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20240606 梅雨の祭としての山笠・祇園祭

 博多祇園山笠が終わると博多では梅雨が明け夏になるといわれています。これはもう本当に肌感覚で実感できて、追い山終えて一眠りして起きて出勤するときに「あ、蝉が鳴いている。夏だ。」みたいに思うことは多かったなあと。実際には蝉はもっと早く鳴き始めていて、ただそれに意識が行っていないだけなのですが。
 では、「梅雨」をメインテーマとした祭ってあるのかなあと思ってCiNiiで「梅雨 祭」で検索してみるとでてきたのはたった11件。

【書誌情報】
永山 憲・峯岸 功 1999 梅雨空と梅雨明けの航空祭 防府北基地・松島基地・横田基地. 航空情報, 669, 90 – 95.

 上のものも梅雨の時期に開催される航空祭についての記述のようで全く関係なく、基本的に梅雨に関する祭というのは存在しないようでした。

 確かに梅雨の時期は農村部では米作りや治水などで一番忙しい時期でしょうから、そんな時期に祭などできるはずないのが確かだろうなあと。
 でも、都市部であれば梅雨の時期は雨が降れば人の出が少なくなって商売の売り上げなどが落ちて寂しい時期であり、繁忙期の農村部と対照的に閑散期といえるのかもしれないなあと。

 それを思えば、博多祇園山笠や京都の祇園祭などの都市型の祭が六月に準備をじっくりかけて行って7月に実施するのは「梅雨で商売が停滞するのを祭の準備に充てる」目的や、「梅雨の時期に忙しくしている農村部をみて自分たちも打ち込めるものを都市の人たちが欲しがって、それが祭の準備となった」という説も考えられると思うのですがどうなのかなあと。
 クリスマスが長い冬を乗り切るために生まれてきて、そのため結構長い期間かけて準備する祭になったと聞いた記憶がありますが、都市部の商人が長い梅雨を乗り切るために祇園系の祭が生まれたのであり、ある意味梅雨の祭りとして祇園祭をとらえることもできるのではないかな~と。

 このあたり民俗学の人とかに話したらタコ殴りされそうですが、意外と可能性あるのでは…なんて。

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