においの解明。世界に、人類に、大きなインパクトとギフトを残す挑戦。におい×AIで、目指すは“においの民主化”。幼少期編。

はじめに

なぜ「におい」に興味を持ったのか、そしてそれを研究や事業を始めたのかというと、正直自分でも明確にはわからない。

幼少期から私が考えてる世界は、あまりにも途方のない世界ですが、後世に大きなギフトを残せるものだと思っています。そして今でもそれを強く信じ、日々の活力となっている。

幼少期

私の父は子供の頃毎日夜遅くまで帰ってこない人だった。とにかく父に褒めて欲しくて、スターウォーズの飛行船などをレゴブロックで作り、深夜まで玄関の前で父の帰りを待っていた。

私の生まれは福岡県北九州市で、八幡製鉄所があった場所だった。近くの科学館（北九州市児童文化科学館）では、ロボット作り教室が開かれていた。

その頃レゴブロックどうすれば動く様になるのかいつも考えていたから、すぐそのロボット教室に通うことにした。その時はロボットがなんなのかわからなかったため、レゴを1秒ずつ動かして映画を作るソフトを買ってもらい、レゴムービーメーカーとかで作ってた記憶がある。

そして小学校低学年ではキットでプログラミングをし、ロボットを作ったりしていましたが、それではロボカップという競技で勝てず、一からロボットを作ることにした科学館で活躍しているロボット作りの人たちを参考に。そうすると、みるみるロボカップで勝てるようになっていき、福岡市で開催されている、九州地区のロボット大会に出場することができた。

その後中学1年の時に、ロボスクエアと呼ばれる九州大会に出場し、全国大会への切符を手に入れることができた。九州大会出場はうれしいことばかりではなく、プログラムの盗作をされたり、残念なことも同時に起こったが、

うれしいことはトントン拍子で進み、全国大会で優勝した私は世界への挑戦権を手に入れる事に成功した。

ロボカップ世界大会出場

ロボカップ世界大会は、2050年までにサッカーのW杯優勝国にロボットのチームで勝つというのが大前提で開催されている。そのためサッカーという競技を通してロボットで対戦する。実際のW杯やサッカー大会が開催されている国の地域でロボカップも開催されており、私が参加したポルトガルのロボカップは、当時UEFAのEUROカップと紐づけられて開催されていた。

ロボカップのルールは、サッカーと同じように前後半の戦い。私たちのチームは驚くほど順調に、しかも圧倒的な強さで決勝まで勝ち進んだ。決勝戦、チームは後半終了間際までに6-0と圧勝。私たちも、そして観客たちも誰もが優勝を確信していた。しかし、どうしてだろうか、終了の笛が全く鳴らなかった。鳴らないまま試合は何事もないかのように進み、10分以上オーバーしていた。時間が伸びるとともに、得点も入っていった。そして終了時間を10分もオーバーし、やっと試合終了のホイッスルが会場に鳴り響いた。

と、同時に私たちの負けが決まった瞬間だった。そう、私たちのロボットは突然制御ができなくなり、オウンゴールを連発していた。

結果は2位。

決勝戦の6-7というスコアは衝撃すぎて一生忘れることはないと思う。放心状態だった。試合後、テレビ局に取材されて「次は１位を目指します」的な薄っぺらい意気込みを話すことしかできないくらいにショックだった。

ロボカップ世界大会終了後の周囲の変化

私はこのなんとも拭いきれない思いのある大会を後にし、帰国。そこで待ち受けていたのは周囲の変化だった。私は全く勉学に励むこともなく、ひたすらロボットを作っていたため、学校の先生からはしばしば怒られてたが、ロボット作りを勧められるようになった。それからは、ますますロボット作りに熱中したが、そのせいで希望の高校に行けなかった。きちんと勉強もしておくべきだったといまだに少し後悔している。