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祝!文化勲章受賞 橋田壽賀子先生~女性向けテレビドラマを文化と認めさせた脚本家~①

 今年の文化勲章受章者に、脚本家の橋田壽賀子さんが選ばれたとのニュースを聞いて、まだもらってなかったのかと改めて驚いた。テレビドラマの脚本家としては、初の受賞だそうである。
 シナリオライターの地位は低いと言われているが、テレビドラマの脚本家で名前がタイトルと並んで出てくる人は本当に少数だ。しかも、全国的に知られている人なんて、どれだけいるのだろうか。

 橋田壽賀子氏は、映画会社の脚本部にいたが、秘書課に異動となり、「お茶くみなんてまっぴらごめん」とばかりに、会社を辞め、テレビの世界に移ったそうである。かつての同僚から「テレビドラマ書くほど落ちぶれた」と揶揄されたという。受章の感想を聞かれてそういった人たちに「いい気味だわ」というあたりは、いかにも彼女らしい。

 橋田作品には、美男美女の恋愛は出てこない、豪華でトレンディなセットもない、海外ロケなんてもってのほか、そもそも、「まるで映画のような」ドラマのつくりではない。また、話を面白くするために、記憶喪失や出生の秘密、宿命や復讐なども出てこない。奇をてらってストーリーを盛り上げたりしないのだ。

 それなのに、高視聴率をたたき出せたのは話が面白いからである
 「脚本の良し悪しでドラマは決まる」、そのとおりの脚本家だった。
 
 橋田作品はまさに職人技のテレビドラマであった。

 わたしが、選ぶ橋田ドラマのベスト3
 1. 「となりの芝生」 (1976年)
 2.「おんな太閤記」 (1981年)
 3.「おしん」    (1983年)

 であるが、実は、どれも古い作品で、放送時にリアルタイムで全部見てたわけではない。シナリオをかじり始めてから、勉強した次第なのであるが、その時代の世相とドラマとの関係性について、たいへん考えさせられた。
 それぞれのドラマの感想は次回に書くことにする。お楽しみにね。

 
 


 

 
 




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