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一国一城の主(あるじ)として

司馬遼太郎の歴史小説が好きです。今読んでいるのは、織田信長、羽柴(豊臣)秀吉を戦略面で支えた黒田官兵衛の活躍を描いた「播磨灘物語」ですが、その中には教科書には出てこない城主がたくさん出てきます。領地や城の大小に関わらず、それぞれは一国一城の主(あるじ)です。その一人一人にさまざまの個性があって、大変面白く、勉強になります。

僕は幼少の頃から実業家の長男として育てられました。創立記念日に合わせて生まれてきたような男です。会社に入ってからも、教育役のような社員がいて、彼らにさまざまのことを教えられました。

一番印象に残っていることは、取引先がどんなに大きい会社であろうが、自分たちの仕事に誇りを持って、堂々としなければならない、社長は「一国一城の主」だということを忘れていけないという教えでした。

また、会社の歴史は全部バランスシートに記録されていくということも教わりました。売り上げや損益といった業績は色々に脚色できても、バランスシートには真実が記録されていくのです。バランスシートはその会社の歴史であり、その経営者がどんな経営をしてきたのかを如実に語ります。

今僕は、このヒロボー株式会社という「城」の3代目の城主として、日々の経営に奮闘しています。一番思うことは、次の世代に渡すバトンを、恥のないようなものにしていかなければならないということです。

それは社風であったり、バランスシートであったりします。社風は人ですから、どんな人を採用し、どう育てるのかが大切です。またバランスシートについては、常にキャッシュフローを意識した経営に徹し、甘えを許さない体質を植え付けることを常に意識してきました。

4代目に自信を持ってバトンを渡せる日が来るように、これからも工夫と努力を重ねていきたいと思います。

(写真は今年春に撮影した福山城)

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