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尾瀬の山に登ろう 〜 鬼怒沼山、黒岩山

2021年10月5日(火)・6日(水)

群馬県片品村/栃木県日光市/福島県檜枝岐村

錦秋の尾瀬を訪ねるのは久しぶりです。
黄金色の湿原から静寂の森に歩みを進めれば
足取りも軽く心が躍り出します。

尾瀬国立公園東部にあたる群馬/栃木/福島の三県を跨ぐ県境の縦走路は尾瀬国立公園と尾瀬保護団体のHPにハイキングマップやルートの詳細な情報はありません。
栃木百名山のガイドブックに日光澤温泉を起点に鬼怒沼山と黒岩山までのルート案内があります。
奥鬼怒温泉郷に宿泊すれば日帰りで黒岩山の往復は可能ですが、健脚向けのルートとなるでしょう。

群馬県片品村大清水を起点にしても鬼怒沼湿原を経由して黒岩山の往復で約29km、尾瀬沼まで周回すると約35kmとなりこちらも日帰りでは厳しく、ここ数年計画を立ててもなかなか実行出来ずにいましたがグッドタイミングで連休となりテント泊山行にて念願の縦走路を歩く事が出来ました。

紅葉シーズンのハイライトは何てったって黄金色に染まる鬼怒沼湿原と尾瀬沼となるでしょうか。
栃木百名山の鬼怒沼山、黒岩山へはいずれも縦走路から外れて薮の細道を辿って登頂しました。

環境省尾瀬国立公園のHPはこちら⬇︎⬇︎⬇︎

尾瀬保護財団のHPはこちら⬇︎⬇︎⬇︎

10月5日(火)
☀️晴れ 🌀平穏 🕗7h52m
🐾26,836歩 13.4km ↑1360↓550
7:15 大清水駐車場⇒物見山⇒鬼怒沼湿原⇒
鬼怒沼山⇒縦走路幕営地 15:07

10月6日(水)
🌦雨のち曇り 🌀平穏 🕣8h19m
🐾34,795歩 21.7km ↑670↓1480
♨️寄居山温泉 ほっこりの湯 550円
7:00 縦走路幕営地⇒黒岩山⇒赤安山⇒小淵沢田代
⇒大江湿原⇒尾瀬沼⇒三平峠⇒大清水駐車場15:19

10月5日(火)
風吹けば 金波銀波の 草紅葉。

☀️晴れ 🌀平穏 🕗7h52m
🐾26,836歩 13.4km ↑1360↓550

7:15 大清水駐車場⇒物見山⇒鬼怒沼湿原
⇒鬼怒沼山⇒縦走路幕営地 15:07

片品村大清水は朝から青空が広がり、
冷え込みも無くスッキリと気持ちが良いです。

駐車場には15台程の車が停まっていました。
群馬県側の尾瀬国立公園の入山口となる大清水の
駐車場の料金は一日500円です。

大清水〜一ノ瀬の約3キロの区間は片道700円で乗合バスが運行しています。
バスを利用すれば尾瀬沼へ入山も少しは楽ですね。

一ノ瀬まで歩く場合は会津沼田街道の旧道が整備されてますので、そちらがおすすめです。
準備運動にはちょうど良いと思いますよ。

7:15
大清水駐車場

さぁ出発しましょう。

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まずは天空の楽園である鬼怒沼を目指して大清水休憩所の裏から鬼怒沼林道に入ります。

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物見橋を渡ると道標の建つ分岐があります。
根羽沢鉱山跡へは立入禁止となっていますので、
ご注意下さい。

ここで林道は終点となり、登山道となります。

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8:14
湯沢渡渉点

湯沢に架かる丸木橋は大雨で流されて、
傾いています。

ホッホッ!と石を飛んで渡りました。

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渡渉点には名も無き立派な滝がありました。

この先はしばらく水場が無いので、しっかり水を補給していきましょう。
沢水なので浄水器の使用、又は煮沸した方が良いでしょうね。

8:30
一休みしてから尾根に上がりましょう。

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雑木の痩せ尾根からは時折り展望があります。
谷を挟んで四郎岳しろうだけ燕巣山つばくろすやまが近く、上州武尊山じょうしゅうほたかやまが遠望できました。

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キツい急登が続きます。

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10:50
物見山ものみやま 2113m

名前からして昔は大展望があったのでしょう?

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群馬県/栃木県の県境は薮に覆われています。
薮漕ぎして燕巣山つばくろすやままで縦走する強者がいるからには僕もいつかはやらなくてはね!!

10:55
急登を終えて、ふぅ〜!と一息
さぁ出発しましょう。

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鬼怒沼湿原に向かい下っていきます。

この辺りの県境はちょっと複雑ですね、
登山道は県境に沿っていません。

県境はP2039に向かい笹薮の奥へ消えます。
綺麗に刈り払いされたトレイルを進みましょう。

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11:18
鬼怒沼湿原北端

ようこそ黄金色の楽園に!!

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うわぁ〜凄いね!!
思わず声がでます。

ちらほらとハイカーさんがいました。
皆さん奥鬼怒温泉郷から登ってきた様です。

鬼怒沼湿原は標高2000mを越える日本で一番高所にある高層湿原になります。

今日はとてもいい日で金色の風に吹かれ草紅葉が揺れています。
湿原の上には日光白根山にっこうしらねさんが見えました。

どうぞ一度訪ねてみてください。

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鬼怒沼湿原南端から奥鬼怒温泉郷に向かって山道が続いています。
いつか行きたいなぁ、まだ行った事無いのです。

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サンショウウオ発見!

東電の鬼怒沼巡視小屋はなかなか快適そうです。

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湿原のベンチに腰掛けて腹ごしらえ。

「 旨い!旨い!!」

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12:20
天空の楽園に別れを告げ再び縦走路へ。

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鬼怒沼山に向けて山道から外れ薮道に入ります。

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鬼怒沼山きぬぬまやま △2141.1m

栃木百名山とぐんま百名山に選ばれている鬼怒沼山は木に囲まれて展望はいまひとつです。
日光白根山にっこうしらねさんが樹間に見えるのが唯一の展望となります。

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縦走路に戻ります。

ここから先はまだ未踏の山域でワクワク感が止まりませんね。

グッと道が細くなり、鬼怒沼山の西側を巻く様に縦走路が続いていきます。

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県境稜線の縦走路は倒木が多く、少し薮っぽい所もありますが、概ね歩きやすいです。
しかし歩くハイカーが少なく山深い場所ですので、登山道の整備が行き届かない様です。

徐々に倒木が激しくなりました。

目印のピンクテープを追いかけ倒木の間を縫う様に進むので、時間がかかり四苦八苦しました。

標高点P2069の手前から尾根が広くなり、登山道の脇にテントを張れるスペースが散見出来ます。
もしもの時にテントやツェルトが有ればビバークも可能ですが、周辺に水場は有りませんね。

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P2055の手前でコメツガの激しい倒木帯が有り、
登山道がすべて塞がってしまいました。
百本以上あったでしょうか、目印を見失わない様に進み小松湿原の鞍部へ向かいます。

15:07
縦走路幕営地

P2055を越えて今日の幕営地に到着です。

小松湿原へ流れる細い沢が有り、針葉樹の森の中に平地が多く、ここなら快適に過ごせそうです。

さっそく寝床を探してテントを設営しましょう。

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水場へ向かいますが、沢の水量が少なく濡れている程度でした。
鞍部から沢筋を100m程下るとチョロチョロと細い水流が有りました。

幕営地に決めた樹林帯の鞍部には道標など無く、
水場の目印や小松湿原へ向かう道は有りません。

沢筋を降れば湿原まで行けるでしょうが…
個人的には立ち入らない方が良いと思います。

さてさてまずは乾杯といきましょう。

「 グビッ!グビッ!プハー!」堪らんですよー。

まだ16時を回ったところで時間は早いですがね、
明るい内に晩飯の準備でもしましょうか。

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とても静かで最高です。

深山の中でたった一人、携帯も圏外で、
する事なんて何も無いのが良いですね。

ただボォーっと空を見上げて、
焼酎の水割りをちびりちびりとやってね。

日が落ちる前に後片付けしましょう。

食糧全部とクッカーとゴミなど匂いのある物は全部まとめて木に吊るしてしまいます。
熊さん対策もこれでバッチリです👌

「 あれっ! どこかに酒臭いヤツがいるぞ☺️」

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日が沈めば辺りは漆黒の闇の中です。

テントの中で寝袋に潜り込んでお気に入りのpodcastを聞いてまったりとしていると…zzz
いつの間にか夢の中でした。

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10月6日(水)
山谷は秋霖に湿る。

🌦雨のち曇り 🌀平穏 🕣8h19m
🐾34,795歩 21.7km ↑670↓1480
♨️寄居山温泉 ほっこりの湯 550円

7:00 縦走路幕営地⇒黒岩山⇒赤安山⇒小淵沢田代
⇒大江湿原⇒尾瀬沼⇒三平峠⇒大清水駐車場15:19

「あぁ〜あ〜🥱よく寝たなぁ」
「雨は大丈夫かな!?」
「よし!まだ降ってないな」

前日にチェックした天気予報では6日の午前中は雨予報で、早朝5時半に起きると辺りは霞の中でした。
まだ雨は落ちてきませんが、その前にチャッチャと朝ごはんを済ましてテントを撤収しました。

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さてと、そろそろ行こうかね!と
荷物をまとめてレインウェアを着て、
そんでザックカバーも…と

「 んン!」ポツポツときましたね。

たまには雨の山歩きもいいでしょう。

大雨にならなければ良いのだけれどなぁ、
こればかりは仕方ないですね。

7:00
いざ尾瀬沼へ!!

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やはり縦走路には倒木が多いです。

目印を追いかけ登山道を進みます。

7:35
黒岩山分岐

この辺りにも水場があるはずなんですが、
どこだろう!?見つからないや。

ザックをデポし黒岩山へ向かいます。

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道形はしっかりと有りますが、
薮道は雨に濡れてびっしょりです。

山腹を東に回り込む様に道が続いていました。

急登は無く、最後は薮をかき分けて登頂です。

7:56
黒岩山くろいわやま 2163.1m

晴れていればなぁ、残念。
大展望は霞に消えてしまいました。

いつかまた来いよ!って事でしょう。

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来た道を縦走路まで戻ります。

もう薮でびしょ濡れですよ😭

8:10
黒岩山分岐

さぁ行くぞー!!

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黒岩山から先はよく刈り払いされていましたが、
目印が少ないです。

トレイルを外れない様に注意しましょう。

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9:15
赤安山あかやすやま △2051.0m

赤安山の北側の登山道から山頂の△三角点を探して笹薮を漕いで進みます。
山頂まで登ってみましたが、背丈を越える笹薮の中に△三角点は見つけられず、山名板も探せませんでした。

只々びしょ濡れになり、写真を撮る余裕は一切有りませんでした。

トレイルに戻り先に進みます。

「あーあーただ濡れただけじゃんか😭」
(心の声)

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雨はポツポツで本降りにならず良かったです。
少し空も明るくなってきました。

「今更だけどね」
(心の声)

10:34
只見幹線電発記念碑

送電線が南北に通っています。
尾瀬にこんな場所があったなんて
知らなかったなぁ。

2018年に歩いたアパラチアントレイル
の事を思い出しました。
こんな場所を何度も何度も
通り抜けて行ったんだよなぁ。

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10:45
奥鬼怒林道分岐

奥鬼怒林道まで続く山道の入り口は笹に覆われて、入る気になりませんね。
林道まで1時間程ですが、誰か行く人いるのかね。

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10:52
小淵沢田代

煙霧に包まれて、小淵沢田代は幻想的でした。

「あれっ!」雨が止んだかな、どうだろか?
これで雨上がりかな。

尾瀬沼から小淵沢田代まで約1時間ですが、
誰もいませんでした。
今日は天気がいまひとつだから仕方ないですが、
好日でもここまで足を伸ばすハイカーはそれ程多くは無いと思います。

穴場ですよ👍🏼

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11:09
尾瀬沼↔︎大江湿原の分岐

ちょっと遠回りして大江湿原にいきましょうか。

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高度が下って針葉樹から広葉樹の森になると紅葉した木々が待っていました。

雨に濡れた葉が美しいですね。

11:43
大江湿原入口
鹿除けのゲート

ゲートを抜けると大江湿原となります。

ハイカーさんの姿がちらほらとありました。

昨日の鬼怒沼湿原から大江湿原まで
誰一人会わなかったものなぁ。

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寄り道して平野家の墓所に手を合わせてきました。

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尾瀬沼まで来ると人が多いですね。

12:17
尾瀬沼ビジターセンター

新ビジターセンターが今年の7月から稼働中です。
旧センターの目の前に新築となりました。

びしょ濡れの泥んこだったので、
中に入るのは遠慮しました。

入口にいたスタッフさんも苦笑いでしたね😅

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12:38
尾瀬沼休憩所

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雨上がりの美しい尾瀬沼を見ながらランチタイムとなりました。

残念ながら燧ヶ岳ひうちがたけは姿を見せなかったなぁ。

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13:20
尾瀬沼休憩所

さぁ!下山しましょうか。

大清水まであと7kmだー!!

えっ!!まだそんなにあるのか(疲)

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12:36
三平峠

これから登って来るハイカーさんがいます。

尾瀬沼に泊まるのかな?

いいなぁ、明日も休みたいなぁ。

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14:22
一ノ瀬休憩所

数年前まで売店があって色々と売ってたのにね、
今は寂しく休憩所とトイレが有るだけです。

大清水まで乗合バスが運行していますが、
あともう少しだから歩きますよー。

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会津沼田街道の旧道に入り大清水に向かいます。

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うわわわぁ〜!!山道の真ん中に巨大な💩

カランカランカラン🔔
すいませーん🧸お邪魔してまーす。

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奥鬼怒林道に出ると大清水は近いです。

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大清水駐車場

いゃ〜、よく歩いたね。

大清水を起点にぐるりと周回して約35kmのロングルートでした。
久しぶりのテント泊装備でしたが、最高の時間を過ごせましたね。

尾瀬を取り巻く問題はとても多く、個人がなんやかんや言ってもどうなる事は無いと思います。
環境・利権・動植物・オーバーユース、etc 様々な問題に対して個人としては何が出来るでしょうか!?

ゴミを残さない!

湿原に足を踏み入れない!

簡単な事ですね。

いつまでもこの自然を守っていきましょう。

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雨に降られて、びしょ濡れだった事なんて
もう忘れちゃったよ。

あーそーだ!思い出した。

黒岩山に忘れ物してきちゃったんだよ。

山頂からの大展望!

またいつの日か

忘れ物を取りに戻らなくちゃね。

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最後までお付き合い頂きありがとうございます。

個人的な忘備録もかねていますので、
長文になってしまいました🙇🏻

〈おまけ〉

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道の駅『尾瀬かたしな』にてお買い物、
地場野菜をたんまりと地ビールもね🍺

#334《おしまい》

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