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だからスキを手渡したいんだ week19

こんにちは、だいすーけです。
その週に読んだnoteのなかから、いくつかの作品をピックアップしてご紹介するという取り組みをしています。今年に入ってからはじめて、今回で19回目。

今週はすでに18回目を投稿しているのですが、いろいろ読んでいるうちに一本書けてしまったので来週まで待たずに投稿してしまおうと思います。GWで一週おやすみしたからちょうどいいですかね、わかりませんけど、伝えたいって思う気持ちが手を動かしたならそれはそれでいいことですよね。

それでは。
さっそくまいります!19回目。



全世界累計2900万部、日本は47万部突破!! 『三体Ⅲ 死神永生』で完結する三体ワールド、発売前にその魅力をおさらい!(その1) / Hayakawa Books & Magazines(β) さん

いよいよ発売迫る!! 『三体Ⅲ 死神永生』で完結する三体ワールド、発売前にその魅力をおさらい!(その2 黒暗森林篇) / Hayakawa Books & Magazines(β) さん

今回のスキnoteご紹介、最初はすこし趣向を変えて。早川書房さん(はじめまして!)の新刊紹介noteです。
ぼくも読みました。中国発の、超壮大なスケールで描かれるSF小説『三体』『三体Ⅱ 黒暗森林(上)』『三体Ⅱ 黒暗森林(下)』。その三部作完結編『三体Ⅲ 死神永生(上)』『三体Ⅲ 死神永生(下)』が、ついに今月25日に発売となるのです。たのしみ。発売日に買います。

SF小説というものにたいして、これまでぼくはすこしアレルギーというか、避けて通る傾向があったんですよね。現実離れしすぎた世界観に、どうにもついていけない気がして。それでも、この自粛つづきの世の中。昨年末あたりでしょうか、思い切って挑んでみた三体ワールド。ぼくはすぐにその虜になりました。

既刊のⅠ、Ⅱのあらすじは引用noteの本文を読んで頂ければわかりますが、このお話の魅力は何と言ってもその圧倒的なスケールとぶっ飛んだアイデアが、歴史や科学の精密な描写に基づいた土台の上に展開されているところ。そんな無茶な!というストーリーが、どんどん現実味を帯びて読者をその世界観に引き込んでいく。

ⅠとⅡで計1,100ページ程度、長いお話なので、お気軽にどうぞとは言えませんが、この圧倒的なスケールのなかに身を置いてみる体験はほかにできるものではないのかなと思ってご紹介してみました。

一作ごとにまったく違った読み味とおもしろさがある本三部作だが、第三部では第二部とはまた別のスケールへとかっ飛んでいくので、乞うご期待!

ぼくは決して早川書房さんの回し者ではありませんが、ご興味のある方はぜひ。おもしろいですよ!


詩散文)燃えるような赤をその涙目にみるか。 / lino. さん

言葉の力、というものを考えたことはありますか。
短いnoteのなかに、言葉にたいする考察を添えてくださったlino.さん(はじめまして!)。

自らの思いを何とかして伝えるためにそれを適切な言葉にしようと試みるも、どうにもうまくいかない。考えれば考えるほど、伝えたいことの中心から遠ざかっていく。そんな経験がみなさんにもあるのではないでしょうか。

 言葉は伝えず、むしろ隠す。言葉は無力だ。物事をスッキリ伝えきるなんていう試みは、端っから絶望的でしかない。

ただ、(幸か不幸か)ぼくらにとって言葉はすでに、生きていくうえで切り離せないものなんですよね。だから、「他者と決して通じ合えない絶対の孤独という宿命」のなかで、懸命にもがくんです。
その宿命と、「「それでもなお、伝えたい」という抑えがたい欲求」。そんな絶望的な状況が芸術を生み、詩を生んだ。

 そうして言葉は詩となった。あるいはそもそも詩であった。

このnoteをひととおり読んでから再度触れたこの一文が、とても優しく瑞々しく見えて好きです。包み込んでくれる温かさがある気がして。言葉は無力だから、言葉では意味が伝わらないから。言葉がもっているのは意味ではなく、「秘密」なんですね。

 学ぶほどに感じるのは、言葉の限りない無力さ。しかし同時に感じるは、その慎ましさ。言葉は自身の無力を引き受け、なおも語る。

この冒頭2行に、このnoteのメッセージが込められているように思います。
見出すべきは、絶望のなかの希望。「詩散文」のタイトルどおり、美しく流れる文章でした。


お兄ちゃんとお母さんと「バカ」とおれ / 夏野新(なつのしん) さん

夏野新さん(はじめまして!)が、今年小学校に上がったばかりの息子さんとの「バカ」という言葉についてのエピソードを綴ってくださいました。

次男は、クラスメイトにお兄ちゃんを「バカ」呼ばわりされたことに対してとても怒っていた。

ここでつかわれた「バカ」という言葉ですが、本文を読んで頂ければ今これを読んでいる皆さんには当然わかると思うんです。いわゆる「愚か」だとか「つまらない」という意味では決してない。

たしかに、6歳の子どもが大好きなお兄ちゃんをバカ呼ばわりされたら怒るのは当然かもしれません。でも、この「ニュアンスの可能性」を、どう伝えようか。それはとても、難しい問題なのだと思います。夏野新さんも、相当悩まれた様子。

こうして考えてみると、何気ない言葉のひとつひとつに幅や奥行きがあるんだと改めてわかるように思う。

汚い言葉、乱暴な言葉。それはたしかに存在するけれど、子どもにそれを伝えるとき、大切なのはその言葉がまとう空気、ニュアンスを「大人自身がわかっていないと」いけないということ。それでなければ、なぜその言葉がいけないのか、そして、言葉はどのように選ぶべきなのか。それを伝えることはなかなか難しいのではないかと思うのです。

「言葉の持つ意味」や「力」を理解することは、大げさではなく人生全体を大きく左右すること。言葉の深さ、難しさ。ぼくら大人だって、というか、大人だからこそ、つねに意識していないといけませんよね。


今度いつ帰る / meme さん

今月は、母の日がありましたよね。noteでも母の日について書かれたものをいくつか読みました。わが家もふたりの母にそれぞれ贈りものをしました。日頃から、感謝の気持ちは伝えているつもりです。それでもこうして改まる機会というのはいいものだな、と思うんですよね。

母になるということは
まいにちが母の日なのでしょう

お料理の写真は、memeさん(はじめまして!)が受け継いだ「母の味」でしょうか。柔らかなメロディにのせて口ずさんでいるようなことばとその間に散りばめられた写真たち。フォントも雰囲気が出ていて素敵だと思いました。

たまにかける電話口の向こうでお父さまがよく口ずさんでいるという、さだまさしさんの「案山子」。聴いたことがなかったのでYouTubeで聴きながらmemeさんのnoteを読みました。40年以上前の曲なんですって。

今度いつ帰る

我が子を思う慈愛に満ちた言葉の連なりのなかに、控えめに添えられているこのひと言。でもほんとうは、これが我が子にいちばん伝えたいひと言なのかもしれない。
電話口の向こうでこの曲を口ずさむmemeさんのお父さまのお顔はぼくの脳内ではすっかりさだまさしさんですが、この短いnoteのなかに、尊い親子のつながりを見た気がします。...表現が月並みすぎて悔しい...。

私が元気でいることが、この2人への、何よりの親孝行だとそう信じて、私は今日も東京を生きます。

依然として難しい状況ではありますが、親子の時間を安心して過ごせる機会がはやく訪れますように。memeさんにも、ぼくにも、みなさんにも。


オブラートに包む / 廣瀬 翼(つー) さん

「正しいことほど人を傷つけるのだから、正しいことを伝えるときはオブラートに包んで言いなさい」

これは、幼少期につーさん(はじめまして!)がお母さまによく言われていた言葉。そして、これがお母さまに教わったことのなかでもっとも感謝している言葉なのだそう。そして、それは今この時代にこそより意識しておくことが大事なのではないかとも思われたそうです。
それは、昨今のSNS(や報道)での度重なる炎上や心ない言葉のやり取りを目にすることが増えたから。

一つひとつの発言だけを掬い上げれば、主張の理屈は通っていて、(中略)けれど私は、それらの投稿を見ていて、どうにも「正しい」と思えないのだ。

どんなに正しい(と思われる)主張でも、それを一方的に相手にぶつけることは、果たして正しいことなのだろうか。

ただ日々溜まっているモヤモヤや鬱憤を、「正しさ」や「正義」を笠に着てぶつけているだけではないかと感じることも少なくない。

そう思われてしまうのは発信者にとっても損。反射的に飛ばした140字が、自分の器の小ささを露呈させかねない。自分の主張することに自信と熱があるのなら、発信の仕方をまずもって考えるべきなんですよね。

本物の「オブラート」を知らなくても、この慣用句は知っている。そんな人も多いのでは。とても大事なことを書いてくださいました。



「だからスキを手渡したいんだ week19」、いかがだったでしょうか。今回は、ご紹介したみなさん全員がはじめましての方でした。noteのホーム画面や「閲覧履歴によるオススメ」みたいなところから旅をして、いろんな方のところにお邪魔してきました。当たりまえのことなのですが、まだまだ知らない人はたくさんいて、美しい文章に出会えるチャンスは限りなく無限に近い。掘っていけば、きれいな宝ものがぜったいにあるんですよね。今回はその思いをより強くしたような気がしています。

ということで、冒頭にも書きましたが、本来は来週の頭に投稿するはずだったこのnote。スキがたまってしまったので、すこし早いですがもう出してしまうことにしました。
おうちでたのしく過ごす休日のお供になればいいなと思います。

それでは。
今日はこのあたりで失礼します。

お付き合いありがとうございました。




このシリーズは、マガジンにまとめてあります。
まだ見ぬスキに出会いたい方は、ぜひご参考にして頂ければと思います。








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