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どうくつ

さきはみえない。
まっくらだ。
あしもとしかみえない。

みずがしたたるおとがきこえる。
こーん、こーん。
こーん、こーん。

とおくから
なんどもなんども、
なんどもなんども、
みずがしたたるおとがきこえてくる。

きみにはこのおとがどうきこえるか。
こわいおとにきこえるか、
うれしいおとにきこえるか。

きみはこのさきをすすみたいとおもうか。
それとも、ここでたちどまりたいか。

しょうじき、
どちらでもよい。

きみはこのさきを、
すすみつづけるしかないのだから。

たしかに、
きみはえらぶことができる。
たちどまるか、すすむか、もどるか。

しかし、
たちどまってもくらやみしかない。
すすんでもくらやみしかない。
もどってもくらやみしかない。

えらぶことができるようで、
えらぶことはできないのだ。

ただ、
めをみひらいて、
おとにみみをすませて、
ゆうきをもって、
すすむのみなのだ。

それしか、
せんたくしはない。

Re-member.blue creator

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