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カスタマーマーケの3大インフラ「支援メディア•テックタッチ•ニュースレター」を1年で立ち上げた話

こんにちは。このnoteは cmkt Advent Calendar2021企画、14日目の投稿です。2020年4月にコンカーに入社し、1年間で3つの情報インフラ「支援メディア」「テックタッチ」「ニュースレター」を立ち上げました。

前任のいない日本初のカスタマーマーケ担当だったので、手探り状態でのスタートでしたが、入社半年後に日本法人の社内賞を個人で受賞・1年後に「支援メディア」のプロジェクトで受賞と、1年で2度もカスタマーマーケの活動を評価いただけるまでに成長しました。



このNoteでは、立ち上げ時に苦労したこと・乗り越えられたターニングポイントを振り返ってみたいと思います。「これからカスタマーマーケティングを立ち上げたい」「今まさに立ち上げ中」のカスタマーマーケターのみなさまに、事例として少しでも参考になれば幸いです。

※なお、それぞれのプロジェクトについて、「具体的にどのように立ち上げたのか?」ノウハウ詳細は、後日別記事として公開予定です。第一弾は『支援サイト』に決定!Twitterでのアンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました!

まずは、こちらの図をご覧ください。各プロジェクトの大まかなロードマップと、カスタマージャーニーならぬ、カスタマーマーケ担当者(私)ジャーニーwをグラフ化してみました。

入社2か月目~半年頃まで、一歩進んで二歩下がる毎日でした…(涙)

入社2か月目から様々な壁に直面し、約半年間、なかなか前に進めない状況で、マイナスなジャーニーをさ迷っていたのがお分かりいただけるでしょうか。。。

ここからは、特に苦労した3つのポイントを振り返ります。

ココが難しい!①『まず、何をやるか?』を決断する

活動の優先順位をつけるため、入社後すぐに、社内外のステークホルダーの方々の現状・課題をヒアリングしました。様々な課題を見つけることができ、施策アイデアもたくさん浮かぶのですが、「実際、何から手を付けるか?」を決断できず、なかなかエンジンをかけられずにました。

そんな私を見かねて、上司が丁寧に説明してくれたのがこちらです。

▷ポイント: 「マーケターの考え方」で中長期的にインパクトの大きい施策を選択

マーケティング部門は会社のエンジン。視座を高めて中長期にインパクトの大きい施策の優先度を高めることで、会社全体の成長に貢献!

カスタマーマーケの担当者として入社したものの、実は、マーケティング部門で働くのは初めての事。マーケターの考え方を改めて教えて頂き、「これで行ける!」と腹に落ち、全力で取り組むことができました。

例えば、「忙しいカスタマーサクセスマネージャーの業務効率化のために、資料作成を請け負う」というような施策は、リスクが低く、実行すればほぼ確実に成果を得られますが、それを長く続けても得られるリターンはわずかです(ローリスク・ローリターン)。

新しい試みはリスクは高いですが、中長期的に得られる効果は莫大。そして外資系企業の良いところは、本社の活動をローカライズして、限りなく「ローリスク・ハイリターン」に近い活動ができる点です。

この考え方に基づき、本社で活用されていたGainsightのテックタッチオペレーションのローカライズの優先度を高めました。その結果、リアクティブな対応にとどまっていたテックタッチ層にプロアクティブに情報を届けられるようになりました。メールの開封率は通常のメール配信の2倍以上、クリック率は2~5倍と、高いエンゲージメントを誇るインフラとなっています。

ココが難しい!② 『関連部署の合意』を得る

続いて難しかったのが、関連部署の合意を得ることです。マーケティングは他部署との連携が多い部門だと思いますが、その中でもカスタマーマーケティングは特に多くの部門と連携する必要があると感じています。

まず、カスタマーライフサイクルの図をご覧ください。

コンカーのカスタマーライフサイクル概要

顧客(カスタマー)になってから、推奨者(アドボケイト)になるまでの各フェーズはもちろんのこと、クロスセルを提案する場合は、認知・検討といった見込み顧客(プロスペクト)のフェーズも活動領域に入りますよね。

コンカー日本法人では、顧客向けに活動する部門として、カスタマーマーケ以外にも5つの部門が存在します。

カスタマーライフサイクルに応じた各部門の取り組み

カスタマーマーケは、「導入から更新・追加契約までのマスコミュニケーションの仕組みづくりと運用」をメインミッションとしました。

活動を開始して1年半を過ぎた今では、この認識が社内で広まってきましたが、始めた当初は当たり前ですが「カスタマーマーケって何するの?」状態。「ニュースレター」や「支援サイト」のような、各部門の優先課題とのマッチ度が高いものはスムーズに始められましたが、「テックタッチやりましょう!」「ウェルカムキット作りましょう!」といった試みは「あればいいと思うけど、今はちょっと・・・」といった感じで今一つ。各部門ではそれぞれの優先度に基づいて活動プランが定められているので、マッチ度が低いものは、当然ながら、すぐには賛同してくれる方が現れませんでした。

▷ポイント: 自分の「影響の輪」の範囲で小さな成功を作る

そこで目を付けたのが、「誰もやっていないエリア」です。前述の通り、テックタッチ層のお客様の『定着』以降のフェーズは、プロアクティブな活動をする担当者が不在でした。そこで本社の担当者から独自に情報を集め、『ここだけは外せない』と思われるタッチポイントを選定、微調整を繰り返して、カスタマーライフサイクルに合わせて自動でメールが届く仕組みの運用を開始しました。結果は前述の通りです。

※後日、ミドルタッチ・ハイタッチ層でも、Gainightを使った自動メール配信をしたいというリクエストを頂き、共同作業の末、無事に運用開始できました。小さな成功が重なって、大きな成功への道筋が浮かんできています。

ココが難しい!③外資系企業で『ローカル独自のサイトを構築・運用』する

「テックタッチ」では本社のノウハウを活かして短期間で立ち上げることに成功した一方で、「支援サイト」は外資系ならではの壁に直面しました。

本社が提供する顧客向けサイトでは日本のお客様のニーズを満たすことができず、サイト構築・運用フローを独自で探す事になったのです。ですが外資系企業で新しいプラットフォームの承認を得るのは容易ではありません。「本社承認を得ている情報プラットフォームのうち、顧客向けに展開可能なものはどれか?」と探し回り、要件を満たす2つのプラットフォームが案として浮上しました。

当初のβ版では、社内ツールとして展開しているプラットフォームをお客様向けにカスタマイズして提供することにしました。しかしテスト中に一部のお客様の要望に応えられないことが分かり、もう残り一つのプラットフォームしかありません。

「どこかの国で実績はあるのか?」「日本で展開するにあたってどのように運用するのか?」「どんなリスクが考えられるのか?」等など、様々な角度から検討を重ねました。

▷ポイント: 全関係者が「一丸」となる

実はこの支援サイトの立ち上げは、総勢50名近くのメンバーが関わる一大プロジェクトです(社員数300名程度なので、15%以上の社員が協力してくれている計算!)

β版が使えないとわかってから、新プラットフォームで再立ち上げするまでの総力戦たるや、すさまじいものがありました。

『なんとかいけそうだ(というかもうこれしかない)』と分かったものの、プロジェクトオーナーを引き継いだ私はド素人。※フォルダ作ってファイル入れるアレでしょ…?くらいの認識しかありませんでした(恥)
そこで社内で詳しいと噂の方にダメ元で相談したところ、快く「自分ごと」として数々の助言を頂き、追って正式にプロジェクトにジョインいただき、立ち上げの道筋を一緒に作ってくださいました。

他にも、グローバルで唯一、そのプラットフォームのサイトを顧客向けに提供しているという情報を入手し、お手本にするべく権限をゲットしてくださったメンバー。

予算の関係でわずか1ヶ月という短期間でコンテンツ移行・配置を成し遂げてくれた全プロジェクトメンバー。

数えればキリがありません。支援サイトを立ち上げられたのは、「働きがいのある会社」で1位を獲得し続ける背景にある「企業カルチャー」のおかげ、といっても過言ではないでしょう。

先日開催された、山田ひさのりさんのSaaS集中講座内でのアンケートにて、「支援サイトを運営している」企業の割合がかなり低かったのが印象的でした。支援サイトは強力なツールですが、振り返ってみて思うのは、やはり立ち上げには相当のリソースとモチベーションが必要です。

終わりに|これからカスタマーマーケに取り組む方・立ち上げ中の方へ

以上が、一年間で3つのインフラを立ち上げるにあたり、苦労した点と乗り越えられたポイントです。

カスタマーマーケティングというワードの認知度が高まり、担当者も増えてきた今日このごろですが、まだまだ『社内で一人だけ』『他の業務と兼務している』という方も多いのではないでしょうか。「なかなか大変さをわかってもらえない」「他部門からの協力が得られない」とお悩みの方、もしよろしければ「こんなに大変・ここが大変!」を伝えるお手伝いをしますので、お気軽にTwitter DMなどでお声がけください!

この記事を読んで、「全社員一丸となって働ける環境いいな・・・!」と思ってくださった方は、ぜひこちらを御覧ください。ほぼ全部門で絶賛採用中です!

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。明日以降のアドベントカレンダーもどうぞお楽しみに!

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