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ウェブメディアのマーケターが考える、メディアが記事広告と向き合う必要性について

ウェブメディアのマネタイズに「広告」以外に取り組みが増えてきている近年ではありますが、ここでは改めて「広告」マネタイズにおける「記事広告」について深堀してお話しをさせて頂きます。

「今更記事広告と向き合うの?」と思う人もいれば、「記事広告の売り方を教えてほしい」と思っている人含む、全てのウェブメディアに携わる人の参考になれば幸いです。

媒体社が記事広告と向き合う必要性について

私が、なぜウェブメディアが記事広告に向き合うべきかと問われると、理由は2点です。


1.ウェブメディアの広告で記事広告が唯一読者体験を損なわない広告
2.cookie問題による「プログラマティック広告」収益減にともなう、「広告」マネタイズの見直し

これら2点を下記より詳しくご説明させて頂きます。

ウェブメディアの広告で記事広告が唯一読者体験を損なわない広告

まず1つ目に挙げた理由について、深堀してご説明いたします。基本的には記事広告がウェブメディアにおいては唯一、読者の体験を損なわない広告だと私は思っております。

ウェブでは読者が主役で、読者が読みたい・見たいコンテンツを選んでいます。

沢山ある広告手法の中で唯一、ユーザ自らが選択しコンテンツとして広告を読んでもらえるという、三者(読者・広告主・メディア)が幸せになれる広告ではないでしょうか?

上記は私の考えではありますが、ウェブにおける消費行動モデルから考えても同様に言えるのではないかなと思います。

AIDMA→AISAS→AISCEASと企業起点でマーケティング出来た時代から、DECAXというユーザ起点の消費行動モデルに変化したのが一番大きな背景となります。

消費行動モデル

DECAXって何?って思う人もいると思いますので、より具体的なお話を流通している情報量とサービス(商品)量の観点でお話しさせて頂きます。

情報流通観点

まず、情報流通観点では、総務省(https://www.soumu.go.jp/main_content/000124276.pdf)の有名なデータでもまとめられていますが、世の中の情報量に対して、我々の情報消費量については年々大きく差が離れています。ウェブの世界では特にその差が圧倒的になっており、このデータが示すようにウェブはあくまで読者が主役であることを再認識した方がいいかと思います。

流通サービス観点

また、流通しているサービス(商品)の観点では、数多くのジャンルで代替品が多く登場していることが挙げられます。

上記の図でも例題を入れておりますが、従来「電話をかける」という行為においては、家庭用電話の時代から携帯電話へ進化し、そこからスマートフォンが登場しました。近年では格安SIMサービスの登場により、「電話をかける」という単体行為では、数多くのサービスがありユーザにとっては代替品が世の中には溢れかえっているということを、当たり前に理解しておく必要があります。

このように、流通情報観点でウェブでは読者が主役であり、読者が見たいコンテンツを選択していることを再認識し、その上で読者のニーズを満たし、広告主の訴求したい要素を読者のインサイトと合わせた記事広告を作成する必要があると思っております。

cookie問題による「プログラマティック広告」収益減にともなう、「広告」マネタイズの見直し

2つめに挙げましたcookie問題については、「プログラマティック広告」で収益化を上げていく事がかなり難しくなっていくと予想されます。すでに、ウェブメディア運営者では、「プログラマティック広告」の単価減少など影響を感じている人もいると思いますが、このcookie問題が近い未来により本格的にウェブメディアのマネタイズにおいては大きな影響を受ける日が近いところまで来ています。

Googleが発表しているデータ(https://services.google.com/fh/files/misc/disabling_third-party_cookies_publisher_revenue.pdf)によると「3rd Party Cookieが使えなくなることによって、メディアの広告収益が52%減少する」と言われております。

どれほど影響するのかは、各ウェブメディアによって異なりますが、下がることはもう確実と言っていいため、減収する売上をカバーする動きをしていかなければなりません。

メディア運営者に伝えたい記事広告の重要性

Googleがcookieを利用しない新たな世界を作っていくことが予測はされていますが、もとよりメディアマネタイズにおいて「メディア運営者」が自らマネタイズしていくことも必要ではないでしょうか?メディア運営者がセールスすることが出来うる純広告や記事広告はあまり手を付けず、広告代理店にセールスしてもらうなど、収益は「プログラマティック広告」を中心に考えているウェブメディアが多いのではないでしょうか?

私が考える記事広告の重要性は、メディア運営の健全なマネタイズの中心になる存在と思っております。まずはメディア運営において、マネタイズを中の人だけで安定運用できるような仕組み作りが必要となり、中の人が一番売れないといけない、「記事広告」ともっともっと向き合っていく必要があるのではないかと考えております。

しかしながら、個人的にはマネタイズにおける記事広告に力を入れているメディアが極端に少ないと感じております。


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