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社長部長・忙しさからの脱却 #20 マネージメントサイクルを回す!(完全版)

今まで連載してきた
「社長部長・忙しさからの脱却」を
一つの記事にまとめてみました。
2.8万文字前後の長文になりましたが、
ページをめくる必要が無いため、
皆さんにとってはメリットがあると考えました。

また、画像も少し差し込みましたので、
イメージしやすくなったと思います。
是非ともご活用ください。

また、今後この内容で、
経営指導や講義を行っておりますので、
皆さんが具体的に業務に活かされたい時には
是非ともお声がけして頂ければ、
ビジネスとして引き受けさせて頂きます!

こんにちは、松幸です。
ブログを見て下さり、ありがとうございます!
日々の中で気付いたことを発信しています。

本日は、#20 マネージメントサイクルを回す!
(完全版) です。ご活用ください!


はじめに)マネージメントサイクルに関して

a.初めは自分の分身を作るところから始まった

私は、早くからマネージメント職を担ってきました。
22歳で社会人になり、27歳で海外駐在する事となり
そこからマネージメントをするようになりました。

元々見た目が若い方なので、
27歳の時でも高校生・大学生ではないかと
海外の方からは見られていました。
若く見えるとマネージャーとして馬鹿にされるので
初めての駐在の期間中は、年齢を35歳と偽って
スタッフに伝えていました。
(人事系のスタッフは私の年齢を理解していました)

初めての駐在は、フィリピンでした。
入社4年目の27歳でしたが、300名の工場の
技術・品質責任者をさせて頂きました。

フィリピンは、400年もの間、植民地だったこともあり、
自分で考えて行動をしないマインドが強い国民性でした。

そんな国で結果を出すためには、
ワンマン経営をして行くコトが最も効率が良く、
私の前任者は20名のスタッフに一から十まで指示し、
300名の工場を回していました。
その工場の引継ぎを2カ月行いましたが、
経験の浅い私にはとてもマネできる内容ではなく、
どうすれば良いのか、本当に悩みました。

私が指示を出さないと、スタッフは誰も動かない。
しかし、私のところには、日々の生産情報が何もない。
ワンマンだった前任者は、日々の生産情報を
足で稼いで入手していたので、
情報が見える状態になっていませんでした。

そこで、まずは情報を上げる事に着手し、
毎日、定型フォーマットで上がってくるようになりました。
その後、不具合への対処を一つ一つ指示する
前任者のスタイルを踏襲しましたが、
考える時間が全く取れず、忙しくなるばかり。

そこから脱却するためには、
「スタッフに自分で気づかせ、考えて、判断し、
 行動してもらう」ことが出来る人を作ろうと
考えました。いわゆる自分の分身ですね。
自分の分身となるスタッフは、
2年間で3名育成することが出来ました。

b. マネージメントサイクルを構築するまで

その後、2回ほど中国の駐在を経て、
15年後の42歳の時にベトナムの工場に駐在し、
工場長の任務を経験させて頂きました。

その工場は、創業してから5年ほど経過しており、
それなりに業務が回っていました。
生産数量も前年対比でほぼ変化が無く、
安定的に生産が出来る状態でした。

どの部門にも、駐在員が手塩にかけて育てた
スーパースタッフが存在し、そのスタッフが
日本人駐在員と共に業務を回していました。

そんな時に転機が訪れます。工場の出荷額を
2年間で現在の3倍にする計画が持ち上がり、
急ピッチで工場全体の規模拡大を図りました。

はじめの1年目は、駐在員とスーパースタッフの
頑張りで、何とか回せていましたが、
既にみんなの心も体もボロボロ。
出来る社員だけが忙しく、多くの一般社員は
提示で帰る始末。指示が出来ないから
会社の5Sもままならない状態。

そこで、フィリピンで行った
「出来る社員を作る」だけでは、
規模が大きくなるとダメなのだ、と気づき、
本格的に、マネージメントサイクルを構築し、
全社員が一体感を持って取組める仕組みづくりに
着手しました。
やはり、初めの3ヵ月は、現業+仕組みづくりで
自分も駐在員もスタッフもみんな大変でしたが、
「仕組みが出来れば上手く回る!」事を信じて
作り上げた手法が、今回紹介する内容です。

c.実践で培ってきた内容

これらの施策を打っていく前段では、
日本に帰国するたびに大量のビジネス書を買い込み、
経営の神様と言われている「松下幸之助先生」や
「稲盛和夫先生」も読みましたし、
経営コンサルタントの「船井幸雄先生」や
「小宮一慶先生」「遠藤功先生」などの本も
貪るように読みました。

しかし、会社経営に関する話を、
どの様に現場のマネージメントに落せばよいのか
沢山の施策を実際に現場で打ちながら、
試して行った結果、たどり着いた結論が
如何に述べる私が提唱する
「マネージメントサイクル」となりました。

実践して本当に成果が出た内容をお伝えしています。
その為、直ぐにでも皆さんの会社や職場で
実践することが出来ると考えています。

一部上場企業の場合には、本部長・部長の方向けであり、
中小企業の場合は、社長さん向けになる内容です。
是非とも参考にして頂ければと思います。

また、この内容で講座も設けて参ります。
もしもご興味がございましたら、
以下の講座に学びに来て頂けると嬉しいです!

社長部長は忙しい~

1-① 社長部長は何故忙しいのか?

a. どの様な環境の時に忙しいのか?

私は、様々な環境の中で仕事をしてきました。
会社の一番の本流である部門長に就いたり、
これから大きく発展する部門長を担ったり、
その会社や部門の成熟状況によって
マネージメントスタイルを変化させながら、
業務を軌道に乗せてきました。

会社や部門が忙しくなるタイミングがあります。
それは、以下の5つのパターンに分けられます

【会社や部門が超忙しくなるタイミング】
① 会社や部門の黎明期(立上げ時期)
② 突然、大きく成長する時
③ 何年も継続して成長している時
④ 突然、物が売れずに縮小しなければならない時
⑤ トラブルなどの突発的な対応が必要な時

昨年とほぼ同じ規模、同じ商品で事業展開が
出来る環境の時には、それほど忙しくありません。
何故かと言うと、昨年と同じことをやれば
昨年と同じ売上・利益が確保できるからです。

ただ、私は30年間ビジネスをやってきて、
昨年と同じ状況を今期も継続する場面は、
殆どありませんでした。
前年と同じ方法を基本としながらも、
今年の変化をとらえて改善するのが常です!

今後も前年と同じ状況は、ナカナカ訪れないと
考えておくのが自然です。諸行無常ですね。
常に、上記①~⑤のどの忙しいタイミングに
自分が直面しているのか理解しておくことです。

しかし、忙しい時こそ、大きな学びを得られ、
それを乗り越えると、成功が待っています!

b. 何故忙しいのか?

上記①~⑤の状況において、
何故忙しい状況に陥ってしまうのか?

それは、社長・部長以外に、
「その場をマネージできる人がいないから」です!
忙しい社長・部長の皆さんは、
大きくうなずいてくれることでしょう!

そうなんです!
社長部長や、社長部長の意志を理解して
先回りをしてマネージできる超優秀な部下しか、
その場を回して行くことが出来ないのです。

それだけ、社長さんや部長さんは優秀なのです。
それは、誇りに思って頂いて良いのです。
しかし、この状況を改善して行かなければ
万年忙しい社長さん・部長さんで終わってしまいます。

と言うよりも、その状況を早く脱して行かなければ
将来大変な状況に陥ってしまいかねません。

c. 忙しい状況を早く脱しないと・・・

忙しい状況をそのまま放置してしまい、
対策を取らずにいると、
・自分の気持ちが維持できず、ダウンしかねません
・次に、一緒に働いているメンバーも
 忙しすぎる職場から離れて行ってしまう
などなど、良い未来は想像できません。。。

話しは変わりますが、
「忙しい」と言う漢字を分解してみると、
「心」を「亡くす」と書きます。

「忙しい」状況は、本来の自分を見失ってしまい、
冷静な判断が出来なくなってしまうのです。
社長や部長の立場では、在ってはならない事です。

この忙しい状況が長く続いてしまうと
更にメンバーが離れて行ってしまう
悪循環に陥る可能性が高いため、
早急なる対策が必要な状態と言えます。

1-② 忙しくしている根本原因は?

a.ナゼ、現場の仕事をしてしまうのか?

昨日お伝えしたのは、
ナゼ、社長・部長が忙しいのかをお伝えしました。
その理由は、
社長・部長以外に、
 現場をマネージできる人がいないから」
でしたね。

それは、会社の中で何が起きているかと言うと、
「人の力で回す状態 = 個人戦」で戦っています。
つまり、会社の中の「出来る人」が
一生懸命事業を回してくれている反面、
その他大勢の従業員は、指示が来るのを待っている。

その理由は、社長・部長がご自分の本来の仕事を
疎かにしてしまっていることが原因です。
それは「組織を活かす戦い方=組織戦」
移行する努力が出来ていないからです。

何時までも現場の仕事をしていた方が、
「楽しい」ですし、「仕事をやっている感」を
得ることが出来ます。
しかし、この様な状態のままでは、
誰が社長部長を行っても忙しい状態が続くだけです。

b.個人戦のメリット

ただ、ある一定の規模になるまで、
個人戦でやらざるを得ない状態が続きます。
何故なら、従業員を雇うだけの事業に
成長していないからですね。
単刀直入に言うと、資金が無い訳です。

また、事業成長していたとしても、
長らく個人戦で事業運営をしていると、
その状態を変えるコトこそがリスクに思え
「そのままの状態を維持した方が良い」
と間違った判断をしてしまう
事もあります。

個人戦で戦っている内は、
当然「出来る人」が事業展開をする為、
仕事は、ミスなく順調に進む事でしょう。

社長が、1や2を言えば、10の答えが出てくる。
そんな状態が出来ていきます。
出来る人で固めると、一見効率的に見えます

c.実は、個人戦は恐ろしい

知っておかなければならないのは、
「個人戦は実は非常に恐ろしい」のです。

何故なら、その「出来る人」が
休んだり、転職してしまうと、
「会社の中に、その業務を行うことが出来ない」
のです!
その「出来る人」が長年何をやってきたのか
ノウハウが会社に残らないのです。

極端な話をすると、取引先のA社との関係が
分断されてしまう事態に陥る可能性があります。

その様な事態にならないように、
早めに「個人戦 ➡ 組織戦」に
事業運営スタイルを変化させる必要
がりますね。

しかし、「組織戦」に持ち込むためには、
それなりのノウハウが必要となります。
そして、それを構築する為の「時間」もかかります。
更に、あまり出来ない社員に業務をやってもらう
「教育・指導」なども必要となります。

余りメリットが無いように感じて当然ですが、
それでも、規模が小さい時から
「個人戦を脱却して、組織戦に持ち込む体制」
を作っておく必要があります。

それが出来ていないと、
社長部長が万年忙しい会社となってしまいます。
忙しい状態のデメリットは、昨日話をしました。
最悪の場合、間違った判断をしてしまう事です。

そして、社長部長が常に忙しいと、
将来への成長に向けた本来の仕事が
疎かになってしまいがちです。
それが怖いのです。

明日は、社長・部長の本来の仕事と
もしもその本来の仕事を疎かにすると
何が起きてしまうのかを、
解説して行きたいと思います!

1-③ 社長部長がやるべき本当の仕事!

a.良い会社とは?

まずは、良い会社とは
どんな会社なのかを見ていきましょう。
皆さんが直ぐに思いつく「良い会社」は、
トヨタ、Sony、マクドナルド、Amazonなどの
大企業を思い浮かべるのではないかと思います。

良い会社の特徴をいくつか挙げてみると
以下のような共通点があります。

【良い会社の特徴】
(1) 良い品質の商品・サービスを提供している
(2) 信頼できるブランドであり、固定客がいる
(3) 長年利益を出している
(4) 従業員のモチベーションが高い
(5) シッカリとした組織を構築している

一番はじめには、
その会社が提供している商品やサービスが
シッカリしている事
があげられます。

次に、その会社の商品やサービスを
購入してくれるお客さんが存在し、
その会社の製品を信頼して購入してくれます

これが出来てれば、ビジネスは成立します。

そのビジネスの結果、利益を創出します。

利益を創出する事は、非常に大切です。
なぜなら、利益を残さなければ、
企業は存続できないからですね。
利益を創出しているからこそ、
従業員に給料を支払うことが出来、
次の商品・サービスへの投資ができ、
企業が存続・成長して行けるのです
ね。

b.社長部長の仕事とは?

それでは「良い会社」となる為に
本来、社長部長がやるべき仕事とは何か?
それを見ていきましょう!

会社の舵取りを行うのですが、
本来の社長部長の仕事であると考えます。

大きく分けると以下の3つに集約されます。

【社長部長の仕事】
(1) 会社の方向性を決める~周知徹底する
(2) 人物金情報の経営資源を適切に配置する
(3) 結果を出してもらう為に人を動かす
 (人が動ける環境を整える)

この3つを見て頂けると分かる通り、
「社長部長が自ら動いて結果を出す」のではなく
「従業員に結果を出してもらう体制づくり」が
社長部長が行う、本来の仕事であることが

分かって頂けるのではないかと思います。

サッカーで言うなら、監督の仕事と同じです。
社長部長の皆さんは、サッカーで言うと
メッシやロナウドのようなスーパースターではなく
スーパースターを含む
全選手をチームとして束ねて優勝に導く
のが、監督の仕事なのです。
社長部長も同じです。

監督は、プレーをさせると上手です。
やはり、技術も教えられた方が良い。
また、トッププレーヤーだった経験があれば、
トッププレーヤーの心理状態が理解でき、
大きなプレッシャのかかる試合の
流れを読むことも自分でできるため、
監督の資質としてあった方が有利です。

しかし、監督はプレーヤーではありません。
監督は、自らプレーをして結果を出すのではなく、
上記に記したように、
(1) 方向性(Vision、戦略、戦術)を示し
(2) 人・選手を最適なポジションに配置し
(3) 人・選手が活躍できるように環境を整備する

事が仕事です!

c.多くの社長は、プレーヤーをしている!!

大企業の社長は、監督業を行っています。
何故なら、Jリーグと同じように、
監督がピッチに降りてプレーが出来ないように
既に会社が仕組み化されています。

よって、大企業の社長になると
プレーヤー的な仕事をやろうと思っても
ナカナカやることが出来ません。

しかし、中小企業の社長部長はどうでしょう?
社員全体が3人会社の場合には、
 1人が社長
 1人が営業部長
 1人が経理部長 だった場合、
社長が、開発部長も担うことは普通です。
会社の規模によって、一人で多くの役職を
担う必要があります。

中小企業の社長部長さんは、
プレーヤーの仕事もやることが前提です。

ただこのような場合においても、
社長部長の仕事をシッカリ行う必要もあります
特に、社員が10人以下の会社の場合には、
営業部長と言えども、
方針を出すだけでは受注は取れません。
自らセールスマンとして受注を取ってくる
必要があるコトは確かです。

この時に大切になるのが、
「将来構想のための時間」
「現在の事業を回すための時間」
「トラブル対応の時間」 の3つを
バランスよく配分して行く
ことです。

1-④ 忙しい社長部長の時間の使い方

a.中小企業の社長部長の業務

大企業の社長部長と異なり、
10人以下の会社の社長部長の方々は、
担当者の業務も幾つか持たざるを得ません。

よって、その担当者業務の為の時間が
大企業の社長と異なり、必要となってきます。

それらの時間を、いかに少なくするかが、
社長部長の時間の使い方で
一つポイントになるところです。

外注できる仕事なら、お金を支払ってでも
その仕事を外の専門家にやってもらうのが
正しい時間の使い方になります。

全ての業務をプロ並みのノウハウを持って
展開する事は、至難の業です。

ただ、社長部長によっては、
長年その担当者業務に慣れ親しんでいて、
自分がやった方が早い業務の場合、
自分でやってしまいがちです。
しかし、それは時間の無駄です。

社長部長になられたのなら、
積極的に自分の手から放しましょう!
そうする事で、時間的な余裕と
気持ちの余裕が出来る為に、
相乗効果として現れます。

b.3つの業務の比率を考える?

昨日、社長部長の本来の業務をお伝えしました。
具体的には、以下の3つになります

(1) 方向性(Vision、戦略、戦術)を示し
(2) 人を最適なポジションに配置し
(3) 人に活躍してもらう(人を動かす)

そして、業務の中身に対する時間に関しても
3種類存在する事をお伝えしました。

a) 将来構想のための時間
b) 現在の事業を回すための時間
c) トラブル対応の時間

この内、a) 将来構造の時間 をなるべく
確保して行かなければなりませんよね。

中小企業の社長部長の多くは、
a)の時間を全くとっていません。
規模を大きくする必要が無い場合には
問題はございませんが、
会社を潰さずに存続させるためには
絶対に必要な時間です。

そのa)将来構想の時間を確保する為には、
b) 現在の事業を回すための時間 と
c) トラブル対応の時間
を絶対的に減らしていく
必要があります。

c.現在の事業を回すための時間を減らす

私は、上記b)に記載の
「現在の事業を回す」ことを
「マネージメントサイクルを回す」と呼びます。
今後も「マネージメントサイクル」と言う
言葉を頻繁に使っていきますので、
覚えておいて頂けると嬉しいです。

それでは「現在の事業を回すための時間」
「マネージメントサイクルを回すための時間」
を減らすにはどうすれば良いのか?

一番手っ取り早いのは、
「その業務が出来る人を雇うコト」です。

ただ、以前お話をしましたように
「出来る人」を雇う欠点は、
「個人戦」になってしまう事です。
「個人戦」でも戦えれば良いのですが、
何時か事業が回らない事態に陥ります。

「出来る人」が体調をっ崩してしまったり、
辞めたりして業務が出来なくなると
社長部長が、その方の仕事を代行する事になり
一気に忙しさが倍増します。
これでは、元の木阿弥になってしまいます。

よって、一時は「個人戦」でしのいだとしても、
いち早く「組織戦」に持ち込んで、
ある程度人が変わっても仕事が回るように
して行くコトが大切です。

「組織戦」に持ち込むためにはどうするのか?
それは、業務の「仕組み化」「標準化」を行う!

「マネージメントサイクルの構築」に尽きます。

「人」を「業務」に付けるのではなく、
「業務」に「人」を付けていくのです。
これが出来れば、
異動や退職で人が代わったとしても
業務を回して行くことが出来ます。
人が退職した時など突発的に発生していた、
社長部長への負担が激減します!

業務の仕組み化・標準化が大切であることを
理解して頂けましたでしょうか?

1-⑤ 社長部長の悩み!

a.社長部長の仕事は「会社を存続させる事」

どの時代においても、経営者の悩みは尽きません。
一番恐ろしいのは、突然売上がなくなることです。
2020年のパンデミックが最たる例ですが、
突然、誰も外出できなくなってしまうと、
仕事どころではなくなりますよね。

そんな時にでも、経営者は会社を存続させる為に
様々な対応をして行かなければ
会社が存続できない事態に陥ります。

社長の仕事は「会社を存続させる事」です。
そして部長の仕事は
「会社を存続させる為に各機能を回す事」です。

会社は、黒字であっても現金がなくなると
倒産してしまいます。いわゆる黒字倒産です。
そうならないために、
現預金を月商の2~3ヵ月分を持たれています。
月商の2~3ヵ月分の現預金を確保する為に、
借り入れも行うなど、これらの業務は
社長や総務経理部長の仕事ですね。

b.社長部長の具体的な悩み・・・

上記のように、社長部長は悩みが付きません。
その悩みは、どのような時代においても、
どの様な規模の会社においても、同じです。

何故なら「会社を存続させる」ことが
社長部長の一番の目的(仕事)であり、
皆さんは、この目的を果たすために
悩まれているからです。

具体的に社長部長の悩みは、
以下の5つに集約されて行きます。

【社長部長の悩み】
1) 業績:売上が伸びない
2) 業績:コストが下げられない
3) 資金:資金が確保できない
4) 人財:人財がいない、育たない
5) 経営:会社をもっと上手く運営したい

1) 売り上げが下がると、現金が入ってこなくなる
➡従業員の給料や取引先への支払いができない
➡大変な事態がやってくる・・・

2) コストが下げられない=利益が上がらない
➡利益が上がらないと、赤字に転落の可能性
➡こちらも資金が尽きた時に会社も倒産・・・

3) 資金が確保できなければ
➡黒字であったとしても、
 明日の支払いが出来なければ、
 取引先や従業員から信用を失い
 最悪の場合には、倒産に至る

4) 人がいなければ事業を回せない
➡お客様が待っていたとしても、
  従業員がいなければ、
  商品サービスを提供できない

5) 上手く事業展開が出来なければ
➡必要な時に必要なだけの
  商品サービスを提供できない

などなど、すべての悩みが解消されている会社は
日本全国に一つもないのではないでしょうか!

c.「価値創造」に時間を使う必要がある

この令和4年~5年に掛けては、
30年振りにインフレになりました!
インフレ時代の到来です!

4月~5月にかけて「インフレ時代への備え」
に関しても記事にしてきましたので、
ご覧ください。

このインフレの時代には、
社長部長の皆さんが「価値創造」に
時間を割いて行ける会社が生き残っていきます。

以前にお話をしましたが、社長部長の仕事は、
以下の3つの仕事があり、
それぞれの仕事に掛ける時間の比率によって
その会社の将来が決まってきます。

a) 将来構想(価値創造)のための時間
b) 現在の事業を回すための時間
c) トラブル対応の時間

資金繰りがままならず、
銀行融資を取り付ける為に、
毎日のように銀行訪問をやるような
トラブルシューティングばかりに
社長部長の時間を使っていては、
将来の存続がままなりません。

当然、トラブルシューティングを
ヤラナケレバならない局面は、
どの会社でも訪れます。
その時には、全力でトラブルを
沈下させることが必要です。。。

社長部長の時間を、
如何に「将来構想(価値創造)」へ当てられるか、
実は、マネージメントの仕組みが
シッカリと構築されて、回っているかで決まって来ます!

そして、それが出来ていれば、
人財もキチンと育てることが出来るのです。

マネージメントの仕組みが構築され、
キチンとマネージメントサイクルが回っていれば、
「将来構想(価値創造)」に時間が当てられる為、
社長部長の悩みの多くが軽減されて行きます!

マネージメントサイクル構築 ➡ 社長部長がモニターで会社を見る仕組みを作る事

2-① マネージメントサイクルが回っていない!

a.個人戦➡組織戦への変更!

社長部長が忙しい時は、会社の状態が
以下の5つのどれかに当てはまる事を
お伝えしました。

【会社や部門が超忙しくなるタイミング】
① 会社や部門の黎明期(立上げ時期)
② 突然、大きく成長する時
③ 何年も継続して成長している時
④ 突然、物が売れずに縮小しなければならない時
⑤ トラブルなどの突発的な対応が必要な時

そして、この忙しい時期を乗り越える為に
社長部長が無理をして、自分や出来る人の力で
何とか事業を回そうと躍起になるからこそ
忙しいのですね。
それを私は「個人戦」を戦っていると言いました。

会社は、団体競技であるにもかかわらず、
個人戦で臨んでいたのでは、
どこかで負担が大きくなりすぎてしまいます。

「個人戦」から「組織戦」に持ち込むためには、
「マネージメントの仕組み」が必要になります。
それを「マネージメントサイクル」と呼びます。

b.マネージメントサイクルとは?

事業を円滑に回すためには、
それなりのノウハウがあります。
製造業であれ、サービス業であれ、
それぞれ特有に業務がありますが、
マネージメントで押さえておく必要がある
内容は、どの業界でも大きな違いはありません。

マネージメントで大切なのは、
・誰が何をやるのかが明確であり
・誰が何の結果を出すのかが計画化され
・立てた計画が実施されている事
が出来ていれば、会社は回ります!

理想的な状態は、社長がいなくても
会社の売上や利益がシッカリ上がる体制
ですよね。

そんなことが出来るはずがない!
中小企業には優秀な人材が来ないから
そんなことは難しい。。。などと
思われる方がいらっしゃるかもしれません

しかし、それは間違っています。
マネージメントサイクルが出来上がれば、
ある程度の教育を施すだけで、
シッカリと売上・利益が上がってきます。

私は、フィリピンやベトナムの方々と
一緒に仕事をしてきて、その大切さを
身に染みて理解してきているつもりです!

c.マネージメントサイクルが回っていない!

そもそも、忙しい社長部長の会社は、
マネージメントサイクルが構築されていません!
折角雇った従業員であるにもかかわらず、
従業員があまり活躍出来ていません。

重要なのは、先ほど述べた通り
3つのことが出来ている事が大切です

・誰が何をやるのかが明確であり
 ➡ 役割分担(職務内容と責任)
・誰が何の結果を出すのかが計画化され
 ➡ 会社の目的・目標
・立てた計画が実施されている事
 ➡ 業務の実行~チェック

つまり、マネージメントサイクルとは、
PDCAを回す体制の事を言うのです。

従業員の皆さんが如何に輝いて、
活躍してもらうかを考えて
マネージメントサイクルを
構築して行くとうまく行きます!

マネージメントサイクルを回すためには、
マネージメントサイクルを構築する必要があります。
それは、会社全体の仕組みを構築することと
同義であるため、準備にはそれなりの
時間と労力がかかります。

ただ、時間と労力をかけただけの見返りは
必ず享受することが出来ます。

是非とも、
マネージメントサイクルを回す体制を作り
従業員に働き甲斐を提供するとともに、
社長部長の本来の「価値創造」のための時間を
確保できるような体制にして行きましょう!

2-② マネージメントサイクルの構築!

a.価値創造の時間を確保する

社長部長の皆さんは、
何時までも担当者が出来る仕事を
やっていてはなりません。
社長部長の立場の仕事をしていく
時間を作る為に、業務を仕組み化します。

社長部長が日常的に時間を使っているのは、
 a) 将来構想のための時間
 b) 現在の事業を回すための時間
 c) トラブル対応の時間
の3つに大別できるとお伝えしました

この内、社長部長が確保したいのは、
a) 将来構想(価値創造)するための時間です。
この時間を確保して行くことが
会社にとって最も大切です。

しかし、トラブル続きだったり、
日常の業務を社長部長が
ブンブン回さなければならない状況では、
とても将来の事を考える余裕がありません。

また、価値創造の時間は、
机に向かって考える時間だけではありません。
取引先と話をして、ビジネス構想を膨らませたり、
時には、会食やゴルフをしながらかもしれません。

そんな楽しい時間を確保する為に、
現在抱えている業務を仕組み化して行きましょう!

b.現在の事業を回すための時間を減らす

それでは、どの時間を減らして行くのか?
ズバリ「事業を回すための時間」を減らすのです。

この時間は、サッカーで言うと、
プレーヤーの時間です。
または、監督の立場でプレーヤーと一緒に
練習をしている時間です。

この時間をゼロにすることはできません。
しかし、効率的に指導する事により、
監督がいなくても、試合に勝てる状態を
作っていくことが出来るようになります。

マネージメントサイクルを構築し、
PDCAが回るような体制ができると、
ビジネスは自然と回って行くようになります。
そうなると、従業員の皆さんが
非常に頼もしく見えてくるものです!

うちの会社は零細企業なので、
人財が集まらない・・・と言っていた社長部長が、
何時の日から、
「うちの社員は、社長がいなくても
 シッカリ働いてくれる!
 本当に感謝しているよ~」となります。

c.マネージメントサイクルの構築

それでは、何をするのかです?
以下の8つの項目を整備して行きます!

【マネージメントサイクルの構築】
① 会社・部門の目的を明確にする
② 会社・部門の目標を設定する(今期&3年後)
③ 実行計画を作成する
④ 組織と役割を明確にする
⑤ 数年にわたって追い求めるKPIを設定する
⑥ 日次・週次・月次の業務を決める
⑦ 改善活動を徹底し、人財育成を図る
⑧ 業務マニュアルを整備する

この8の項目をシッカリ整備するには、
確かに時間がかかります。
しかし、一度構築さてしてしまえば、
人が辞めても、業務がシッカリ回ります。
人を異動させることも、出来るようになります。
何よりも、社長部長が将来構想(価値創造)に
時間をさけるようになります!
こんなに素晴らしいことはありませんよね。

マネージメントサイクルを回す!

2-③ 会社・部門の目的の明確化!

a.会社・部門の目的とは?

会社や各部門がなぜ存在するのかを
言葉にして表すことを
「会社の目的・存在意義」と言います。
「目的」を昇華させると「理念」になります。

何のために、会社が存在するのか?
何のために、部門が存在するのか?
を規定する事は非常に重要です。

多くの会社では、経営理念を掲げています。
経営理念に共感して、従業員が入社します。
社長部長の想いを共有できる従業員を募り
その想いを「商品・サービス」に込めて
お客様に提供して行くコトになります。

b.会社の目的を規定する理由

会社の目的を規定する理由は様々です。

その中でも、
社長部長の忙しさを脱却するための理由は、
以下の2つに集約されます。
①社長部長の事業に対する考え方と
 一致する社員を集めるコト
②従業員が自分で適切に判断できる
 環境を整備するコト

社長部長の考え方に共感できない従業員は
様々な活動をやって行く中で、
ブレーキになる可能性があります。
いずれ、会社を離れていく可能性もあります。

中小企業の場合は、
少ない従業員で事業展開しますので、
出来る限り、社長部長の考えに共感を持って
ついてきてくれる方と仕事をするのが理想です。
一所懸命教育を施した従業員が
辞めてしまうのは、本当に悲しいですよね。

c.具体的な事例

例えば、住宅を販売している会社の場合
その理念や目的が、
A社)「快適な住環境を安価で提供」と
B社)「健康を害さない自然素材の住宅を提供」
とでは、販売する住宅が大きく異なります。

「快適な住環境を安価で提供」の場合、
出来るだけ安価にするために、
化学物質を使った住宅が提供されます
客層も、安価な住宅を求める方に販売します。

「健康を害さない自然素材の住宅を提供」
になると、自然素材以外は使わない代わりに
それなりの価格で提供する事になります。
客層は、健康を重視する方々となります。

A社は、安価で量を売ることを求められます
B社は、自然素材を求めるお客様に売る
事になり、お客さんの方から訪問してくれます

会社の目的が異なると、
同じ住宅を販売していたとしても
商品である住宅そのものも異なりますが、
販売方法もお客様も異なってきます。

d.目的を周知徹底する

「会社の目的や理念を周知徹底する事」で
従業員が、社長や部長でなくても
適切に社長や部長と同じような判断が
自然と出来ているものです。

例えば、お客様に「もう少し安くしてよ」
と言われた時の対応を見るとよく分かります。

A社の場合は
「分かりました!喜んで!」
となるでしょう。

しかし、B社の場合は
「分かりました!」とはなりませんね。
お金ではなく、自然素材の価値を
お客様に説明して行くコトが求められます。

この会社や部門が何を目指し、
何処に向かっていくのかを明確化する事
は、
上記のようなメリットを生むのです。
社長部長の忙しさを根本的に解消するためには、
・社長部長の想いに共感する人を集め
・社長部長と同様の判断が出来る考え方を
 身に付けてもらうことが、第一歩ですね!

2-④ 会社・部門の目標設定!

a.目標設定すると方向性が明確になる

会社・部門の目的を設定すると、
「会社がどこに向かうのか」が明確になります。
そして、会社・部門の目標が設定されると
「どこまでやれば良いのか」が明確化されます。

この「どこまでやるか?」によって、
「モチベーション・ヤル気」が決まります!
当然ですが、目標設定をすることによって、
ヤル気が削がれてしまうのは、本末転倒です。

ここでは、従業員にやる気になってもらい、
社長部長の忙しさを軽減する事が重要
ですね。
その為には、どうするのか?

b.ストーリーで目標を言える

目標は、単年度で作るのではなく、
複数年度で作るべきです。

何故なら、その方が説明が楽であり、
従業員も納得しやすいからです。

その時の目安は、3~5年後の目標を掲げ、
その為に今年度の目標を割り出して行くのです。

これが出来ると、単年度の目標は
スンナリと設定する事が出来ます。

例えば、高校野球の監督だった場合に、
毎年1回戦負けのチームにいきなり
「甲子園出場!」を掲げても、
生徒には全く響きませんよね。。。

現在の1年生が3年生になる3年後は、
何とか「甲子園出場!」を掲げたい。
その為に
今年は、「県大会のBest4入り」
来年は、「県大会・決勝戦進出」
3年後は、「甲子園出場!」で行く!
となると、俄然生徒もヤル気が出てきます。

今年は、県大会でBest 4入りする為に基礎を、
来年は、県大会で決勝戦進出のために〇〇を強化
などなど、その後の取り組み計画もすんなりと
立てることが出来るようになります!

この目標だと、場合によっては、
2年目に「甲子園出場」が果たせる
可能性もありますね。

c.数年後の目標は高く!

この時のポイントは、
3~5年後の目標は高めに設定する事です。
3~5年後が、現在の延長線上では、
会社・部門の改善が期待できません。

よって、
現実的ではない目標かもしれませんが、
「やってみたい、辿り着きたい姿」を
3~5年後の目標とするのです!

【正しい3~5年後の目標設定】
・地域No1、業界No1
・売上ならば現在の2倍(毎年20%改善)
・原価なら現在の半額 などなど

その目標に辿り着けたら、
皆が誇りに思える目標が理想です!

d.単年の目標はSMARTに!

そして、単年の目標は、SMART目標です。
ご存じの方が多いと思いますが、
SMART基準で目標を設定します。

【SMART目標】
「S」Specific:目標が具体的である
「M」Measurable:目標が測定可能である
「A」Achievable:目標が達成可能である
「R」Relevant:目標達成が会社の利益に繋がる 
「T」Time-bound:期限が設定されている

SMART目標で単年度の目標が設定されると、
多少無理しながらでも、従業員にとっては、
充分ヤル気が出る適切な目標
が設定されます。

この目標を如何に達成するのかが
重要になってきますよね。
明日は、「実行計画の作成」をテーマに
解説して行きますよ~!

2-⑤ 実行計画の作成!

a.実行計画とは?

実行計画は、どのようなものを作成していますか?
誰が・何を遣るのかを規定している計画書でしょうか?
様々なフォーマットが存在します。

端的に言うと、
目標を達成する為に、
「何(What)」を
「どのように(How)」
「誰(Who)」が
「何時まで(When)」に
「どこで(Where)」
やるのかを明確化した計画書
です。

これを真剣に作るとなると、
結構な時間がかかります。
一人で作れる代物ではありません。
関係者を巻込んで作り込んでいくからです。

また、目標を達成するための攻め方は、
何十通りもあります。
甲子園に出場する為の練習に、
筋トレの時間をどのぐらい取るのか、
守備練習・打撃練習・走塁練習など、
練習する項目は沢山ありますが、
その優先順位を決めて、「何をやるのか」を
決めていく必要があります。

それを具体化し、
全員で目標達成して行くための
計画書が実行計画です!

b.関係者を巻込んで作る!

一番重要なのは、関係者を巻込んで作る事です。
担当者や関係者にも、計画書を共有し、
目標達成の為の各実行項目をあげてもらい、
その完了日程を皆さんと握り合い、
それぞれの役割を明確化して行くのです。

そうする事により、計画が実現されて行きます。

担当者の力量や人数を考慮した時に、
目標の日程に間に合わなければ、
その時点で人数を増やすなり対応を図る。

また、日程的な余裕も設けて置き、
必ず達成できる実行計画にするのが重要です。

常に日程が遅れてしまう実行計画では、
誰も見ない、使わない計画になってしまい、
意味がありません。
意味のない計画は、翌年から作成されません。

絶対に実行できる具体的な計画にまで、
社長部長が確認しながら、
計画表に落し込んで行くコトが鍵です!

c.実行計画が出来ると目標が達成される!

この様に作成した実行計画表は、
確実に実行されて行きますので、
100%目標が実現されて行きます。

この威力は、本当にすごいです。

社長部長がいなくても、
この実行計画がシッカリ作成で切れれば、
目標が達成されて行くのです!
本気でこの実行計画書を作成すると、
社長部長が現業に追われて忙しい状態から
間違いなく解消されて行きます。
断言します。

しかし、多くの社長部長は、
この実行計画を作っていなかったり、
部下に任せた実行計画書を確認せず
そのまま放置している状態です。

それでは、社長部長の意志が伝わらず、
結局、社長部長が自ら動かないと、
結果が出ない状況に陥ってしまいます。

会社の目的と目標を明確にすると、
従業員は、自分で考えて行動できるようになります。
しかし、具体的に「誰が・何時迄に・何を遣るのか」を
計画に落し込んで、見えるようにする事により
従業員が確実に結果を出してくれるようになります!

マネージメントサイクルを回すためには、
計画(Plan)の作成が本当に重要です。
Planが出来れば、あとは実行(Do)し、
確認(Check)~次なる対応策(Action)を
着実に採って行くっ事が出来るようになります。

2-⑥ 組織と役割の明確化!

a.組織図をシッカリ作る

従業員が数名の会社の場合、
組織図を作成していないことがあります。
しかし、組織図をシッカリと作成する事を
お勧めしています。

何故なら、組織図を作成してみると、
様々な事に気が付くのです。
例えば、「人事・総務部」を組織図に入れると
「賃金体系」や「人財育成」について
忘れることはありません。
組織図に「人事・総務部」が書かれていないと
その業務を忘れてしまうのです。

また、少ない従業員の中でも、
誰が「人事・総務担当」を担うのかも
明確化されることになります。
一石二鳥です。。

b.職務分掌も作成する

組織図を作成したら、次は職務分掌です。
職務分掌は、その職責で何をするのか、
役割と責任を規定します。

社長には、社長がやるべき仕事があります。
営業部長には、社長と同じく
営業部長がやるべき仕事があります。
営業部長がやるべき仕事は、
製造部長がやるべき仕事とは異なるはずです。

しかし、人数の少ない会社の場合、
社長が営業部長も兼務する事があります。
この様な立場の方でよくあるのは、
営業部長の仕事はやるけど、
社長の仕事が疎かになってしまいます。

その様なことを防ぐためにも、
職務分掌をきちんと整えておくと、
社長 兼 営業部長であっても、
社長の仕事をシッカリとやる癖付けが
出来るようになるのです。

c.立場と役割が明確になると意識も変わる

社長や部長のような肩書があると、
立場をわきまえた行動をするようになります。
それは従業員にも言える事であり、
課長や係長などの「長」が付く立場になると
その立場にあった言動や意識に変わります。

10名以上の会社の場合なら、
組織図がシッカリと存在すると思いますが、
課長・係長まで明記しておくと、
従業員の意識が変化して行きます。

昔から「立場が人を作る・育てる」
言われていますが、その通りです。

「役職や責任」が変われば、「意識」が変わり
「意識」が変われば、「行動」が変わり
「行動」が変われば、「結果」が変わります。

実は、他人の「意識」を変えることは、
非常に難しいことなのです。
「意識」を変える手っ取り早い方法は、
「立場や役職」や「責任と権限」を変える。

組織と役割を明確化する事により
社長部長が担っていた業務が明確になり、
その役職にどのような責任と権限があるのか
明らかになります。

そうする事により役割分担が明確化され、
忙しい理由が何であるのかもわかってきます。
理由が分かれば対策も取りやすくなります。
全てが良い方向に回って行きます!

2-⑦ 継続的に追及するKPIを設定!

a.KPIとは?

先に述べましたように、
KPIとは、Key Performance Indicatiorであり、
日本語で「重要な業績評価指標」となります

KPIは、売上高のような結果指標ではありません。
売上高のような結果指標は、KGIと呼ばれ、
Key Goal Indicator:重要目標達成指標です。

目標そのものですね。

具体的にKPIとは何かというと、
売上高など「最終目標(KGI)」を達成する為に
必要な「重要な中間評価指標」です。

具体例を挙げると
KGI:売上高
・売上高=客数×客単価ですが、
・客数を増やすための指標=「営業訪問回数」
・客単価を上げる為の指標=「新製品の導入機数」
などがKPIとなりうる指標です。

このKPIは、その会社や組織は
「何を重視するのか」
「何の優先順位が高いのか」
明確に分かる指標
となります。

b.KPIの特徴

KPIは、ある一定水準になれば、
別のKPIを設定するというものではなく、
継続的に改善して行く指標が望ましいです
5年後の売上高目標を達成する為に
5年間継続して改善して行く指標です。

間違った指標をKPIに設定してしまうと
みんなの努力が消えてしまう可能性があるます。
よって、「目標達成」に繋がっている事
KPIの必須条件となります。

例えば、客単価を上げる為のKPIとして、
「新製品の導入数」と書きましたが、
安い新製品ばかりを導入したために、
客単価が下がってしまっては、本末転倒です。

私がいた製造現場で設定したKPIは、
「製造工程内の不良率削減」でした。

(業績に直結する指標である事)
・不良率が下がると、品質が向上する。
 また、修理者が不要となる。
 更に、修理による追加部品が不要となる
など、業績向上にも直結する指標なのです。

(継続的改善が必要な指標)
・目標の不良率は、年々低減して行きます。
 しかし、ゼロにはなりませんので、
 毎年少しづつ低減して行くのです。
・今年は、製造現場で改善できる目標に、
 来年は、品質体制を見直して改善する。
 再来年はは、設計改善を入れて更に改善
など、継続的に改善して行くのです。

c.KPIが改善されると会社が変わる!

この様にして設定されたKPIは、
事業の根幹をなす活動を数値化しているため、
KPIが改善されて行くと、
会社が徐々に変わって行きます。

KPIを設定したら、それを見える所に張り出し、
何時でも見えるようにしておくことも大切です。
人は、常に見える所にあるコトに対して
関心を寄せるものです。

KPIを社長室などに張り出して、
定期的に数値を更新し、進捗を追っていくと、
会社の状態が手に取るように分かってきます。
その様な大切なバロメーターにKPIがなると
社長部長の忙しさは、軽減されているはずです。

KPIが継続して改善されることにより
着実に会社や職場の実力が向上し、
何処にも負けない強みを作り出して行くのです!

2-⑧ 日次・週次・月次の業務の決定!

a.今日、何をするのかが決まっている状態

毎週金曜日に業績報告会が設定されていると、
自然に、その業績報告会に向けて
メンバーが仕事をすることになります。

業績報告会の2日前の水曜日までに結果を出し、
木曜日は、一週間のマトメをして、
金曜日に報告できるように準備する。
この様に業務のリズムが自然と出来上がります。

それせずに「今の営業成績を見せてくれ」
と突然尋ねると、そこから大慌てで数値を
引張り出してくるため、数値が間違ったり
数値を待つのに時間がかかったりします。

この様な突発業務をなるべく減らし、
定期的に業務を回す事が、一番効率的です。

b.週次でマネージメントサイクルを回す

理想的なのは、週次でマネージメント
サイクルを回すこと!
これが出来るようになると、
社長部長の忙しさは、確実に軽減されます。

何故なら、
従業員の業務が大体理解できている状態
になるからです。
実行計画を作成しただけでも理解が出来ます。
実行計画が日次・週次でどのように活動されるのかが
規定されていれば、ほぼ毎日会社の中で
どのような活動がなされているのか
手に取るように分かるようになります。

そうすると、社長部長は、課題のある所に注力し
残りの時間は、「将来構想(価値創造)」に
時間を割くことが出来るようになります。

業界によっては、日次で回したり
月次で回した方が効率的な場合もあります。
私が経験してきた業界では、
週次が最も適切だと考えています。

c.更に効率を上げるにはフォーマット化する

数ある業務の中で、情報共有・業績報告など
社長部長が情報を見て判断をする場合は、
前年対比で判断をしたり、
原価率などの比率で判断したいものです。

よって、その様な数値報告に関しては
定型フォーマット化する事により、
資料作成の時間的な負担も軽減され、
報告を受ける社長部長も、
適切な判断が出来るようになります。

前回お話をしたKPIのように、
数値は定点観測した方が間違えません。
KPIや業績数値は、何年も継続して見るからこそ
「何かがおかしい」と気が付いたり、
「今は順調だ」と判断するコトが出来るのです。

ここまでくれば、社長部長の時間は、
本来の仕事に割くことが出来ています!
素晴らしい!!

2-⑨ 改善活動の徹底と人財育成!

a.良くしたい想いが無いと改善活動は継続しない

社長がいくら「業務改善をしろ」と言っても、
社員が「職場を良くしたい」と想わない限り
改善活動は継続されません。
ヤラサレ感満載の5S活動は、
トップが目を離すと、みんなサボります。
どの会社でも、スタートは同じです。

しかし、ヤラサレ感満載でスタートしても
業務が改善され、それによって褒められたり
業績が良くなると、継続されます。
そして、継続されると、組織力の変わり
他社との差別化がされるようになります。

この状態に辿り着くためには、
社長部長が陣頭指揮を執って、
改善活動を継続するための
仕組みの構築が必要です。

何をするのかと言うと、
定期的に改善活動が継続され、
進化しているのかをチェックする
のです!

b.マネージメントサイクルで重要なのは確認!

マネージメントサイクルは、
いわゆるPDCAサイクルと同じですが、
ポイントは、チェック・確認です!
計画を立てたると、実行まではすんなりされます。
ただ、チェック・確認行為がされずに
下火になる事が良くあります。

逆に、PDCAが回り続けている組織を見ると、
チェック・確認がキチンとなされています。
マネージメントサイクルを回す要は、
「定期的にチェックする」ことなのです!

具体的にどうすれば良いのか?
日次・週次・月次の予定を組むときに
シッカリと「チェックの時間」を設ける
のです。
これだけを予定に入れていれば、
マネージメントサイクルは回り続けます!

非常に簡単ですが、チェックをしないと
折角立てた計画が、実行されない
最悪の事態になりかねません。。。

何度も言いますが、
マネージメントサイクルの要は
「確認・チェック」にあるのです!

c.チェックで有効なのは定点観測!

そして、チェックをして行く時には、
同じ基準で見続ける定点観測が良いです。
5S活動を改善活動と位置付けて
やり続けることをお勧めします。

具体的に、どのように5S活動を実施するかは
有料になりますが、マガジンを作成していますので
必要な方はご覧ください。

5Sのレベルによって異なりますが、
定点観測する所をチェックリスト化
しておくと良いです。
それが出来ると、社長部長が出張中でも
代理でチェックを依頼する事も出来ます。
活動が滞らずに、日程通りに実施できます。

定点観測箇所をチェックリスト化すると、
やって欲しいことが徐々に
出来るようになって行きます。

職場に変わってもらいたい内容を伝えて、
次までの宿題にしておくと良いのです。

社長部長の意志を反映できるような
業務の仕組みに落し込む事が
マネージメントサイクルを回す事です。
ドンドンやりたいことを、
やってもらいたいことを仕組みに落し、
それを数週間にわたって改善してもらう。

この様な継続的な改善が出来るようになると
何事においても、継続が出来る組織に
生まれ変わってきます。

是非とも、継続的な改善活動を行う
土壌を整えて頂けると、社長部長の時間が
更に空きが出来てくるようになりますよ!

2-⑩ 業務マニュアルの整備!

a.業務マニュアルとは?

業務マニュアルとは、
個々人が様々なやり方で行っている業務を
統一したやり方にパターン化・標準化し、
それを文章に落して伝える事で
誰がやっても同じ品質・出来栄え・速さを
実現させるための仕組み
です。

以前、無印良品の店舗は、
店長の裁量によって店舗の展示を
行っていたのだそうです。
すると、店舗による売上のバラツキが大きく、
売上が上がる店舗と上がらない店舗が出てくる。

そこで、売上があまり上がらない店舗が、
売上の上がる店舗の展示を真似ると
売上が上がるようになったのだそうです。

それなら、売上が上がる店舗と同じ展示にすると
一番効率的に売上が上がることになる!
ことが実証されるようになった為、
一番売り上げが上がる展示方法に統一し、
この展示方法を文書に落してマニュアル化して
全店舗に伝えるようにしたのだそうです。

私がいた製造会社においても、
製造工程のマニュアルがありました。
マニュアル通りに作れば、
日本の場でも海外の工場でも
同じ品質の製品が同じ工数で出来ました

b.マニュアルの効果

「マニュアル化」は、上記の例題のように
「一番良いやり方に見つけ、
 そのやり方に統一し、文書にして伝える」
ことです。

マニュアル化すると、一番良いと思われる方法に
業務全体、店舗全体が統一されるため、
「業務のやり方」による差異が無くなります。

つまり、ノウハウが無くても
同じ品質の製品・サービスの提供が可能になります。

社長部長の仕事の一部でもマニュアル化すれば、
社長部長と同じような経験やノウハウが無くても
同じような業務品質を担保することが
出来るようになる
のです。凄いですよね

そして、更に良い効果をもたらすのが、
「ノウハウが会社に残る」という事です。

無印良品の「出来る店長」は、
マニュアル化をしなければ、
常にNo1店長でいられたかもしれません。
しかしマニュアル化をした後は、
「出来る店長」ではなくなってしまいます。

もしも、「出来る店長」が退社したら
その店長が出していたほどの売上が
あがらなくなってしまいます。
ノウハウが会社として残りません。

そこで、マニュアル化をしていれば、
「出来る店長」がいなくても、
マニュアル通りに展示をすれば、
出来る店長と同じ展示が
どんな店長でも出来るのです。

マニュアル化こそが、仕組み化なのです。
マネージメントサイクルを回し、
それを効率化する為には、
業務をマニュアル化して行くコトが必須
です!

そして「出来る店長」はどこに行くかと?
マニュアルを作成する総本山に栄転して頂くのです

c.業務マニュアルを作ると改善も進む

業務マニュアルを作成する時には、
「その時に考えられる最良の方法」
マニュアル化しています。
ただ、現時点のマニュアルは
「真の最良の方法」ではない
ことを、
理解しておく必要があります。

あまり実験ができずにマニュアル化してしまう
ことが実は結構発生します。
例えば、3つの方法の中の一番良い方法を選んで
マニュアル化をした可能性もあるのです。
それは、3つの中の最良の方法です。
100ある中の最良の方法ではありません。

よって、マニュアル化をした後
・マニュアル通りに業務を行う 事も重要ですが
・マニュアルよりも更に良い方法を探求する
事も非常に大切です。

更に良い方法が見つかれば、
更に良い方法に、改善すれば良いのです。

マニュアルA ➡ 改良マニュアルB とで
売上などの比較が出来て、
改善の効果も算出することが出来ます。

業務マニュアルを整備し、
それを常に改善してレベルを上げていく。

日本人が得意な「守破離」に繋がりますね。
これが出来れば、忙しい社長部長から脱却できます!

従業員が「自分で考え、自分で行動し、自分で結果を出す!」

3-① 姿勢・一緒に考え、考えさせる!

ここまで、マネージメントサイクルの構築の
お話を中心に行ってきました。
ここからお話しするのは、
マネージメントサイクルを上手に回すための
社長部長としての心構え・姿勢についてです。

社長部長の忙しさから脱却するには、
従業員に考えて仕事をしてもらうのが一番です。
マネージメントサイクルを構築する目的は、
従業員があまりプレッシャーを感じずに、
行動してもらえる仕組みを作る事です。
そして、自分で考えて行動する「意識」に
なってもらう為の仕組みなのです。

a. 自分で考えて行動してもらうことをはじめっから期待しない!

自分で考えて行動するには、
何か動機づけが無いと、そうなりません。
何故なら、従業員にとってメリットが無いからです

自分で考え・行動できるようにする仕掛けが、
マネージメントサイクルの構築です。
マネージメントサイクルが構築できれば、
・会社や職場の目的を理解し
・会社や職場の目標に向かって考え
・実行計画に沿って行動 出来るようになります。

ただ、自分で考え・行動してもらう為には、
仕組みを構築するだけでは弱いです。
従業員の意識にも目を向ける必要があります。

具体的に従業員の意識が、
「職場を良くしたい、会社の業績を伸ばしたい」
と思って頂けるようにならなければ、
自分で考えて行動するようにはなりません。

b.意識を変えるには?

人の意識を変えることは、至難の業です。
ただ、以下のような環境下で、
人の意識が変わって行くものです。

① 近くに「本気」で働いている人がいる
② 「期待されている」と感じられる
③ 目標が明確で「達成できそう」と感じる
④ 「メリットがありそう」「楽しそう」と感じる
⑤ 「絶対にやりぬいてやろう」と思う
⑥ やらないとヤバい と感じる
などなどでしょうか。

それぞれ感じ方が異なりますが、
意識が変わる瞬間になりますね。
この中でも、⑤「絶対にやり抜く」意識になると
一番強力で応援したくなりますね。
そこに、①本気で働いている社長部長がいれば
その従業員に灯をともすことが出来そうですね!

c.一緒に考える

絶対にやり切る意識に変わるには、
その人を放置していたのでは、
変わるものも変わりません。

一番良い方法は、「一緒に考える」
「一緒に実行計画などを作る」ことです。
一緒に実行計画を作ると、
社長部長の意志や本気度が伝わり、
俄然やる気が出てくるものです。

ヤル気が出れば、自ら考え・動き始めます。
そうなると「面白そう」「期待されているかも」
などなど好循環に入って行きます。
人の気持ちは水物なのかもしれませんが、
常に気にかけていると、気持ちは伝わるものです。

一緒に考えながらも、常に従業員に考えさせる。
宿題に感じないように、アドバイスがでいると
本当に良い循環に入って行きます。

しかし、実際の場面では、従業員が欲しいのは
「アドバイス」ではなく「答え」が多いですよね。
「答え」をくれない人には、相談を持ち掛けません。
何故なら、課題が解決できないからです。
しかし、「答え」を常に教えていると、
従業員は確実に「考えなくなる」のです。

よって、相談を持ち掛けられた時には、
「一緒に考え」て「考えさせ」て
出来る限りその場で「答えを導いていく」
のが
正解だと私は考えています。
「答えを導く」ことが出来るからこそ相談されます。
「後日、答えを持ってきてね」では、
宿題を与えたのと同じになってしまいます。。。

その人は次から貴方に相談しき来ません。

この姿勢を取ると「時間がかかります」。
しかし、一時は時間をかけて、
職場のマネージメントサイクルを構築したり
メンバーの意識を変えたりして行かなければ、
社長部長の忙しさは、軽減されて行きません。

「仕組み」を作って「従業員を育てる」!
これを行っていけば、
自ずと忙しさは軽減されて行きます!

3-② 姿勢・情報を開示し意識を統一!

一緒に課題を考えながら、
徐々に「自分で考えて」行動する話しをしましたが、
ここで重要になるのが「情報の共有」です。
経営数値や環境を見て
社長部長の皆さんが「ヤバい」と感じても
同様に感じる社員はあまりいません。
差を生んでいるのは「情報」です。

a.情報量に格差がある

社長部長は、圧倒的な情報量があります。
市場の情報、経営数値の情報、人材情報、
他社情報などあらゆる経営情報が入ってきます。
しかし、従業員にはそのような情報が
ナカナカ回って行かない
ものです。

現在は、ひと昔と違い、皆さんネットに繋がり、
様々な情報を入手できる時代になりました。
よって、昔よりも情報格差は無くなりましたが、
それでも、圧倒的な情報格差があるのは事実です。

多くの情報に触れれば触れるほど、
その情報に対する感度が良くなります。

毎日、経営数値を見ていると、
「あれ?何か変だ!」と気が付く。
毎日10個売れていた商品が、突然100個売れたら
「あれ?ナゼ突然売れたんだろう」となりますよね。

b.社長部長と同じ情報を共有する

忙しい社長部長は、従業員にあまり情報を
共有していないことが多いです。
共有しても意味がないと考えているのかも
しれませんし、情報格差を保っている方が、
社内で強い立場を保つことが出来るのも事実です。

しかし、情報を独り占めをすると、
情報の無い人にとっては「知らない」ことであり、
「知らない=動かない」ことになります。

毎日10個売れている商品が、突然100個売れたら、
従業員も「ナゼ100個売れたのかな?」と
自主的に調査を始めてくれます。
その答えが「気温が35℃を超えるとバカ売れする」
ことだと従業員が突き止めれば、
その従業員が次の35℃以上の日の仕入れの工夫を
自分の意志でしてくれるようになります。

「気温が35℃を超えるとバカ売れする」情報を
独り占めするのではなく、社員全員に共有できれば、
多店舗展開している会社なら、どの店舗でも
その商品の売上げを10倍にすることが出来ます。

経営において、情報は本当に大切な資源です。
情報が無い所には、ビジネスは生まれません。。。

c.同じ情報を見て、社長部長と同様な危機感を感じてもらう

社長部長と同じ情報を見ても、
立場によって、感じ方が違うことも事実です。

例えば、
「インフレにより今後毎年賃金が上昇する」
と言う情報が新聞に載っているとします。

社長・部長は、
・ヤバい、従業員の給料を毎年引き上げないと
 ・せっかく育てた従業員が離職してしまう
 ・毎年給料を引き上げるとなると、
  今の利益率だと3年後には赤字になる。。。
などなど、会社経営に関する影響を瞬時に計算します。

一方従業員は、
・今の仕事をしていても、毎年給料が上がるかも。
 給料が上がれば、車を買い替えて大丈夫だ。
 国内旅行も毎年1回➡2回にふやせるかも
などなど、ご自分の懐具合を瞬時に試算します。

社長部長と従業員とでは立場が異なりますので、
情報を受け取った時の感じ方は違って当然です。
ただ、社長部長の皆さんは、
この情報が、会社に与える影響を解説して、
従業員にも「社長部長の視点」でのモノの見方を
意識付けして行く
コトも重要です。

同じ情報を見て、社長部長は危機感を抱くが、
従業員は楽観するのでは、良くありません。
少なくとも従業員の皆さんも
・給料が上がるという事は、経営が厳しくなる
・経営が厳しくなると、残業が制限される
・商品の値上げが出来ないか、
 市場の価格動向を確認してみよう
などと、社長部長に近い感じ方をしてくれる
従業員を育成していく必要がありますね。

情報において大切なのは、
・社長部長と同じ情報を従業員が共有している
・情報が経営に与える影響を社長部長が解説し
 従業員も社長部長目線でモノを考える
 環境にしておくこと  です!

3-③ 姿勢・仕事を任せるが責任はとる!

a.部下を便利屋として使ってしまう・・・

忙しい社長部長が部下を使う時には、
自分の便利屋として仕事を与えがちです。

具体的に言うと、
・仕事の全体像を説明せず
・自分の欲しい情報だけを
・ピンポイントで要求する
・部下の育成や成長は考えていない
様な仕事の出し方をしてしまうのですね。
私も、長らくこのようなスタイルで
マネージメントをしていた時期があります。

この様な仕事の与え方をすると、
従業員は、社長部長の指示が無いと
全く動けなくなりますよね。。。

逆に、社長部長から言われたこと以外の
仕事を一生懸命やっていると、
突然来る社長部長の要求に応えられません。
社長部長の突然の要求に応えられるように
手を開けておいた方が、社長部長に喜ばれる
ことになりかねませんね。。。

このような仕事のやり方では
まさに小間使いの扱いですので、
メンバーのモチベーションは上がりませんし
人財も育ちませんよね。

これが社長部長の忙しさの原因の一つですね。

b.どの様に仕事を依頼するのか?

では、どのように仕事をしてもらうのが良いのか?
仕事が出来る人であれば、
「この仕事は、お前に任せる!」と言う感覚で
仕事の全体を塊として渡すのが理想です。

その仕事に求められる「結果」を出してもらう。
ただし、結果を出すまでの過程である、
仕事のやり方・進め方や誰とやるのかなどの
具体的な方法に関しては、ある程度一任する。

昨日話をしてきました、
「マネージメントサイクルの構築」を
そのまま実践してもらうのです!

その様に仕事を任せてもらうと、
任せられた本人がとてもヤル気になり、
自分で考え自発的に仕事に取組んでくれます。

仕事が一人ではまだ出来ない人であっても、
なるべく一人でコントロールできるところまで
仕事を細分化して、その範囲において
裁量を発揮しながら結果を出させるような
仕事の依頼が出来るとイイですね。

具体的には、マネージメントサイクルの中の
一つの役割を担ってもらう。それで良いのです!

c.仕事を任せるが責任はとる!

そして重要なのは、
「最終的な責任を社長部長が自ら取る」こと。
特に、失敗した時の責任ですね。

うまく行った時の手柄は部下に、
良くなかった時の責任は社長部長に。
となっていれば、部下の皆さんは、
失敗を恐れずに自分で考えて仕事に
立ち向かっていけます。

この様な環境で仕事が出来る人は幸せです。
私は、長年この様な環境で仕事をさせて頂きました。
そのお陰で、私のマネージメントスタイルである
「マネージメントサイクル」を確立できました。

どのような仕事でも、チャレンジする事は重要です。
しかし、責任まで取らなければならない環境では、
チャレンジする事に二の足を踏んでしまいます。
例え、チャレンジしたとしても、
力んでしまってうまく行きません。

中小企業の場合は特に、
優秀な社員が毎年入社するわけでもありません。
今いる社員にチャレンジをさせることによって
経験を積ませ、徐々に人財育成をして行くしか
会社を強くしていく方法はありません。

積極的にチャレンジをさせ、
失敗も経験してもらいながらも、
人財育成が出来るような環境が作れると、
その会社には、経験を積んだ優秀な人財が残ります。
そして、会社が自ずと存続されます!

3-④ 姿勢・挑戦させて成果も出す!

a.従業員のやる気を引き出す!

日常業務に追われて忙しい社長部長さんは、
いち早く、忙しさから脱却したいところでしょう。
皆さんが目指すべき所は、
・突発性の仕事は体制を整備して減らし、
・日常的な仕事はメンバーに任せ、
・将来に向けた価値創造型の仕事

にシッカリと時間を取ることです!

その為に、マネージメントサイクルを構築
する事を提唱して来ました。
この仕組みは、従業員が自ら考え、行動し、
結果・成果を出すための仕組み作りです!

従業員が自ら考え行動する為には、
「やる気」になってもらう必要があります!
「ヤル気」を出してもらう特効薬は、
「チャレンジさせてあげ」て
「成果を出させてあげる」ことです!

b.みんな挑戦してみたい

多くの人は、自分がやったことがないコトに
チャレンジ・挑戦してみたいと思っています。

ただ、失敗するのが怖かったり、
失敗して馬鹿にされるのが嫌なので、
チャレンジしないだけなのです。

私も、どんどんチャレンジをして、
経験を積みたいと常日頃から思っています。

そんな、挑戦する場を作ってあげるのです。
そうする事で、
・メンバーが成長するとともに
・自分の仕事もいずれは楽になって行きます

ただ、「誰」に「どのぐらいの」挑戦をさせるかは、
社長部長やマネージャーがシッカリと
本人の力量を見て、判断しなければなりません。
また、本人の「やりたい」と言う意思も必要です。

チャレンジの機会を作ってあげられるのは
社長部長を置いて他にはできません。
大企業であっても、課長格の方では
勇気をもって挑戦させることが出来ません。

私は26歳の時に海外工場の技術・品質責任者として
海外駐在させて頂きました。
無謀とも言える人事でしたが、
私も望み、上司の方々も「あいつなら」
という事で、チャレンジさせて頂きました。

当時は、その立場に就任し、
結果を出すためにどうすれば良いのか?
随分と悩みました。
多くの人の助けのお陰様で、
スタッフが育ち、私にも実力が付いたことで
求められる成果が出せました。
本当にありがたいと思っています。
特に若いうちは、挑戦させてあげることです!

c.結果を出させるサポートをする

大きなことに挑戦させたら、フォローも必要です。
折角のチャレンジも失敗に終わってしまっては、
その後が続きませんし、本人も傷つきます。
ヤル気がある本人が落ち込んでしまうと、
立ち直るのに時間がかかるかもしれません。

そうならないために、上手にレールに乗せて
結果を出させるようなサポートをして行くのです。
それが出来る為にも、マネージメントサイクルが
構築できていれば
、べったりくっついて
指導する必要はありませんよね。

サポートするとは、英才教育をすることです。
仕組みが出来たとしても、人財を育成しなければ
上手く仕組みが回って行きません。

仕組みを作りながら、人財育成をして行く。
それが出来れば、その会社・組織は強化されます。

自分で考え・行動し・結果を出す従業員が
何人いるのか、何割いるかによって、
成長し続けて行けるのかが決まります。

挑戦する人が成果を出せば、
私も挑戦したいと手を上げる人が続きます。
私の時もそうでした。私が成果を出すと、
私の同期もみんな挑戦させて欲しいと、
こぞって海外に出向して行きました。
現在、皆それぞれの立場で仕事をしています。

挑戦する文化を作り、
そしてシッカリと結果を出してもらう。
その為に、社長部長が一緒になって汗をかき、
挑戦している人をサポートをする。

そんな会社は、本当に魅力的ですね。
その様な会社で働きたいですね。

忙しい社長部長から脱却し、
この様な仕事が出来ている状態を
想像してみて下さい。ワクワクしませんか?
従業員の目が、希望でキラキラしている。
マネージメントサイクルが構築され、
それが順調に回り、従業員が積極的に挑戦し
そのサポートを社長部長がシッカリ行って
従業員が成果を出す
事業展開は、最高ですね!

忙しい社長長から脱却するには、
仕組みを作る事でしか解決できません!

仕組みを作るまでは、本当に大変です。
一時の努力を惜しむと楽にはなれません!

既に多くの会社で実施しています。
あなたの会社や部署でも必ずできます。

あなたの会社や部署も、
マネージメントサイクルを構築し
将来構想・価値向上の時間が出来る仕組みに
変えていきませんか?

微力ながら皆さんを全面的にサポートして参ります!

マネージメントサイクルを構築すると、何処で・誰が・何をしているのかが視える!

終わりに

今回の連載は、如何でしたでしょうか?
私が人生の中で考え、実践し、学んできたことを
出来るだけ書き記してみました。
ただ、具体的なエピソードや物語は
書き出すと膨大な量になる為、
セミナーなどを開催した中で
お伝えすることが出来れば良いなと考えています。

ご興味がございましたら、
セミナーを開設しましたので、
ご応募頂けると嬉しい限りです!

文章に書くと綺麗な文字ずらになってしまいますが、
実は、実際の工場経営や部署の運営の時には、
人の思惑が絡まって、ドロドロしています。
この人々のドロドロの人の想いを、
綺麗にサラサラにして行けるのが
「マネージメントサイクルの構築」であり
それを回して行くコトなのです!
それにより、健全な組織運営が可能になります。
間違いありません!

これから「マネージメントサイクル」を
本格的導入したい方がいらっしゃいましたら、
こちらのフォームにご連絡を戴ければ幸いです!


大丈夫!
みんな、あなたのことを応援しています!
あなたは、一人じゃない!
勇気・強気・やる気・世の中元気!


このブログが、皆さんにとって小さな気付きになり、
皆さんの行動へ向けた原動力や豊かな生活に向けて
少しでも貢献できると嬉しいです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
感謝申し上げます!

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