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アパレル産業の真実を。(バングラディッシュ)

私たちが、毎日来ている洋服。ブランドやビジネスと密接に関係しているこのおしゃれな洋服たちが、SDGsと全く真逆のビジネス構造で、世界の環境を破壊し、後進国で様々な問題を生んでいることをみなさまはご存知だろうか?

●バングラディッシュで起きていること

例えば「アジアの最貧国」と呼ばれているバングラディッシュ。主要な産業は衣料品や縫製品産業、農業。経済成長率や2018年の段階で7.86%と高く経済成長は著しいが、その影で河や海、森などの自然の環境問題が様々に発生している。

実はこのバングラディッシュで製造されている衣料品は、主にヨーロッパ・アメリカ・日本のアパレルブランドへOEMとして提供されており人件費の安さから繊維工場が一時期乱立した。

経済的には恩恵があるかもしれないが、実際、その労働環境は過酷を極め現在でも健康に害を犯す可能性が高い状態だ。

この動画を見て、私たちは来ている衣服やバック、革製品がこのような環境で作られているという認識を持てるだろうか。実際のブランド企業はこうした素材をOEMメーカーから原材料として購入しているので直接的にこの状態を作り上げているわけではないが、こうした事業ももちろん知っている。

利益・価格と優先する商品開発ビジネスの結果、業界として発展途上国で作り上げたシステムを目をつぶりながら運営している状態だ。


●バングラディッシュのジェンダー差別

バングラディッシュでは歴史的あるいは社会的に規定された女性の役割への意識が残っており、これが女性の雇用機会や就学などを阻害する原因となっているのです。昔の日本のように女性が就業してビジネスで活躍することは期待されておらず、大学への進学率が圧倒的に低いのです。
さらに、差別的な家族法がそのままとなっており、多くの女性が結婚後に別居または離婚をし、その後職に就けないことから貧困に追い込まれることが多いのです。

そのため、貧困を恐れる女性は結婚生活の中で暴力などを受けても逃げられない現状を生んでいます。


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●児童労働も大きな問題に。

貧困の状況から児童労働もあとを絶ちません。現在は経済成長により、貧困率は改善しているものの貧困層がいなくなったわけではなく、今も多くの子どもが働かなければ家計が苦しい家庭が存在します。

これは国の未発達な教育政策も影響しており、子どもたちは教育を受ける機会を失い貧困の連鎖が続く結果となってしまっているのです。

これを助長しているのも繊維産業です。彼らの集めたゴミや薬品を現在料に衣服が作られている現実があるのです。


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●先進国が享受している豊かさを考える。

洋服や食べ物、自動車や家電、私たちが普段何気なく使用しているものもこうした発展途上国の環境や貧困によって成り立っているものも少なくありません。このバングラディシュの繊維産業に関しては、少なくともSDGs 1・5・9・12に該当しており精密にいうともっと多くの環境問題などにも該当しています。

先般、こうしたSDGsの問題に取り込む先進国の企業は増えつつありますが、1980年代から2000年に出来上がったこうしたシステムと、発展途上国の複雑な問題を解決するには相当の時間がかかるでしょう。

今回は繊維産業、バングラディッシュに焦点を当てましたが、生活者・消費者としてこうした産業で成り立っているメーカーのものを買わないことがもっと重要です。また、持続可能な生産ではないOEMメーカーと、実際の販売を行うブランドがそうした発展途上国に何らかの還元を行うことも今後、必要です。

それで洋服の値段が上がっても彼らのブランドに支持する層は「RUSH(ラッシュ)」のように増えていくでしょう。


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