SNSを営業に活用する人が見落としがちなこと
私はFacebookやX、noteに実名で投稿しているもので、しばしば見ず知らずの方から「○○で拝見していました」と仰っていただくことがたまにあります。
実名でオープンにやっている以上、知られるのは当然の話ですし、何ならそうやって自己開示することの目的の一つが「知らない人に前もって私の人となりを知ってもらう」という、口下手な私の処世術の一つなので、目を通していただけることはむしろ良いことなのですが。
たまに営業電話で「事前にnoteやXを拝見しまして、是非松尾様のお役に立てるものと・・・」と来る場合があります。コレは絶対に今すぐやめた方が良い、という話を今日はします。
なぜならシンプルに不快だから
長い前振りをしましたが、たった一つのシンプルな理由は「不快だから」です。
自分で情報を公開しておいて何を、と思われるかも知れませんが、面識のない相手に「貴方のことはよく知っていますよ」ヅラされても良い気分はしません。
誰しもそうだと思いますが、SNSに書く内容は自分の主義主張の全てを表わしているわけではなく、その時々の文脈によって加工・抽出されたものです。加えて拙筆な人は主張を確実に文字化できているとも限らない(私もそうです)。
そういう状況において「電話する前に貴方のことを調べましたよ」という事実だけ告げられ知ったかぶりされても「あぁ、コイツはそういう打算をもって近づいてきたのだなぁ」と不快に感じます。
営業電話で目指すべきこと
ここからは蛇足ですが、営業電話で不快感を与える代わりに何を目指すべきかという話をします。
「営業の4つの不」と言うものがあります。営業が商談で顧客に対し真っ先に取り除かなければならない「不信・不要・不適・不急」のことです。
不要・不適・不急に関しては「それを切り崩して相手にものを売る」のが営業の仕事と言えますので、いわば営業の醍醐味とも言えるでしょう。
問題は「不信」です。
長年付き合いのあるお客様ならまだしも、ロクに面識のない人に信用を抱かせるのは簡単なことではありません。そのためには清潔感や誠実感はマストとして、相手に堂々と説明するなど安心感を与えるなどの工夫が必要でしょう。
ここで先ほどのSNSの話です。相手の不信を取り除かないといけないのに、初手から「SNSで見かけて貴方のことよく知ってますよ!」的にすり寄られたらより相手との心理的距離は離れるのではないでしょうか。
そういった観点からも、営業にSNS情報を安易に使うのは悪手です。
大事なのは共感を抱かせること
ではSNS情報を営業に使ってはいけないのかというと、私は使い方次第では有効だし便利に使うべきだと考えます。
うまく活用するとすれば、相手に共感を抱かせ、「不信」を取り除く手段に替えれば良いのではと思います。
先ほどの「SNS見ました」も、ただ事前調査した事実を言うのでなく、「〇〇の記事を読みました。私も学生時代に〇〇をやっていまして、特に〇〇の〇〇が〇〇で懐かしくなりましたよ」等、相手との共通項を見つけ出しアイスブレイクの手段として使うのなら、「ちゃんと記事を読んでるなコイツ」とプラスに転じる可能性もあります。
冒頭で「いや、俺はSNS活用して営業成功させてるが?」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、そんな方は無意識のうちにそういった手段をとれているのかもしれません。
今回は以上です。
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