スモーキングモンキー・昭和玩具Vol.1
TwitterなどSNSで今でも使われている省略語の「W/」、60年代に流行ったおもちゃ。
スモーキングモンキーと言って、現在この商品を懐かしく思い浮かべる人がどれだけいるのか。PAT(特許品)なので、「特許情報プラットホーム」を閲覧するも「特許465031」は出てくるが、電子化もされずに表示なし。
ますます、その仕組みが未知の世界に引き込まれてしまう。
1960年代、昭和のおもちゃなのでその当時を垣間見る。日本国内の喫煙率と言えば相当なもので違和感もなく、このおもちゃを受け入れていたはずです。
不思議な煙、日本製なのに英語だけのパッケージ
この商品の不思議な「煙」の出かた以上に「どうして?」と思われるところがシートの貼られたパッケージにあるのです。MADE IN JAPANをうたい、日本国内でも発売されていたのですが、いつからかすべて英語表記になっています。
90年代の後半には、アメ雑系の店にポツポツを置かれていたのを見ました。それは、雑貨扱いになり身近に手に入るようになります。こちらはルートとしては輸入問屋からの経由でしたが、昔のおもちゃを扱っているような小売店は、ちゃんと日本国内での在庫から仕入れして販売していたのを覚えています。
そのルートの違いは、単純に価格にも現れていて海外用から来る物は、280円~380円(税抜)などの正札になっていたのですが、国内ルートと言えば100円おもちゃのカテゴリーとして扱われていました。
もちろん、この手の「おもちゃ(※)」は、上代という物がなく価格設定は自由でした。
※ このような駄菓子屋に並ぶおもちゃの事を問屋さんの通称は「ザツガン」と言っています。
当時は、駄菓子に対する言葉として「ダガング(駄玩具)」という言う人が増えましたが、老舗の玩具問屋では、嫌悪感を持っていた印象でした。ーダメな玩具ではないですよ、と言う気持ちのあらわれだったはずです。
今回最初にこの懐かし玩具を持ってきたのは、ザツガンと言われながらも「特許」を取って販売され、遠く日本を離れてアメリカでもヒットしたおもちゃだからです。
けっして「駄玩具(ダガング)」なんて言葉は似合わないはずです。
かつて、駄菓子屋におかれていた60年代(昭和)のおもちゃには、とても科学的な仕組みを有していたものがたくさんあります。それは、当時子供だった私の「脳」を刺激するのには充分な物たちでした。
この煙の原理を探る訳ではないけれど・・・
この特殊なタバコに火をつけ観察すると、紙巻きの部分よりも内部が少しだけ早く燃えていくのがわかります。
火をつけた瞬間は燃えているだけで、パッケージに描かれている「穴の空いた輪」ができないのですが、徐々に特有の輪ができてきます。
紙巻き部分が残っていくので、根詰まりを起こしたようになるとリング状の煙が出にくくなってしまします。
このような、子供達が精一杯貯めた駄賃で買える「おもちゃ」は、視点を変えれば「科学」の要素が満杯なのに、大人にすると安物と片付けられてしまします。
昭和の懐かし玩具には、そのようなギミックを持ったモノが溢れていました。
また、不燃性のシートを敷いていますが、現代では、マッチで点火とかガスライターで点火とか子供の身近にないものですし、「火遊び」としてなかなか受け入れられないおもちゃになっています。
W/ Cigarettes は、with Cigarettesの意!?
最近、英語圏のSNSを見ると略語が多く使われています。日本の若い人のTwitterなどのタイムラインの中には、意味不明の略式言葉が多くあります。文字を少なくし、解読のスピード感は圧倒されてついて行けないこともほとんどです。
そんな略語の世界がこの1960年代に使われていたとは、今まで気づかなかった事です。
この時代の背景として、1$(ドル)=100¢(セント)ですが、今の常識的には、100円以下と推測されます。しかし、60年代と言えば日本の対ドルと言えば、1$=360円。
えっと思われるかも知れませんが、それだけ日本円は安かったとも言えるので、どの程度の価値観となっていたのかにも興味津々です。
その価値、1$を100円前後まで高めたのは、先人達の知恵と勤労を通して経済支えてきたことに他なりません。
そして、かつて小さなパッケージゆえに使われていた?「W/」の省略形は、個人のSNSの発信力が高まるほど、情報をスピーディにより短く伝えようと現在でも生き続けているのは皮肉な懐かしさです。
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