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怒らないこと

アメトーーク!で紹介されたと聞いたので、気になって読んでみました。ブッダアンガーマネジメント、ベストセラー「怒らないこと」の文庫本です。

勇気を持って、コツコツ頑張らなければ「怒り」という病気は根治できない。その現実をまず認めることで、人格を向上する道がひらけてくる。「生きることは苦である」というありのままの事実を知ることがブッダの教え。

希望を捨てることは、自分の成長を飽きられることとは違う。誰でも日々成長しなければいけない。だいそれた希望をいだく代わりに「今日は昨日よりマシな人間になろう」ということに挑戦する。

自分の家族を見たり、自分の好きな人を見たりすると、心の中にすぐに愛情という感情が生まれる。瞬時に起きる。怒りは、愛情と同じように人間の心に一瞬にして芽生える感情。2種類の感情によって生きている。1.愛情の感情と、2.怒りの感情

怒りがすごく強くなると、自分の歯もジリジリと噛んだり、拳を握ったり、筋肉が震えたりする。「強い怒り」には、パーリ語はvera(ヴェーラ)という単語を使う。

ヒンドゥー教では「ブラフマンは創造する。それから、シヴァという神は破壊する」と、きちんとふたつに分けて考えている。

人間というのは、いつでも「私は正しい。相手は間違っている」と思っている。それで怒る。「相手が正しいと思ったら、怒ることはない。「私は完全に正しい。完全だ。完璧だ。相手の方が悪いんだ」と思うから、怒る。

ベストを尽くすのは当たり前で「一応、精一杯やりますけど、結果はわかりません」という知識的で、高度な生き方が良い。このように生きるなら、怒りの現れる余地はない。

怒り」が生まれると「喜び」を失う。その人はずっと不幸を感じることになる。

怒っていると気持ちが悪い。退屈なとき、気持ちがいいか?最低な気分でしょう。心に怒りがあると、人間は不幸逆にウキウキしているとき、心は明るくて軽くて、すごく気持ちがいい。それを我々は幸福と呼んだりする。

怒っている自分を感じたら、「私は合理的でない完全なバカで、何も理解できない無知な人間だから怒っているんだ」と真剣に自分に言わなくてはいけない。

無視したことによって、自分が損をしてはいけない。「あなたは私に損を与える。だから私は無視する。それによって私は幸福になる」というのを見せつけること。ニコニコして堂々と楽しく生きていると向こうは「やっぱり自分の方が間違っているかもしれない。折れなくてはいけない」と考え直すようになる。

生徒に「これは違いますよ」と言われたら、自分も「ああ、本当にそうですね。あなたはよく知っていますね。しっかりしています」と言って、生徒を褒めてあげる、そういう人が立派。

壊れた鐘のようになれ
怒り傲慢を捨てろ。お釈迦さまが、怒りと傲慢の両方を捨てろと言われている。エゴを持っているから怒る。怒りと一緒にエゴを捨てろ」という。鐘に少しでも触れると、すごい音がする。ひびが入っていたら、たたいても鐘の音はしない。

「怒る原因がないときは、誰でも落ち着いて、立派に恰好をつけていられる。でも、それは本物ではない」

人間が人間を叱るとき、お釈迦さまは5つに分けている
1.「叱るべきときに叱ることもあるし、叱ってはいけないときにも叱ることもある」
2.「根拠があって叱るときもあるし、根拠がないのにもかかわらず叱るときもある」
3.「やさしい言葉で言うときもあるし、きつい言葉で言うときもある」
4.「本当に意味のある役に立つ言葉で叱るときもあるし、どうでもいい無駄な言葉でただ叱るだけのときもある」
5.「相手に対して、慈しみをもって叱るときもあるし、単なる怒りで叱るときもある」

ちっぽけな人間が鍬で穴を掘ったからといって、地球をいじめることや破壊することなんてできない。このような心を持つこと。「私は地球のような心をつくります。人から、鍬みたいなものでちょっと穴を掘られたからといっても何も動かない。地球のような心を持つ」と自分に言い聞かせてみる。

怒るのは負け犬だ」臆病で弱くて自信がない人ほど、偉そうに怒る。怒る人というのはすべて、自分にはまったく自信がないし、社会に堂々と胸を張って生きていられない人。

人間は心底「私は正しいのだ」という気持ちで生きている。世界の人々とくらべて「もっと頑張らなくては」「怒らない人間にならなくては」「嘘を言わない人間にならなくては」うんぬんと思い起こしたりする。それは、本当の気持ちではない。正直者は、この矛盾が少ない人のこと。

何があろうと拒絶せず、状況を受け入れて楽しむこと。仕事があるなら仕事を楽しむ。仕事が終わってからは老後を楽しむ。孫が来たら、孫と遊んで楽しむ。「これが私の生きがいだ」とこだわることはない。自分で勝手に決めたことで、どうにでもなる。

お釈迦さまの言葉は「たとえ泥棒が来て、私をノコギリでバラバラに切っても、私は怒らない。怒ったら私の負けだ」それで怒りはすぐに消えてしまう。

「他人に負けたくない」というエゴを捨てる
エゴと関係なく、正しい「負けず嫌い」それは、「自分に負けてたまるか」という気持ち。

とにかくよく笑う。笑う瞬間は幸福であるし、免疫作用が活性化する。顔色も美しく健康的になる。よく笑う人は、それだけでみんなに愛される。いろいろな面で幸福になれる。

理解すること(understanding)」も大切なポイント。頭を使って知識的に理解するということだけではなくて、「状況を、その背景も含めて把握する」ということ。まず落ち着くこと。

周りの人が怒っているとき、いつも以上に冷静になって、客観的に物事を観ること。相手の状況を理解しておけば、すぐそこに解決方法が見えてくる。「相手も同じ被害者だ」と思うのもひとつの方法。

まわりの人が怒って話しているものにつられて自分も怒るということは「腐ったものを食べた人が吐いたものを、拾って食べるようなものだ」と肝に銘じておく。けっして受け入れてはいけない。心をそういう状態まで育ててられれば、相手の怒りに対する怒りなど、なんのことなく即座に消えてしまう。

悔しがったり「ああ負けた。こん畜生」と思ったりするのは不幸。心は常に喜びを感じながら、常に明るく、常に楽しく生活する。短い人生だから、苦しんだり、悩んだりする必要はない。心構えしだいで、誰もが幸福に生きられる。

なぜ怒るのか、怒らないようにするのはどうするのか?怒ると不幸なのか、笑っていると幸せかなど、多くのトピックスで書かれていて、怒ることがバカバカしくなり、幸せな生活が送られるヒントが多く書かれた書籍で、おすすめの1冊です。



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