友人の結婚

#創作大賞2022

先日、ひさしぶりに友人に会いました。

彼は、本当にカッコよく、すらっとしていて、うまーく年齢を重ねている俳優みたいな外見です。そのくせずっと独身で、自由を謳歌するとはこう言うことなんだなって、思わせるような、そんな男です。

そんな男が、私のようないわゆるおっさんと、長い間にわたり友達付き合いしてくれるのは、ともて嬉しくて、彼から連絡があると、そもそもだいたい都合がつくのですが、会食をします。

彼は、私と違って酒を飲みません。
私と会って、メシ食って、他愛のない話をします。

それが今までの普通だったのですが、今回は少しなんか重い雰囲気になっいて、彼には珍しく酒を呑んでいました。

好きな人ができた

飲み終わって、翌日の朝めしを買ってるコンビニでの発言でした。

へえ、そうなんだ、、と返しました。

彼とは長い付き合い、何かを伝えたくて、こんな遠方まで来たのでしょう。

良かったな。自分のことのように嬉しいよ。
俺はもう妻子がいるから、恋ができるなんて、うらやましいよ。

会計しながら、ヤツの顔を見ると、なんとなくの違和感が見て取れました。

そもそも彼は、遊びに来ても全くウチには泊まりません。近くのホテルにします。私の部屋に泊まってもらっても私は全く構わないのですが、付き合って20年ずっとそうなので、気にしてません。

でも、今回は珍しく私の部屋に泊まります。ひさしぶり、というか、初めてだな。一緒に泊まるなんて、部活の合宿以来かなぁ、なんて笑って歩いてると、

お前と同じく、女性と籍を入れる事にしたんだ、
とつぶやきました。

私はなんとか、
おめでとう、と絞り出しました。

そうか、お前も、俺みたいに生きるんだなあ。
悪く無いよ、そのままは。

彼の結婚式は、webでしたが、本当に誇らしい披露宴でした。
おそらく、新婦はヤツをちゃんと理解してくれる、素晴らしい女性なのでしょう。そう願いたい。

どうか末長くお幸せに。
そして、また泊まりに来いよ。待ってるから。

#創作大賞2022