学校で本当に教えて欲しかったこと
個人事業主になって、4ヶ月と半分が過ぎた。
想像以上に、あっという間の4ヶ月間だった。
正直、まだ「実感」は持ちきれていない。
開業届を出しました
地域おこし協力隊として過ごした3年間のおかげで、個人事業主という身分があることと、開業届を出して青色申告の申請をした方がいいことは何となく頭の中にあった。
ただ、ネットで検索しても、それらしき実用書を読んでも、何だかピンと来なくて、まあとりあえずやってみようと1歩を踏み出した形である。
バイトを始める時も、会社に入る時も、
──コレとコレを用意してくださいね、
──こういう手続きをしてくださいね、
──入ったらこんな風に働いてもらいますよ、
──こういう規則があってこういう福利厚生があって……
と、順を追って説明してくれたのに。
雇用という枠から外れると、本っっ当に何も無いのだなあ、と当たり前ながら困惑した。
開業届はあまりにあっさりしすぎていて、紙1枚ペラっと提出したら
「はい、どうも」
と言われてそれで終わりだった。
ネットで便利なツールを見つけて、入力するだけで開業届が完成すると知ったけれど、入力してプリントアウトしてみたらあまりにあっという間に完成してしまいすぎて、重みのなさが怖くなって、やっぱり税務署で紙をもらって手書きで書こう、と二度手間を選択したほどだ。
ちなみに、私が届けを出しに行った4月14日は確定申告の駆け込み行列で道路からして大渋滞。
もしかして、私も来年はここに並んでいたりするのかなあ...?と身震いして、足早に税務署を後にした。
役場に行って、国民年金と国民健康保険の手続きをした。
しばらくして年金の払込用紙が送られてきて心にズシッと来て、またしばらくして住民税の払込用紙が送られてきてズシッズシッと来て。
本当に忘れた頃に国民健康保険の払込用紙が送られてきて、おっとっと、こりゃ参った。
なんて言ってられないくらいズシーーーンと頭が重くなった。
だってこの額と、家賃を足したら既に1ヶ月のパート収入を超えてしまう。
本気で稼がないとやばいな、とようやくお尻に火がついた。(遅いぜ)
ビクビクしながら始めた二足のわらじ
現在、平日は毎日、朝から5~6時間ほどパート勤務で保育士をしている。
フリーランスになろうと決めた時、最低でも必要な収入の半分くらいは固定の稼ぎを持っておいた方がいいなと思って、ハローワークで求人を探した。
小さい頃から、「石橋を叩いても渡らない」と言われた私である。
今は仕方がない、叩きながら、ビクビクしながら渡ろうじゃないか、という感じ。笑
まあ、稼ぎのことはもちろんだけど、理由は他にもある。
働きながら保育士の資格を取った私は、プロとしての経験が浅いわけで、やっぱり「保育士」の肩書きで働くことはキャリア的にも信用的にも続けておくべきだと思ったし、何よりイベントだけではなく、保育の現場感も持っておきたいというのが大きかった。
とてもタイミングよく、町内の小児科が開設している「病児保育室」で働かせてもらえることになった。
病児保育とは、熱を出したり感染症にかかったりして通常の集団保育では預かってもらえないこどもたちを、一時的に預かる施設のこと。
働く親の最後の砦となる病児保育は、私としても関心があった。
保育士としての仕事でありながら、新たなジャンルに挑戦できるのは嬉しかったし、これまで働いていた保育施設のこどもたちもたくさん通っている地元の小児科という安心感もあって、本当にいいご縁をいただいたなと感じている。
ただ、そんなわけで平日のパートも思いのほか体力を使い、14時や15時に帰ってきても既にクタクタ。
パート後からの時間を自分の仕事に充てようと思っていたが、疲れきって仕事にならないこともままある状態だ。
それでも、パートが完全に休みになる土日祝日にはイベントを少しずつ入れている。
ありがたいことに、これまでお世話になってきたショップさんからイベント企画を頼まれたり、知人を辿って子ども会行事のコーディネートを頼まれたり、主催イベントだけでなく依頼をいただくこともちらほら。
紫波町に来て5年目、これまで培ってきたご縁の賜物であると本当に感謝している。
さすがに4連休を4連チャンでイベント開催した時は倒れるかと思ったけれど、一期一会を楽しめるイベント仕事は個人的には性に合っていて、頭や体は疲れても、心は元気だ。
体を崩したらどうにもならない
ただ、この4ヶ月半で一番身に染みて勉強になったことがある。
それは、「体が資本」ということだ。
これは母が口癖のように言っている言葉。
そんなの分かってるよ、と返していたけれど、分かっていなかったんだなあと反省した。
事業をスタートし、パートが始まってすぐの頃、感染性胃腸炎の流行りに乗ってしまったのだ。
昼食の後くらいから、
なんだか気分悪いなあ、食べすぎたかなあ。
と感じ始め、夕飯を抜いて布団に入ったのだが、眠れない。
日をまたぐ頃になってトイレに駆け込んで吐き、布団に戻ってはまたトイレに逆戻り、を繰り返して、熱も出た。
一睡も出来ぬまま、なんとか朝が来るのを待って、パートを休む連絡をし、その日夕方から予定していた個別の預かりもドタキャンすることになってしまい、多大なる迷惑をおかけすることに・・・。
パートは、休めば当然時給は出ない。
働けない=稼ぎがないというわけで、家計に直結してダメージを受けるのだ。
それでも、雇用されている仕事は「休みます」でとりあえずは何とかなる。
迷惑はかけるけど、それで職場がストップするわけではない。
が、自分の仕事は代わりがいない。
迷惑をかけることが、信用を失うことにもなりかねないのだと痛感した。
体調管理がいかに大切か、無理をしがちな自分にとっては大きな教訓だった。
そんなこんなで、7月はちょっとイベント仕事を入れすぎた分、8月は思い切って休むことにした。
お盆期間は動けないし、と割り切ったらいいリフレッシュになった。
個人事業主という働き方について。
雇用される以外の生き方について。
もっとリアルなところを、学生のうちに、いや、義務教育のうちに、学べたらいいのになあ。
なんてやっぱり感じる。
そんなところも発信していけたら、いつか誰かの役に立つだろうか。
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