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楽しい電力会社

こんにちは!見てくれてありがとね!
大好きな電力会社について語ります!

①電力会社とは
②レースゲーム
③ドイツのエネルギー政策と電力会社

①電力会社とは

フリードマンフリーゼ作の2001年から続く同氏のヒット作
電力会社のバリエーションとしては大きく分けて、

Funkenschlag(2001)ペンでつなぐやつ
電力会社Power grid(2004)現在の原型
電力会社DX(2014)10周年記念
電力会社充電完了!(2019)

2001年版を除いて大きな変更は無いかと!
後はロボットが出てくる拡張であったり、電力会社:最初の火花、ファクトリーマネージャーっていうスピンオフ作品なんかもあります。
本稿では充電完了!を紹介します。

どんなゲームか

電力会社を経営し、発電所や燃料を買ったりして送電線で街に電気を送るゲームです!
一番多くの街に電気を送った人の勝ち!

国と街

写真はアメリカマップです。東海岸で、し烈な争いが起きてますね!
家の形をした駒が送電線でプレイヤーカラーで分かれてます。
送電線を引くにもネットワークを広げるにもお金がかかりますよ。

燃料と発電所

燃料:左から石炭、石油、ゴミ、ウラン

発電所:発電所も燃料の種類分と、燃料がいらないエコエネルギー発電所なんかもあります。
この発電所と前述の燃料を組み合わせて電気を生み出します!
電気が街に供給されたら収入が入ります。

発電所を買うにはオークション、限られた燃料を買うのにもお金が必要です。

送電線の建設と収入

送電線の建設:送電線を街から街へ繋げます。個数が勝利条件になるほか個数によりゲーム内での収入も決まります。

収入:発電量/送電線の収入が決まります。ここで得た収入は次回の支出になります。

勝敗

勝敗:ゲームにて設定された送電線の個数を超えた時、その時点で最も多くの街に電力を送った人の勝ち!

強烈すぎる手番順

電力会社は手番順に有利不利があります。
有利な手番順は発電所、燃料、送電線の設置、これら支出の全てにおいて有利になれる(安く購入出来る)権利をもちます。
送電線の一番少ない人が有利手番になります。
送電線が少ないということは収入も低い。つまり下位の人が有利になるような作りになっています。

②レースゲーム

発電所はオークション、需要と供給を意識した燃料市場、拡大再生産よろしく増えていく収入。
レースゲームと評するのはやはりゴールテープがあること。
ヨーイドンで始まりゲームの終了フラグをプレイヤーに委ね、下位プレイヤーが爆走してくる様子はレースのようです。

レースの種類としては競馬
スタートから逃げ続けてそのままゴールする馬もいれば、ゴール直前後方から鬼の末脚をみせてくれる馬もいる競馬そのもの!
ハナ差で勝て!

③ドイツのエネルギー政策と電力会社

1990年台初頭よりドイツの電力エネルギー政策は大きな転換点を迎える。
電力市場の自由化、それに伴う国策としての売電、化石燃料から新エネルギー(太陽光、風力、バイオマス)へのシフト、など環境先進国ドイツの歩みであった。

同時期2004年に出版された本作(電力会社PowerGrid)でもこれらはゲームのシステムとして盛り込まれている。
収入フェイズの発電量/送電線数がどこの都市に送っても固定の収入というのにも納得。(電力自由化してるのに大都市と田舎町の電気代が一緒って変じゃない?って思ったけど国が価格を決めているなら納得。一律の買取価格)
上手く時代性を反映した作りといえるだろう。

しかし、時代を切り取ることがフリードマンフリーゼの作家性というわけではない

環境先進国ドイツの青写真に対する懐疑的な印象をゲームからは受け取れる。
エコエネルギーだけではゲームに勝てないし、エコ発電所を結局火力発電所にすることだってある。
発電所の空はいつだって曇天。(太陽光パネルを発電所に描くなら晴れてたっていいじゃん)
なによりゴールがある以上勝者と敗者がゲームの中では生まれてしまう。電気を売るやつらは民なんか見ちゃいない。

その後ドイツのエネルギー政策は修正を繰り返す。

2011年以降、脱原発を掲げ、計画前倒しで2022年には国内の原子力発電所は稼働を停止する。

風力発電は絶好調なので余った電気は海外に売ったりもしてる。(北海の風は強い)
これこそが環境先進国たるエビデンスともされているが・・・↓
国内の送電線の整備が進まず、北と西で作った電気は他国に売り、風の弱いドイツ南部は他国から買うことだってある。

売電制度は固定価格での買い取りなのでもちろん国民に渡るときには買取価格より安くなったりもする。損ばっかりしてたら傾国なので、国民の電気代に上乗せで徴収する。本来支払う分の25%上乗せで。

こんなことを当時のアーティストフリードマン青年は想像し、憂国したのかもしれない。

環境先進国ドイツは2038年までに石炭、褐炭火力発電所全廃、2050年までに実質的な二酸化炭素排出ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すという

ちなみに充電完了版のドイツマップでは39番の発電所が買われたときウランの供給は0になるというルールが採用されている。
39番はウラン1つで6発電できる発電所。
まさに新政策版といったところ。

電力会社:充電完了!はアークライト社より絶賛発売中!

最後まで妄言にお付き合いいただきありがとうございました。
尚、チェリーピッキングな意見なのでご容赦下さい。
よろしくお願いいたします。

出典:

エネルギー転換に関する日独エネルギー変革協議会に係る事業調査報告書(一般財団法人日本エネルギー経済研究所)

The Art of Design: Interviews to Game Designers #12 – Friedemann Friese

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