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日米韓でドラマ化された「グット・ドクター」と障害者権利条約との関係を時系列でみる①

"歌は世につれ、世は歌につれ”というが、TVドラマだって同じだと思う。
そして、「このドラマと一緒に”世”の中”もつれていってやるぞ」という意気込みが感じられるのが、ドラマ「グット・ドクター」だ。

主人公は、サヴァン症候群で天才的な記憶力と驚異的な空間認知能力を持つ研修医。しかし、彼は自閉症。はたして、彼は名医になることができるのだろうかという医療ドラマである。

1.2006年障害者権利条約が国連で採択


そして、このドラマのテーマのキモでもある「障害を理由にした差別の撤廃」と「障害者への合理的配慮」という概念を打ち出したもとになっているのは、2006年12月に国連総会で採択された「障害者権利条約」ではないだろうか。

文字通り、この条約は、障害者の権利を守ることを国際的に進めていこうという条約であるが、先に挙げた条約の概念は、新しい基本的人権の現れである。そして、それが実現したら、世の中は、私たちはどう変わっていくのかを、ドラマという形で、具体的に表現したのが、この「グット・ドクター」だと思う。

2.日米韓の「障碍者権利条約」の批准はいつ?


この障害者権利条約に、2007年に日本も韓国も署名した。そして、2008年には韓国が批准し、日本は国内法の整備が必要だったので、出遅れたが2014年に批准している。
しかし、アメリカは2009年に署名はしたものの、まだ批准していない。

日本はそれまで障害者に関する法律や施策がなかったわけではないが、この新しい概念を実践するには、さらなるレベルアップが必要であった。
また、アメリカも進んだ法律があるにもかかわらず、批准に至らないのは共和党などの保守層の反対が強いからなのだといわれている。それほど、この新しい基本的人権を社会に浸透させていくことは大変なことなのである。

3.結局、一番面白いドラマをつくったのはどの国か?


「グット・ドクター」2013年に韓国で創られ、2017年にアメリカでリメイク、2018年には日本でもリメイクされた。
まさに、条約に署名したものの、批准するにはどうするべきなのかという葛藤のなかで、この新しい概念を取り入れたヒューマンドラマは創られてたわけである。

そして、今あらためて、日米韓の3作品を比べてみると、結果は歴然、これから観るなら、断然アメリカのリメイク版「Good Doctor~名医の条件~」だと言える
日韓はともに秀作ドラマを創ったのに、シーズン2にまでは踏み切れなかった。
それをしり目に、アメリカ版は、シーズンを重ねるごとにグレードアップし、もはや独走状態である。シーズン4の制作が決定したそうだが、それも納得の大傑作シリーズだ。

では、なぜ、アメリカ版が成功したのか詳しいドラマ評については、次回以降に書きたい。お楽しみにね。



 

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