歳をとるのが怖い

今日はお休みだった。どうせたいして眠れないから明け方まで作業して、昼過ぎまでうつらうつらしていた。
窓から見える曇り空をぼんやり眺めていると輪郭のない思考が行ったり来たりした。右から〜右から〜何かが来てる〜

誕生日が嬉しかったのは18歳まで。ついに18禁解禁だね!なんて言われながら、ロッカーに詰められたプレゼントを抱えて友達と笑っていた。
20歳になるのが嫌だった。10代という無敵カードを剥奪される気がしたから。これからは甘えも失敗も許さないぞ、と社会から言われているようだった。そこからは毎年としを重ねるのが憂鬱で。自由なんて要らないから、ぜんぶぜんぶ正解を教えてほしかった。

24歳で死に損なうまでは25歳、少なくとも30歳までには今世に別れを告げようと考えていた。それくらい怖かったのだ。病気とか関係なく、ね。

なぜか。自己肯定感の低さが理由かもしれない。
歳をとること自体は生き物として当然のことで、そこに疑問や不満はない。受け入れられなかったのは、中身が成長しないまま見た目と健康が損なわれていく実情。
大人って何、年相応って何?私ちゃんとやれてる?自分だけ高校生の頃から成長してないんじゃない?たぶん周りの人はちゃんと変化している。その不安と孤独感が苦しかったのだと思う。

でも最近はそうでもない。30を目前に控えて開き直っているだけかもしれないが。
大人って意外と大人じゃない。というより、"大人"なんて曖昧すぎる概念を追い求めすぎていただけのような気がする。
接客業のバイトをしていたらわかる。歳をとって立場もあるのに、人間とも思えないような人間もたくさんいて、何食わぬ顔で闊歩している。
え、私のこと貴方のママだと思ってます?みたいな親も数えきれないほどいる。

逆に、10代でも多くを抱えながら試行錯誤して生きていたり、大人の私の肩の荷をそっと降ろしてくれたりするような度量のある人もいる。

みんなグラデーションのなかで生きているだけなんだなあ。誕生日前日の23:59と当日の0:00で急に何かが変わるわけでもないしさ。
十人十色?みんなちがってみんないいってやつ?

洗濯物を取り込みながら道行く人を眺めてみる。
スクランブル交差点を渡りながら
(ここですれ違う全員それぞれに人生があるんだな)
と変なテンションで感動した若かりし夜を思い出した。

年齢の10の位が2から3に変わる。嬉しいとは口が裂けても言えないけど、30代は自分のことも人のこともちょっとだけ愛せそうな予感。
なんとなくね。

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