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結婚式なんてできない 泡を吹いちゃうよ



出張の精算が大嫌い

私は出張の精算が大嫌いだ。レシートを取っておけないし、自分が乗った電車が思い出せない。紙上の数字と事実との齟齬をなくすことができない。お金の計算そのものも苦手なので、家計簿もつけられない。


会議の日程調整が大嫌い

自分の予定を把握することからも立てることからも逃げてきた人生だった。結婚式の招待状はギリギリに返してしまうし、出欠連絡が致命的にできない。仕事ではまだないが、遊ぶ予定だとダブルブッキングもよくする。
自分だけでもそうなのに、たくさんの人に連絡して、日程を調整して、出欠の確認をするなんて無理に決まっている。


そんな人は結婚式なんてできません

出張の精算と会議の日程調整が大嫌いな人間に結婚式ができるわけがない。地獄全部盛りだ。仕事だから何とかやっているが、趣味でできるはずがない。
結婚式そのものは素敵だと思うこともあるし、友達の結婚式に行くのはとても楽しい。でも、私には結婚式開催能力が悲しいくらいない。あと、やたらと友達や大事な人が多いので、誰を呼ぶか決められない。その時点で泡を吹いてしまう。


お世話になったおじさん大集合大会の開催

めでたい気持ちはあるので、いったんものすごくお世話になった人を結婚記念日に集めてみた(事実婚なので正確には結婚記念日ではない)。会の趣旨が不明瞭だったため、カオス化を防ごうとして、ひとまず私側の人ばかりで開催した。
メンバーは両親、大学院の指導教官、大学院のときに住んでいた街の中華料理屋のマスターだ。大学院のときには、ほとんど毎日、マスターの中華料理屋に寄ってから帰っていた。出世払いでツケでいいよと言ってお金を受け取らないのに、沢山飲ませて食べさせてくれた。ごくたまにお店を手伝っていたが、絶対に返しきれていない。
両親のうち母が来られなかったので、結果的に年齢60-70歳の男性が集まり、「私がお世話になったおじさん大会」になった。もちろんみんな初対面なので、共通の話題があるかなと少し心配に思っていたが、みんなでいろんな話をした。美味しいラー油の作り方や、中国にいる野生動物、好きなお酒の話など。私の話をそんなにしていなくてなんだか嬉しかった。代金は私たち主催者が払うという気持ちだったが、指導教官とマスターがお勘定を熾烈に争って、結局どうなったのかは忘れた。
とても楽しい夜だった。もしも、こんな感じなら結婚式もいいなと思いつつ、自分の能力の限界と向き合う必要があるなと思った。あと、おそらく結婚式はこんな感じではないだろうとも思う。



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