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「才能がある」はとてもツマラナイ言葉だと思う

僕は一応フリーランスで独立できる程度の力はあるし、5年ぐらい無形商材を扱ってきたからソコソコの営業スキルもある。

あとは人よりは趣味が多かったり得意分野も多少あったりするので、ありがたいことに時に「才能がある」とお声をいただくこともあるのは事実。


しかし、僕はあまりこの言葉が好きではない。

生まれつき恵まれた資質があってラッキーだよね」と言われているような気がして、これまでの苦労や努力を無視されたように感じてしまうのだ。


僕は新卒のときは入社後5ヶ月売上ゼロを叩き出すほどのポンコツ(同期でビリ)だったし、今では考えられないほどのコミュ障で、先輩と同行した添乗業務すらもままならない状態。

だから、営業として結果を出すまでにはひたすら“数”をこなしてきた。

飛び込みがダメならメール、それでもダメならテレアポやお問い合わせフォーム。自分でリストを作って、1日500件ぐらい新規アプローチをしたこともあった。

そうしたら徐々に自分の得意な客層が分かるようになってきたから、あとはお問い合わせいただいた法人団体に対して自分の得意領域である“旅行”を手弁当で売り始めた。

知識はあったが商談力は絶望的に欠落していたから、それなりに営業の本や心理学書などを読んで「どうしたら相手を説得させられるか」「どうしたらリピートに繋がるか」は常に考える努力をしてきた。

結果的に1年目は秋から冬にかけて受注は増えてきたものの、夏場までの5ヶ月のゼロが響いて未達。

しかし、その悔しさをバネに2年目は1月からブーストをかけて、なんと3月に全国最速で年間ノルマ(1~12月)を達成。スポーツ団体(某日本代表)の海外遠征の帯同や、700人規模の旅行の企画・立案及びメイン添乗員としての引率など、2年目としては考えられないほどの多様な経験をすることができた。

最終的に同期1位、全国でもトップ10位前後の売上を達成。

数字以外の見えないところで自分の未熟さがゆえに会社に迷惑をかけてしまったり、失敗なども多く繰り返したが、我ながら1年目のポンコツ時代を振り返ると出来すぎなぐらいこの年は充実していた。


こういった成功体験で自分に自信がついてきたから、2019年からは本業の傍らでサードプレイスのコミュニティ活動やライティング(執筆)にも腰を入れ始めることができた。

学生時代の雇われと違ってフリーでライターとしてお金をしっかり稼ぐことは容易ではなかったが、それでもコッソリ陰で努力はしてきたつもりである。


僕は今、そういった経緯を経て開業届を出して独立している。

それでも、まだまだ足りないスキルも多すぎるし、タスク管理能力や自己管理能力も弱いほうだと自覚している。

だから、人より「才能がある」とかは全く思っていなくて、「人より深めている分野がただの少しだけ広い」という認識をしている。


僕は継続が苦手なタイプだけど、“努力をする努力”はしてきたつもりだ。

だからこそ、僕に限らず、どうか他人に対して「才能がある」とひとえに締めてしまうのは辞めてあげてほしい。

その人のバックグラウンドを尊重した上でコミュニケーションをとるのが、人と関わる上で一番大切なことだと僕は思っている。

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