが必要な国々にサポートするが、仲間に入るにはいかに自分らに合わせれるかを物差しとするところなど、その巧みで繊細な条件付けの仕方などが女性的な感覚から起こっている気がしたからだ。友達ランキングをつけて楽しがっているようである。

そして私の母の感情が私の頭によぎった。
いつも強い願望や期待を何かや誰かにしてから、その期待が外れるとすぐさま嫌悪などのネガティブな感情に変わる母の姿を私の人生の中で見続けていて、私の母にはこのヴィパッサナーで伝えている客観的に平静を保ちながら何事も観察するという意識がないことに気づいた。
好きか嫌いか、それ以外の選択肢は私の母にはなく、今でもそれらがより極端に出てきて、自分でもそれに苦しんでるのを隠しきれなくなっているようである。

私は20年、東洋の文化圏で生きてゆき、米軍に出会ってからどんどんと西洋圏で生きてゆくことになりはや20年。この両極端な文化圏で生きる女性的な意識の生き様を見てきて、無意識的にも私はそれに注目していたことにも気づいた。

どちらが良いとか悪いとかで見ているわけではないが、違った文明の中でいかにその中で生きる人間が意識を発達させているのかを精神修行で意識や心とエネルギーと肉体との関係性から観る私の立場が明確になってきたと感じたのである。特に女性に注目している理由も、多くの精神修行者が語るように、文明とは女性から生まれ、育んでいくものであるとの意見に私も同意しているからである。



そしてその夜に瞑想している時に日本風の武士の、侍が鎧兜を身につけたような亡霊が渇望のみに突き動かされながら戦う場所を求めながら彷徨っている姿を見た。目が赤く光っているがその鎧のなかには肉体も顔もなく、思考もなく理由もなくただただ一つの感情に支配された哀れな亡霊の姿である。右手に日本刀を握りしめ、戦う相手を探しながら彷徨っているのである。
それに直面するように坊主の姿をした男が立ちはだかり、両掌を合わせ合唱し、マントラを唱えることでその手のあたりから亡霊に向かって光が放たれてその亡霊が苦しみながら今にも存在が消えそうな状態になった。
私は意識的にその坊主を小さな少年にし、刀を持たせて元気にその亡霊に立ち向かい、愛と慈悲の心で平静でいながらそれに戦い続けるイメージに変えた。それは観察瞑想(ヴィパッサナー瞑想)の応用としてそういった高い意識で何かと接触することでその存在が無常であることを確認できるからである。そして私の瞑想の経験上でも感覚が生じる対象をそういった意識で観察し続けると、滞っている感じが小さくなってゆき、やがて感覚として認識できないほど小さくなり、消えてしまうからである。(実際に完全に消えてしまうのかどうかは今のところなんとも言えない。)
 何かが好きであるから残って欲しいと渇望したり、何かが嫌いで受け入れられないからとそれを消そうとしても、その意識状態が嵩じて心にシコリや汚濁となり滞り、それが原因で苦悩となって現れ、その感情を起こす原因となる感覚は存在し続け、時には増長するからである。

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