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Maxon Oneのメリットとデメリット

Maxonが販売しているCinema 4D、Redshift for Cinema 4D、Red Giant Completeはそれぞれ単体販売もしている製品ですが、これらをセットにしたMaxon Oneという製品を2020年9月から発売を開始しました。

まずは、それぞれの製品を見てみましょう。

Cinema 4D

Cinema 4Dは、映像制作、カメラトラッキング、建築パース、プロダクトデザインなど幅広い分野で使われている3DCGソフトです。特に、After Effectsとの連携が強いため、モーショングラフィックス分野で非常に人気があります。

Redshift

Redshiftは、GPU(グラフィックスカード)による高速なレンダリングとフォトリアルな質感が特徴のレンダラープラグインです。Cinema 4D以外にもMayaや3ds max、Houdini、Katana等に対応していますが、Maxon Oneに付属しているものは、Cinema 4Dでのみ使用できます。

Red Giant Complete

映像編集、VFX、モーションデザイン向けのAfter EffctsやPremiere Proなどのビデオ編集向けのプラグイン集です。Red Giant Completeには、Universe、Trapcode Suite、Magic Bullet Suite、VFX Suiteが含まれています。3Dパーティクルシステムと流体シミュレーション、カラーコレクションとフィルムのルック、グリーンバック合成、ビデオエフェクトとトランジション、さらにはA/V同期など、ポストプロダクションのワークフローに必要なものが揃っています。

メリット

その1:セット価格でお得
バンドル製品ですので、それぞれ単品でサブスクリプションを購入するよりも約25%(年間4~5万円)ほどお得になります。やはり、より少ない予算で使用できるのは嬉しいですね。

その2:ライセンスの管理が楽
Maxonのライセンスはインストール台数は無制限です。アカウントに紐づくため、インターネットが接続できる環境であれば、コンピュータを自由に切り替えることができます。リモートワークで会社と自宅で切り替えやコンピュータのトラブル時に切り替えることもかんたんにできます。

また、Maxon アカウントで一括管理されるため、MaxonとRed Giantのアカウントを使い分ける必要はありません。

その3:古いバージョンも使える
サブスクリプションなので、Cinema 4DならR21まで過去のバージョンを使うことができます。プラグインや共同作業者との都合で古いバージョンでも使えます。Red Giant Completeも過去のバージョンAfter Effectsなどにも対応しています。

デメリット

Maxon Oneは、お得な分いくつか制限や単品とは異なる点があります。

その1:Cinema 4DとRed Giant製品を別のコンピュータやスタッフに分けて使用ができない
Cinema 4DとAfter EffectsやPremiere ProのプラグインのプラグインであるRed Giant Completeは、異なるアプリケーションなので2台のコンピュータで使い分けたり、会社内でCinema 4DとRed Giantを別のスタッフの同時使うということはできません。Cinema 4DとRed Giantを認証するコンピュータは同じである必要があります。

ですので、フリーランスの方には向いていますが、大きなスタジオなどで分業をされる場合は単品で購入されたほうが購入本数を抑えられることがあるのでどのようなシチュエーションで使うか導入前に検討する必要があります。


その2:Red Giant Completeはネットワークレンダリングできない
Maxon Oneに付属のRed Giant Completeは、ネットワークレンダリングに対応していません。

※Red Giant Compelteのネットワークレンダリングノードは、ボリュームライセンスユーザーのみの提供となりました。

その3:Redshiftは、Cinema 4D以外で使用できません。また、Team Renderにも対応していません。(永続ライセンスのみ対応)
Redshiftの永続ライセンスは、Cinema 4D以外のDCCツールでも使えますが、Maxonに付属のものは、Cinema 4D専用になります。

また、Team RenderやCommandline Renderもサポートしていません。使用したい場合は、Redshiftの永続ライセンスをレンダリングするコンピュータの台数分購入する必要があります。

Cinema 4Dの標準レンダラーやフィジカルレンダラーは、通常通り5台までレンダリング可能です。

その4:フローティングライセンスサーバーやRLMでは使えない
Maxon Oneは、フローティングライセンスサーバーやRLMによるライセンス管理ができません。そのため、Volumeライセンスを購入された場合でもMaxonアカウントによるライセンス認証となります。

ただし、3ライセンス以上所有している場合は、MyMaxonのアカウントを組織アカウントに変更することでチーム単位でライセンスの割り当ては可能になります。

対象はフリーランスやジェネラリスト

ご紹介のようにMaxon Oneは、ライセンスがまとまって管理が簡単な分、仕事を分業にはあまり向いていません。おすすめのユーザーとしては、以下のようなタイプです。

・CGからビデオ編集、VFXなど映像制作をするフリーランス
・プロジェクト単位やカット単位で一人ですべて仕上げる組織
・CGや映像編集、エフェクトごとに専門職分けしていない組織

このようなタイプのユーザーであれば、Maxon Oneはコストが抑えられるのでおすすめです。

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