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『空へ』 #ポエムのある暮らし

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夢ばかりじゃない
自由ばかりでも、希望ばかりでもない
それでも、外へ出たい
いつも 見上げていた

どんなに優しく水面を掻いても
どんなに激しく、水面を叩いても
形を変えることのない
高くて 高くて、高くて
青い、空に
淡くて 淡くて、淡くて
白い、月に
どれだけ
つよく、まっすぐ
飛び跳ねたなら
手が届くのだろうか

空へ
月へ、

勝手知ったる、この
狭くて
暗くて
丸い、世界のうえに
ある世界へ


『空へ』





このnoteは、定期購読マガジン『ポエムのある暮らし』収録noteです。
ポエムからはじまり、バーテンダー歴15年のぼくがご紹介する「おうちでつくるかんたんカクテル」、ショートエッセイを掲載しています。更新は、月4回。
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ここからは、いつもどおり「かんたんおうちカクテル」のコーナーです。
前回「モヒート(Mojito)」というカクテルについて2週にわたり書きましたが、今回はまた全然違う種類のお酒のお話。


マイナーだけど、バーには必須のお酒。

ヴェルモット(Vermouth)というお酒をご存じでしょうか。
非常にマイナーなお酒ではありますが、バーではぜったいに欠かせない一本。なぜかというと、「カクテルの王様、女王様」と称される「マティーニ(Martini)」と「マンハッタン(Manhattan)」につかう材料だからです。マティーニが王様でマンハッタンが女王様です。ヴェルモットには大きく分けて2種類あり、マティーニにつかう透明なタイプのものを「ドライヴェルモット」、マンハッタンにつかう赤いものを「スイートヴェルモット」と呼び、実際にスイートヴェルモットは甘くて飲みやすいものが多いです。居酒屋さんなどで「チンザノロッソ(Cinzano Rosso)」というお酒を見たことがあるでしょうか。これがスイートヴェルモットのおそらくはいちばん有名な銘柄。どちらも白ワインをベースにしてつくられるお酒です。

ドライヴェルモットの色はこんな感じ。白ワインよりすこし濃いかな、という程度(もちろん銘柄により多少変わります)。

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もうすこしつづけます。

マティーニはジン、マンハッタンはアメリカンウイスキーをベースにして、それぞれドライとスイートのヴェルモットと合わせるカクテルです。こんなふうにヴェルモットはつよいお酒との相性がとてもいいお酒なので、自らが主役になることはほぼないんですよね。バーによく行く人でもヴェルモットは知ってはいるけど単体で飲んだことはない、そんな人がほとんどだと思います。
でもじつはこれ、デイリーでカジュアルに飲むのにこんなに適したお酒あるの!っていうくらいつかいやすくておいしいお酒。今回はドライヴェルモットのおいしい飲み方をご紹介したいと思います。スイートはまた別の機会に。


ドライベルモットのテイスト

たくさんの人に馴染みのないヴェルモットですが、テイストはドライシェリー(※スペインでつくられるワインの一種)に似ています。言い方は悪いですがすこしひねた白ワインみたいなテイストで、軽めの紹興酒、酸っぱくないお酢、麹、ぬか漬けや発酵食品、奥のほうにブドウ。そんなニュアンスのあるテイスト。あまりおいしそうに伝わっていないと思うのですが、ちょっと信じてついてきてください。


おすすめする理由は、なんと言ってもその値段

ここではいろんなお酒をご紹介してきましたが、その中でもこれはトップクラスに買いやすい価格帯のお酒。あまり価格の話ばかりしたくありませんが、デイリーで付き合おうとしたらこれだって大事な要素。
今日つかうドライヴェルモットは「ノイリープラット(Noilly Prat)」というこれもまたヴェルモットの代表的な銘柄。これがなんとリッターでだいたい1,000円ちょっとなのです。
おうちで買いそうなほかのカジュアルなお酒と比較してみましょう。

安いでしょう?いちばん下のノイリープラット、1リットルで1,100円。1杯30mlつかったとして33円。ソーダ割りにしても1杯40円。容量が大きいのでどこにしまうかという問題こそありますが(開封後冷蔵保存必須)、気に入ったら即買いしていいレベルだと思っています。

お待たせしました。
それでは、ドライヴェルモットのおいしい飲み方をご紹介します。ライトな飲み方をいくつか、さいごに飲みごたえのあるカクテルをひとつ、という感じです!


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