雨に貴女 【詩】
灰一色に見えた空に
案外早い雲が過ぎてゆきます
へんに明るいあの空から
落っこちてきた雨が
坂道を転がって波打ちます
人々は皆下向き歩く
だからなのでしょうか
春の夕刻の雨
だからなのでしょうか
この街は驚くほど
水靄と静寂を纏っています
貴女のの2度目の声に
私は淋しかったのです
貴女の初めての涙に
私は嬉しかったのです
この街に雫が落ちている今
貴女は何を想っているのでしょう
その一滴がインクの如く
私に染み込んで
あの時のあの女(ヒト)を
想っているのです
やっぱり
逢いたいです。
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