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メディア化における原作者・マンガ家の問題を考える(後編)


「セクシー田中さん」の原作者である芦原妃名子先生が急逝してから、SNSで怒りや悲しみの声を上げる作家さんがたくさんいました。


男性作家さんは主に怒りの声、そして女性作家さんは怒りと共に、悲しみで涙が止まらないなんて作家さんもいました。
同じ作家として、芦原妃名子先生に強く共感してしまって、体をこわばらせてしまうという状態だと思います。


この時思ったのは、特に女性作家さんは、ガラス細工のように恐ろしく繊細で、危ういまでに共感力が高い方が多いなと思いました。

それほどまでに感性が豊かだからこそ、読者に共感される作品を作れるのかもしれません。

しかし、先ほどもこのように書きましたが、非常に危ういです。
もちろん、精神疾患に罹患してしまうリスクが高いということです。

精神疾患というのは、真面目で、他者に寄り添うような優しさと繊細さを持っている方ほど、罹患しやすいのです。

親しい人の逝去、はたまた飼っていたペットとの死別、あるいは失恋などで体をこわばらせ、精神疾患に罹患してしまうと、執筆活動などできなくなってしまうでしょう。

だからこそ、編集部のサポートが重要になってくるのです。
編集部の一番重要な仕事は、作家さんが気持ちよく執筆活動に集中できる環境を整えることだと思います。

芦原妃名子先生のサポートが充分なものであったのかは分かりません。
小学館、日本テレビ、ドラマの脚本家など誰が悪いのかなんて犯人探しをしても、全部憶測の域をでない話なので、現段階ではあまり意味のあることだとは思えません。

今回のようなことを二度と繰り返さない為にも、
作家に対する包括的支援体制や内部統制の構築や整備は、早急に執り行う必要があると思いますし、それができるのは、小学館と日本テレビという組織側でしょう。個人の力では及ばない領域でしょうから。

もし、組織側から充分なサポートが期待できない場合は、
作家さんが個人で対処しなければなりません。
しかし、法知識を有し、事務処理能力が優れているとかでないならば、
独りで対処するべきではないでしょう。

とにかく誰かに相談することが重要です。
大御所である森川ジョージ先生や島本和彦先生も「とにかく困ったことがあったら、なんでもいいから相談してきてくれ」とおっしゃっています。

あるいは、代理人を雇って交渉してもらうというのも、有効だと思います。


今回の話は作家さんと出版社やテレビ局だけのことではなく、会社員にもあてはまる話です。
孤立無援で会社(組織)と闘うなんてことは、よくある話だと思います。

しかしながら、独りで闘うのは非常によくないです。

精神疾患というのは、誰にも頼らず、自分一人で抱え込んでしまう人ほど罹患しやすいのですから。

サポートして頂けるのは大変ありがたいです。頂いたサポートは、少しでも長くマンガを描き、記事を書き続ける為の活動費として使わせて頂きます。