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従業員の困りごと⑭

 彼女は、専門機関で自閉症スペクトラムと診断された後、就労移行支援事業所での訓練を積んで同社に入社しました。

 彼女は、就労移行支援事業所での経験から校正作業が自分に向いていることを知りました。彼女の丁寧な仕事ぶりは高く評価され、1日の大半を校正作業が占めることもあります。

 そんなある日、彼女が体調を大きく崩したことがきっかけで、慢性的に疲労が溜まっていることが分かりました。彼女は、与えられた業務を遂行しなくてはいけないという責任感と、終わった後のやりがいや達成感から「過集中」となり、それが疲労の要因になっているようでした。
 
 私は、彼女の得意分野である校正業務を引き続き行ってもらいながら、過集中を防ぎ、疲れを溜めない方法を考えることにしました。

規則性を重んじ、視覚優位な特性を持つ彼女への指導方法として、以下の取り組みを重視し、継続することとしました。
休憩取得のルール化…併せて、周囲の社員も必要に応じた声掛けを行うように依頼することで、休息ルールを徹底
日報の導入…体調・気分を〇△×で記入することで、体調面等を適時把握

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 今まで、自分なりに彼女の指導・支援を行ってきましたが「本当にこれでいいのか」と迷うこともありました。そんな時に、彼女が作成した「文字校正マニュアル」が「分かりやすくて使いやすい」という理由で、社内で表彰されることになりました。

 今回、彼女が表彰されたことは、戦力としての障害者雇用を目指してきた私にとっても喜ばしいことです。また、障害者雇用への理解が一歩深まったと感じています。

 私は、障害者雇用の更なる推進のために、個々の持っている能力を活かせるような職場作りを考えています。

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YORISOU社会保険労務士法人の宮川です。わたしたちは、企業が抱える従業員のお困りごとに対して、積極的にサポートしていきます。また、育児・介護・病気と仕事の両立支援についても、企業を支えていけるよう職員全員でがんばっています!

*本文の内容は、行政機関で紹介している障害者雇用の事例集などを参考に作成しています。


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