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従業員のお困りごと㉖

島津(仮名)さんが勤める内装資材を製造・販売する会社は、創業100年を経た業界のリーディングカンパニーとして、積極的に障がい者雇用を行っています。

サポーターである島津さんは、社内で障がい者支援に携わっている全従業員にサポーター事業に参加することを推奨しました。島津さんは、支援員全員がサポーターになったことで、養成講座を受講しサポーターになることで、知識や考え方の均一化や、サポーター同士がお互いに様々な情報を共有すること、また、補完しながら支援していくことが可能となったことを実感しています。

部材

ある年、島津さんは、入社して間もない大友(仮名)さんを被支援者としてサポーター登録しました。大友さんは、給茶機のメンテナンス・清掃・部材加工等の軽作業を担当していました。大友さんは不安症のためか、自分が行った作業を何度も繰り返して確認することが常で、他の作業が滞ってしまうという点が課題でした。そこで、島津さんは大友さんに、都度「指差確認」を実施するようアドバイスしましたが、大友さんの不安は解消されず、過度な確認は改善されませんでした。

指差し

そこで島津さんは、点検項目を一覧化した「チェックリスト」を作成し、指差確認した項目にチェックを入れることで、点検状況をより視覚的に認識できる方法を試してみました。島津さんは、大友さんの作業にできる限り同行し、大友さんが点検・確認を繰り返そうとする度に、「チェックリストにチェックが入っているのでそこの点検は済んでるよ。もう再度の確認は必要ないよ。」と粘り強く教え諭していきました。

「指差確認」と「チェックリスト」を活用した結果、大友さんの過度な確認は少なくなりましたが、それでも重要と考える箇所はどうしても気になるようで、何度も確認を行っていました。島津さんが他の支援員に相談したところ、「重要な箇所は指差確認だけだはなく、実際に手に触れて強く印象付ける”触覚確認”が効果あるよ。」とアドバイスを受けました。そこで、「触覚確認」も取り入れたところ、繰り返しの確認行為による仕事の滞りはほとんどなくなりました。

ところが、しばらくする今度は、大友さんが同僚や後輩に対しぞんざいな言動を取るという新たな課題が出てきました。注意しても中々改善されなかったため支援員に相談してみました。大友さんは強く注意されると委縮してまう傾向が強かったため、自尊心を損なわないような方法はないか聞いたところ、「疑似体験」させる方法を勧められました。大友さんに対して乱暴な言い方と優しい言い方を実際にしてみせて、どちらがいいかを”実感”として理解してもらう方法です。この方法のより、大友さんは、優しい口調の大切さに気付いたようで、その後ぞんざいな言動はなくなっていきました。

このように、島津さんの会社では、サポーター同士が障がいのある従業員の状況などを日頃から共有しています。島津さんは、障がいのある従業員が安心して働くことができる環境づくりは、働き方改革につながると考え、大友さんだけではなく、他の障害のある従業員一人ひとりの活躍の場を広げていくことを願っています。

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YORISOU社会保険労務士法人の長谷川です。わたしたちは、企業が抱える従業員のお困りごとに対して、積極的にサポートしていきます。また、育児・介護・病気と仕事の両立支援についても、企業を支えていけるよう職員全員でがんばっています!
*本文の内容は、行政機関で紹介している障害者雇用の事例集などを参考に  作成しています。


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