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従業員のお困りごと㉔

伊達さん(仮名)が勤める会社は、以前より身体障害者の方を採用していましたが、多様な人材を積極的受け入れるという方針に基づき、新たに精神障害者の方も採用するようになり、今では4名の精神障害の方が働いています。最上さん(仮名)はその中のひとりです。

最上さんは就職活動をきっかけに、うつ病を発症しました。最上さんは入社後、人事部の事務補助業務を任されていました。順調に勤務していましたが、徐々に仕事が増えて疲労が蓄積していき、入社4か月目に休職することになりました。その後、精神保健福祉士や就業支援機関のカウンセリングを受けながら、1日5時間・週4日勤務の時短勤務で復職しました。伊達さんは、人事担当として最上さんをサポートすることとなりました。

伊達さんは、作業日報を兼ねた「セルフチェックシート」を活用し、睡眠・食事・疲労・気分など、最上さんの体調やストレスの状況を日々確認するようにしました。チェックシートは、精神保健福祉士や支援機関とも共有し、最上さんを多方面からサポートしていきました。

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最上さんが入社から1年を経過したころ、伊達さんは、長期的な就労につなげるために「目標設定シート」を作成しました。最上さん自身が1年間を振り返り、上手くできたことや課題だと感じていることを書き出してもらい、現状を把握したうえで、面談を通じて「新たに増えた業務に対しても緊張感を持って粛々と取り組んでいく」という目標を定めました。

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目標に基づき伊達さんは、自分の業務を切り出し最上さんに新たな業務を任せていきました。最上さんが順応している状況が確認できたので、勤務時間を延ばすことを提案しました。最上さんの業務量を増やすために、部署の従業員それぞれぞに業務を切り出すことをお願いしました。業務を切り出すメリットや自分の業務を見直すことが働き方改革にもつながることを説明し、みんなにも理解を得ることができました。

業務の切り出しは、最上さんの業務を増やすことが目的でしたが、部署の従業員それぞれが業務の棚卸を行い、手順の見直しや効率化を考える良いきっかけにもなりました。

伊達さんは、今後最上さんの勤務時間が延びていくことで、最上さんの活躍の場が広がることに加えて、業務の切り出しによって周囲の従業員の働き方もよりよく変容していくことを期待しています。

浅賀さん

YORISOU社会保険労務士法人の長谷川です。わたしたちは、企業が抱える従業員のお困りごとに対して、積極的にサポートしていきます。また、育児・介護・病気と仕事の両立支援についても、企業を支えていけるよう職員全員でがんばっています!
*本文の内容は、行政機関で紹介している障害者雇用の事例集などを参考に  作成しています

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