【実話】 祖母のささやき
私が小学生の頃、父が野球の練習中に右手の中指を骨折した。それが治って間もなく、こんどは仕事中に狭心症で倒れて入院してしまった。当時中学生だった兄が耳が痛いと言い出したのはその頃からだ。学校で授業を受けるのもままならないくらい痛いと言う。担任から医者へ行くようにと家へ連絡があった。耳鼻科で診察を受けたが原因がわからない。そこで再び、母は以前霊視をして貰ったあの寺院へ行ったのだった。
母が尼僧に話したのは兄の事だけだったが、母を見るなり尼僧は言った。
「あんたのご主人ケガしたで