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【実践例③】スピーキング教材〜協働を通じて生徒の「質問力」、「やりとりの力」を高めさせる工夫。

こんにちは。まつぼーです。

今回は以前紹介した方法(上のリンク参照)を使って、実際に僕が授業で行ったことを紹介します。

クラス:40名
学校種:高校
科 目:コミュニケーション英語Ⅲ

補足

AIの時代には質問を作る力が非常に大切になってくると僕は考えているので、生徒には日頃より「質問が作れる」ことの大切さを伝えています。

質問力の大切さは、脳科学者の茂木健一郎氏もこちらの本で述べています。

「今、時代は大きく変わろうとしています。質問力はこれからますます、変化し、進化し、人間の生き方を支えていくものになるでしょう。」(『最高の結果を引き出す質問力』より)

「質問力」を高めさせる実践例


さて、今回やったことをざっくりと説明すると、トピックである「HEALTH」に関して質問を自分たちで考えさせ共有。それらの質問を使って3人で会話を行うというものです。

実際に僕が行った手順


手順① Topic 導入 「HEALTH」
(初めにデカデカと黒板に書きました)
教師:Today, let's practice English using this topic 'health'."

手順② それに関することをペアで1分程度Brainstorming[協働]
教師:"What topic has a connection with 'health'?" 
(例として「sleep」を提示) 

手順③ クラスで共有。生徒から出てきたものを板書
(今回は、私が例で出した「sleep」の他にfood, sports, exercise, mental, relaxなどの語が出てきました。)

手順④ 今度は、出てきた語に関してHEALTHにつながる質問をペアでBrainstorming[協働]
教師:”What kind of questions can we make? For example, How long do you sleep?” 
(全員起立させて、2つ考えたら着席というルールで1分くらいで全員座りました。)

手順⑤ クラスで共有。生徒から出てきたものを板書

実際に生徒から挙がってきた質問(黄色)
(僕の字が汚くてすみません!)

質問『health』

見えづらい方はこちらで確認できます。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓

- When do you feel relaxed?
- How many times do you eat a day?
- How long/often do you exercise?
- Do you know any good sport for health?
- Is your mental healthy? 
- What are good points of exercise?

最後の2つの質問なんかは中々考えさせらる質問でレベルが高いですね!
少ない準備時間だっただけに少し感心しました。

手順⑥ いざ会話へ!(2min 30 sec × 2 セット)

今回はペアではなく、3人でトライアングル会話。

ポイント:話題はポンポン変えずに、実際の会話のように、できるだけFollow-up Questionsで関連性を持たせるように意識させることが大切です。

「3人で会話」と 「2人で会話」どっちがいいの?


●「3人」のメリット●

・3人でやると両者に目線を配ったり、話せない生徒に質問を振ったりとペアの時には養えない「気配り」「譲渡」などの「社会性」を会話を通じて高めることができる!
・多くの人の意見を聞くことができる。(1回で2人。3回で6人)
・話を聞いてくれる人が増えるので、発言の価値が高まる。
・話すことが苦手でも会話が上手い人のスキルを学ぶことができる。
・実際の社会に出たときにグループで会話をする機会も多いので実践的
など。

●「3人」のデメリット●
・同じ時間内であれば、自分が話す時間も単純計算で3等分になるので、話す機会が減る。
・話し手が増えるので積極性がない人にとっては中々話しづらい。
・ペアの方がテンポが上げやすい。
・ペアの方がパートナーの変更がしやすい。
など。

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簡単ではありますが、今回は”health”というトピックで生徒に質問を考えてもらい、それについてお互いに質問をしあう実践例を紹介しました。

AIの時代に学校現場では一斉授業から、PBL(課題解決学習)や自律型の探究学習など、児童生徒の主体性と対話を重視した「新しい学び方」への移行が急務であると言われています。

与えられた「問い」に答える力ではなく、自ら「問う力」を対話を通じて協働する中で生徒に育めていければと考えます。

ぜひ、こちらの記事を読んでいただいて英語教育に携わる先生方の参考に少しでもヒントになれば幸いです。

最後までご覧になっていただきありがとうございました。

まつぼー

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