スライド1

Queen の "All Dead, All Dead" を聴きながら

Queen の "All Dead, All Dead" を聴きながら|#日記

猫ちゃんのためのレクイエムなのです。
猫ちゃんスケールで聴くと、とても壮大で荘厳な歌曲になっています。

こんな壮大なスケールのレクイエムが、飼い主によって作曲されて、飼い主のバンドのフルメンバーで、猫ちゃんのお葬式に演奏され歌い上げられたら、きっと、猫ちゃんも幸せに弔われ、天国へと昇天していくことでしょう。

美しい和音と旋律のピアノ演奏にのって歌いあげられる歌詞が、哀切に満ちた美しい詩(poem)になっていて、切なく、涙がこぼれます。

Queen – News Of The World – 40th Anniversary Edition のリリースに合わせて特別に制作された 'All Dead, All Dead lyric video (YouTube Queen Official )が YouTube に、Oct 27 ,2017 にアップロードされていて、フレディ・マーキュリーのヴォーカルと、途中のコーラスが美しいです。

全体的に美しい音楽なのですが、特にドキッとするのが、冒頭のピアノの和音です。

「あれ?これ、どこかで聞いたことが…。」と、そこから過去の記憶をたどる心の旅が始まると、

"Memories, memories
How long can you stay
To haunt my days"

って、フレディが少し震える歌声で、ピアノのメロディにそっと身を寄せるように歌いだすんです。イントロを。

美しい。。

Queen - All Dead, All Dead Lyric Video (Hybrid Version) 

https://youtu.be/fxQHi1QXboo via @YouTube

Queen の "News of the world" のオリジナルトラックから制作された All Dead All Dead (Album Version) [Official Lyric Video] では、ブライアン・メイが、ヴォーカルを務めています。

歌詞を聴き比べると、最初の歌詞が少し違います。

フレディ・マーキュリーがヴォーカルの Hybrid Version では、

'Twas not for talk of loving
'Twas not for talk at all

So much ado about nothing
Would be her only call

と歌うところを、オリジナルトラックの、ブライアン・メイがヴォーカルの Album Version では、

"

She came without a farthing
A babe without a name

So much ado about nothing
Is what she'd try to say

と歌っています。

ちなみに、歌詞の中でキーワードのように使われる"Much Ado About Nothing" は、シェークスピア喜劇のタイトルからの引用ですね。

まるで文学青年の詩のようで、それが、ロックンロールテイストで歌曲になっているので、おしゃれ。洗練されています。

推察するに、猫ちゃんと飼い主は、シェークスピア喜劇の、クローディオとその恋人ヒーロー、もしくは、ベネディックとベアトリスのような関係だったんですね。

(どんな、関係だったんだー( ^ω^)・・・。)

後半、コーラスが入るのですが、そこも聴きどころ(泣きどころ)です。

"Take me back again"

のハモリが切ない。

そこから、怒涛のハモリが続きます。

「泣くぅ~。くぅ~。…くぅ~。」

もう、顔中涙だらけになって聴いてます。

美しい。。

Queen - All Dead, All Dead - At Last, the Video!

https://youtu.be/l_6AC2u0E4E via @YouTube

冷静に読むと、論理的には「ええっ~⁉」ってなるロジックの飛びと、「いやぁー、それは、どうだろー。」っていう合理化と現実逃避が散見される歌詞の展開なのですが、それも、愛する猫ちゃんを失った激しい悲しみの深さゆえなのだろうと納得させられる、そんな痛切で耽美的な、そして、清らかな愛と信仰に満ちたレクイエムになっています。

ペットロスの天才作曲家が、自分の猫ちゃんのためにレクイエムを書いて、それを、天才的ロックバンドがヴォーカルと共に「本気で」演奏しているという、そういう歌曲です。

美しい。。

1971年にライブを開始してまだ7年目のロックバンドが、彼らの "News Of The World" というアルバムにのせた美しい歌曲。

40年以上前の 1977 年の曲です。

News of the World (Coll) (Reis) (Ogv) [12 inch Analog] Hollywood
via  @amazonJP

まだ、聴いたことがない人たちもいるに違いない。

ちなみに、私は、最近、初めてこの曲を聴きました。中学生のとき聞いていたら、15歳で英国に移住していたかも。。

感動のおすそ分けです。どうぞっ。(^^)/🍊

追記|

全然話が違うんですが、

わたしが最初に味わった「音楽での挫折」は、幼稚園に通っていた時でした。
その幼稚園は保育時間が終わった後の教室を、色々な習い事の教室に貸していて、友達と幼稚園の庭でいつも遊んでいたのですが、教室の中でやっている習い事が楽しそうに見えたんですよね。

それが、「ヤマハの音楽教室」で、たしか、やっている教室に行って、自分で直談判したんじゃなかったかなー。それで、なんとなく、「ヤマハの音楽教室」に入ってみたんです。が、どうも、しばらくしたら、教室で、ひとり、落ちこぼれてたんですね。

周りの子は、先生の説明や質問にはきはき答えて、どんどん、音楽に詳しくなっていく中、

「わからない・・・(*ノωノ)」

教室の授業についていけなくて落ちこぼれた生徒みたいに、若干、4歳くらいだったのかなー、なって、ト音記号の横にシャープがいくつかついているのを、周りの子はみんな理解しているのに、全然、わからなかったし、いきなり変奏曲を作曲しろと言われても、「無理です💦」。

その後、成長の過程で、音楽に関しては、何度か挫折を味わい続けるのですが、要約すると、音楽的な才能に関して、少なくとも、わたしが通っていた学校のあたりの地域では、ダントツで落ちこぼれていた、そんな私が、音楽について、あれこれ、その場の何となくの当てずっぽうの推測で言っても、信じてもらう必要はないというか、むしろ、信じてはいけない、だったら、公の場所に書かなければいいじゃあないか、というご意見もあるかとは思いますが、なんとなく、思いついたので…。

「Queen の all dead, all dead」って、モティーフに、「Queen の Killer Queen」のブライアン・メイの🎸ソロの部分の旋律をアレンジして使っている、いわば、Killer Queen 変奏曲みたいに聴こえる。

バッハのゴールドベルク変奏曲みたいな。

数年を経て、相当、暗い曲になってますけど。

聴いてみるとわかると思う。


She keeps her Moet et Chandon
In her pretty cabinet
'Let them eat cake' she says 
Just like Marie Antoinette

なんちゃって(^^♪
Cool!!

Queen - Killer Queen (Official Lyric Video)
https://youtu.be/9K-Jmg93Xj8 via @YouTube

Originally released on the 1973 album 'Sheer Heart Attack'


Sheer Heart Attack (Ogv) [12 inch Analog] Hollywood  via @amazonJP

これ以外にも、こんなライブが…

Queen - Killer Queen (Live at Earl's Court, London '77) https://youtu.be/D9PHG6y76ko via @YouTube

若いって、いいっ。

スライド1

まだ語るかって、まだ語りますよー。

Queen のアルバム News Of The World の4番目に収められている All Dead, All Dead は、ブライアン・メイ の作詞作曲で、オリジナルトラックではブライアン・メイがヴォーカルを務めていますが、このアルバムのラストの曲、My Melancholy Blues はフレディ・マーキュリーの作詞作曲で、ピアノもフレディが弾いてヴォーカルでもフレディらしさが光る美しい高音やニュアンスのあるロングトーンを聞かせてくれます。

どちらも喪失感がある、自分は大切な彼女を失ってしまったという内容の歌ですが、それぞれの個性が垣間見られ、興味深いバラードになっています。

My Melancholy Blues|

フレディ、物凄く愚痴を言いたい気分になってる。

もともと社会性が高く、周りの人たちに合わせることを優先する性質の人なんでしょうけれど、あまりに愚痴りたい衝動が激しすぎて、周りを一切気にせずにマイペースに独自路線をいっているところが、歌の詩の内容を単語と構文から解読すると、とっても伝わってきます。

それでも、才能があるので、抑制が取れたなりに自分の一番好きなメロディをピアノで奏でながら、自分のイチバンお気に入りの高音で、美しく透明感のある声だけで、「抑制取れてます」的な、自分のお気に入りだけに取り囲まれたいの感を出しているのが、そのまま、心地いい芸術作品になっている。

抑制が取れてくるくらい愚痴りたくなっているのに、聴衆のことを気にしているのです。聴衆にうっとりしてもらいたい、受けたいと思っている。

天賦の社会性の高いコンピテンシーと天才的な音楽的感覚があると、

愚痴さえも美しい。。ウットリ。

Queen - My Melancholy Blues (Official Lyric Video) 

via @YouTube Queen Official

フレディは、独りお気に入りのメロディと歌をもって、また一つ終わってしまった「パーティー」から立ち去り、自分の殻に引きこもりたがっているのに、(ちなみに、アルバムのラストの曲を録音中の状況ですが。)

最終的には、友にそばに付き添ってもらいたがっている。


So come and get me.
"

そう言われると、ピアノを弾いているフレディの座っている椅子の角にちょこんと座って、彼のひきこもり気味な弾き語りを聴きたくなる。

そりゃそうでしょ。

"
Let me get in that sinking feeling that says my heart is on an all-time low.
"

フレディは、いわゆる「史上最低な気持ち」に撃沈したままの状態にしておいてほしがっている。

フレディがこの My Melancholy Blues を抱えて引きこもっている場所から、「ウチくる?」的なニュアンスで友を誘って終わるところも、フレディらしくてすごく素敵です。

ラストの詩(poem)...

"
I'm causing a mild sensation with this new occupation.
"

マイルドセンセーションの「マイルド」って。。長引かなきゃいいけど。
そして、愚痴を言っている最中なのに、途中から、彼自身の「ひらめき」の中にあるミュージシャンとしてのミューズからの啓示に気づきつつある。

I'm in the news.
I'm just getting used to my new exposure.

一般的な意味では、ロックスターとしては致しかない。
もしかして、抑制が切れかかっているのを、「友が相当気にしてる」と思って意識してる?

Come into my enclosure.

友に対して「彼のひきこもり生活」への参加を促している。

And meet my melancholy blues.

今、個人的に勝手に引きこもり中のフレディが友人に紹介できるのは、

この可愛いお気に入りの「my melancholy blues」だけ。

「いったい、何があったのぉ⤴⁇」

暗い曲なのに、複雑に楽しい仕上がりの不思議なブルース。

ピアノ演奏のメロディに、ロジャー・テイラー のドラムが優しく寄り添う様に演奏してくるところも、いかにもミュージシャンらしい友らしさが伝わってくる。(ちなみにアルバムのラストの曲を録音している状況ですが。)

ブライアン・メイは演奏に加わっていないらしいのですが、フレディは、引きこもっている場所である「自分のところ」に友に来てほしそうに誘っている歌い方になっていて、感性の高さとやさしさに、キュンキュンします。

いつまでも、こんなフレディのままでいてほしいと思ってしまいます。

フレディは、すごく感傷的に愚痴っているのに、詩の構文がしっかり文法通りで、かつ、長いし、いちいち美しい響きで韻を踏みまくってる。
それに、まるでパズルのようにぴったりはまるブルースのメロディと、歌唱力抜群の美しすぎる歌声。

リュクス(luxe)とは、こういう事だ (^^)/

まだ、語っているんですが、

こちらは、

Provided to YouTube by Universal Music Group
My Melancholy Blues (BBC Session / October 28th 1977, Maida Vale 4 Studio) · Queen On Air

ブライアンがギターで参加していて、Jazz quartet そのものになってます。
これでいいのに。まぁ、アルバムの他の曲もいいけれど。

My Melancholy Blues (BBC Session / October 28th 1977, Maida Vale 4 Studio) 

via @YouTube Queen Official

このアルバム News Of The World の曲の構成では、ブライアン・メイとフレディ・マーキュリーの個性は、まるで光と影、白と黒のように、対称的ではあるけれど対立的ではない。

彼らの一連の曲は、鏡像的な相補的な不思議なバランスを見せている。

ブライアン・メイとフレディ・マーキュリーの対称性と不思議なバランスは、日本文学界に例えると、宮沢賢治保坂嘉内との関係、または、高村光太郎智恵子との関係を連想させるんだけど、どーかなー。。。

智恵子抄|
高村光太郎


青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/001168/files/46669_25695.html

人に

いやなんです
あなたのいつてしまふのが――

花よりさきに実のなるやうな
種子たねよりさきに芽の出るやうな
夏から春のすぐ来るやうな
そんな理窟に合はない不自然を
どうかしないでゐて下さい
型のやうな旦那さまと
まるい字をかくそのあなたと
かう考へてさへなぜか私は泣かれます
小鳥のやうに臆病で
大風のやうにわがままな
あなたがお嫁にゆくなんて

いやなんです
あなたのいつてしまふのが――

なぜさうたやすく
さあ何といひませう――まあ言はば
その身を売る気になれるんでせう
あなたはその身を売るんです
一人の世界から
万人の世界へ
そして男に負けて
無意味に負けて
ああ何といふ醜悪事でせう
まるでさう
チシアンの画いた絵が
鶴巻町へ買物に出るのです
私は淋しい かなしい
何といふ気はないけれど
ちやうどあなたの下すつた
あのグロキシニヤの
大きな花の腐つてゆくのを見る様な
私を棄てて腐つてゆくのを見る様な
空を旅してゆく鳥の
ゆくへをぢつとみてゐる様な
浪の砕けるあの悲しい自棄のこころ
はかない 淋しい 焼けつく様な
――それでも恋とはちがひます
サンタマリア
ちがひます ちがひます
何がどうとはもとより知らねど
いやなんです
あなたのいつてしまふのが――
おまけにお嫁にゆくなんて
よその男のこころのままになるなんて

ちょっと解説|

※チシアンの描いた絵とは|

智恵子に対して、高村光太郎が何を見ていたかは何となくわかる。
智恵子を見ていたのではないことは、確かだよね。

高村光太郎の精神世界における偉大な父の存在の大きさとか、同じ、彫刻をその生業にする二世としての意識からくる、単純に言うとエディプスコンプレックスの症候群の特徴なのだけれど、そういうところが、あまりに、典型的に詩の創出の中に表されているから、「面白いな」と思う。

『洗礼者ヨハネの首を持つサロメ』(1515年頃) ドリア・パンフィリ美術館(ローマ) サロメ(ユディトとも)を描いたこの宗教画は、ティツィアーノが発展させたジャンルである理想化された女性の肖像画とされ、ヴェネツィアの高級娼婦をモデルにしているともいわれる。(※出典1)
『ダナエ』(1553年 - 1554年) プラド美術館(マドリード) スペイン王フェリペ2世の依頼で描かれた「ポエジア」とよばれる一連の神話連作画の一つ。ティツィアーノとその工房は『ダナエ』を複数からの依頼に応じて何点か描いた。(※出典1)
『ウルビーノのヴィーナス』(1538年頃) ウフィツィ美術館(フィレンツェ)後世の画家エドゥアール・マネに影響を与え、『オランピア (Olympia, 1863年 オルセー美術館蔵)』ではヴィーナスが売春婦に置き換えられて描かれている。(※出典1)
『懺悔するマグダラのマリア』 1533年頃 ピッティ宮殿(※出典1)
出典1.:ティツィアーノ・ヴェチェッリオ / フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%AA%E3%82%AA

智恵子については、こちら
高村智恵子 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

智恵子の絵 『樟』(1913年)


※閑話休題

____________

あどけない話

智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。

※出典:智恵子抄|高村光太郎

ちょっと解説|

智恵子のほんとの空って、例えば、こんな空のことだと思うんです。
Facebook 山梨県立美術館 から

SNS では「イマソラ」というハッシュタグが流行っていて、空を撮ることが今のトレンドです。

様々な、文字通り色々な、空の写真がタイムラインを流れていきます。空の写真、多すぎますけれど、1秒に数枚の速さで走っていくメディア映像の中、ふと、立ち止まって見てしまう空があるのです。

記憶のアーカイブへと心がブゥーンと呻りながらサーチをかけ始めるから。

どこでもない、その場所にだけ、昔から今の時間まで変わらずに存在する空。本当にその空は、あるんだな、と気づく。そんな一瞬の空。
何気ない写真なのに、不思議。智恵子抄のなかの智恵子の言葉が重なります。

"
智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
"

あとで、よく考えたら、たぶん、日没の間際の太陽光の角度が、ほかの土地のシチュエーションでは、ありえないから、なんだろうなと、わかりました。

この山梨県立美術館の空の写真で、西側にあるのは標高3000m級の南アルプス山脈。目に届く太陽光は地平線に沈む夕陽から届く太陽光の波長ではない。赤の波長ではないのです。

普段見る青空の青の波長でもない。この標高3000m級の南アルプス山脈の後ろに沈んでいく角度で、成層圏を横切った距離で、限定された太陽光線が、太陽を隠す巨大な真っ黒な影となった南アルプス山脈の上の空の雲の水蒸気で反射され、屈折し、そのプリズムによって分光され、様々な純粋な色が映った雲が、さらに風で流れ変形しながら空を雄大に回遊する架空の動物のように天空を舞う。

雲が、その分光されたそれぞれの波長の錦の色を纏っている空。

青と赤の間の、美しい、いくつもの色がオーロラのように目の前で自在に変幻する。

3000m級の山脈があって、その3000m級の山脈という巨大な遮蔽物によって太陽が隠れ、まるで皆既日食のような暗転の中で最後の光線が雲に投影されている。

幼い頃、自分が見た場所と角度でしか見られない夕焼けです。

"
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
"

やや、情緒にかける説明をしてしまいましたけれど、一見の価値があるレアな夕焼け空。

わたしには智恵子の気持ちがわかる。

高村光太郎は、智恵子の見たい空の話を「あどけない話」という。
智恵子の心の奥の、女流画家としての、自己の存在意味の、その時、最も枯渇している、まるで、砂漠の中でさまよいながら飲み水を渇望しているような気持ちを、心の片隅の方で理解しながら、自分の(ミューズへの慟哭のような芸術の達成へのリビドーである)所有欲、もしくは支配欲を優先して、智恵子の必死の「渇望を訴える言葉」を、「あどけない話」として片隅に片づけて置きっぱなしにしてしまう。

高村光太郎に、この状況でそれを求めることには無理があるけれど、彼は、「いきもの係」としてのコンピテンシーを自分の人生の中での優先順位で最も低い位置に置いている。彼は、植物さえも枯れさせてしまうだろう。緑の指を持つ人ではないから。
彼は、江戸時代の仏師の、そして、明治維新以降は帝国大学の教授になった父のもとで生まれ育った。

彼は、心の中で、智恵子の渇望を訴える気持ちの優先順位を下げながら合理化していく。

そして、智恵子は、限界を超えて、次第に壊れていく。

高村光太郎はわかっていて、自分の(ミューズへの慟哭のような芸術へのリビドーである)所有欲、支配欲を優先するんです。彼は、生まれてから死ぬまで、何の疑問もなく、芸術家である自分の存在を肯定しながら最優先したんじゃないかな。明治時代の男であって、芸術エリートだった背景を考慮すれば、そこに罪の深さをみることは、「それは、少し違う。」とは思うけれど。

今だったら、アレですよね。

※閑話休題

____________

このアルバム News Of The World の制作(1977)から8年後の1985年、 Queen は、アフリカの飢餓を救うためのチャリティイベントである Live Aid で伝説の20分間の素晴らしいパフォーマンスを見せ、そのイベントの午後10時過ぎのアンコールで、再び姿を現しました。姿を見せたのは、フレディとブライアンの二人。

フレディの独唱と、ブライアンのアコースティックギターで演奏されたこの曲 Is This The World We Created? は、何と言ったらよいのか、少し大人になった二人の、まだ少年のような純朴さが伝わってくる、素直にきれいな曲でした。作詞作曲は、二人の共作になっています。

フレディが、ここでも、何の葛藤も抑制もなく、ただひたむきに曲を歌いあげていくところに、心が救われます。

神と共にある時が、友が傍らにいてくれる時が、そして、彼が大好きなこの歌を観衆が聴いていてくれるスタジアムの舞台にいて歌っている時が、彼にとってどれほど至福であっただろう。

それをシェアしてくれる Queen というロックスターの天賦のギフトが救いとなる。全ての人への救いとなり、その全ての人への救いになることが、わたしへの救いとなる。

人間には心があって、様々な国の人たちの心に様々な神がいて、その神が地球を取り巻いて人を救う。

フレディは、自然な仕草で、そういうメッセージを世界へと発信できる。彼に与えられたすべての才能をその自然な仕草を示すために全力で使う。

フレディの最高のときを共有できる、そんな舞台。

音楽は神と共にあって、全ての人は神と共に音楽を共有できる。

生物学的な物理的な表面の皮膚に覆われたその形の中だけではなく、その外側にも概念的な自己を持っている彼は、その時、傍らでギターを弾いている友と、自分自身が作詞作曲し友と共作して出来上がった歌と、観客の助けを借りながら、世界の全てが一つに合致して完成した、彼のリビドーが向かう理想の彼自身を、その時の時間芸術の中で確信していた、に違いない。

"
God bless you.
"

母国語じゃないので本でしか読んだことがない言葉だけれど。

Freddie Mercury & Brian May - Is This The World We Created? (Live Aid 1985)

via @YouTube Live Aid

歌のラスト、フレディは、あえてメロディを外して美しく震えるアルトの声で激しく語りかけます。

"
If there's a God up in the sky looking down, what can he think of what we've done?
"

そして、両手のひらのすべての指を空に向かって差し出し高らかに歌い上げます。

"
To the world that He created?
"

感動。カジュアルなファッションですが真っ白な舞台衣装が神々しい。アコースティックギターを膝の上に置いたブライアンも白いシャツで控えめにおそろいの白コーデ。神々しい二人です。

何か、こちらも幸せな晴れやかな、厳かな、神々しい気分になってくる。

ステージから立ち去るとき、彼の "Thank you very much." が、少しハスキーなアルトの声で、デビューして間もないころのフレディの声そのものなんです。彼は、今、最高の自分自身に出会って満足している。
素敵です。

歌詞👇

Google "Is this the world we created lyrics 🔍"

おまけ|

それと、話題が反れているし、誰からも尋ねられているわけでもないですが、ピアノの弾き語りでの Jazz Live 。コレ、おススメです。

Live In Paris Verve

via @amazonJP

Just The Way You Are

@YouTube Diana Krall

Devil May Care (Live)

@YouTube Diana Krall

Fly Me To The Moon (Live)

via @YouTube Diana Krall

ダイアナ・クラールは、女性としては低めのハスキーなアルトの声。個人的には、ジャスト、ど真ん中の、大好きな声のヴォーカルです。
ピアノも迫力がある。観客の興奮が伝わってくるライブ感がたまらない。

どこか、フレディ・マーキュリーのジャズっぽい歌い方のときの雰囲気と似ているんです。フレディよりははるかに力強い歌い方をしているんですが。

思い出したので、おまけで紹介しました。

公式HPに video clip があった。ご紹介。

この声です。この声。

Diana Krall - Don't Dream It's Over (Clip) 

via @YouTube Diana Krall

ニュアンスだけ、フレディと似ているー(*ノωノ)

どんどん主題から離れていきますが、

実は、自分、車のカーオーディオが一時期、ダイアナ・クラールのCDで占められていた(暗ーい)時代があって、音質はCDの音で覚えているから、YouTubeの公式サイト Diana Krall の音質は、「いや、これじゃない。」ってはっきりいうことができるのですが、動画付きで大体の音楽的な空間を把握できるし、note に貼りやすいの。

ので、「思い出の曲」を、いくつか、YouTube 動画で紹介しまーす。

「いや、σ(゚∀゚ )オレ、ダイアナ・クラール、いらねぇー。」ていう方は、

「サヨウナラ!サヨウナラ!」

ということで、あくまで自分を貫く所存ですが、

面白いと思ったら、趣味の合う方にシェアしてくださいねっ。
なお、CDのほうが音質は高くてわかりやすいです。
ぜひ、CDで聴いてください♪

Diana Krall - Look Of Love (Live In Paris)

via @YouTube Eagle Rock

Diana Krall - East Of The Sun (And West Of The Moon)

via @YouTube Diana krall

Diana Krall - The Look Of Love (Official Video) 

via @YouTube Diana krall

Diana Krall - Cry Me A River

via @YouTube Diana krall

Diana Krall - Fly Me To The Moon (Quartet Performances, Las Vegas)

via @YouTube Diana krall

Besame Mucho

via @YouTube Diana krall

このアルバム "The Look Of Love" 2001で、ダイアナ・クラールが座っているのは、建築家「ミース・ファン・デル・ローエ」のバルセロナチェア「バロセロナデイベッド(1928年発表)」の本革ですね。

Temptation

via @YouTube Diana krall
Temptation のイントロのコントラバス、YouTube だとよく聴こえてこないけれど、イントロの最後の最後の低音がすごく渋い。シビレます。。カッコいい。なお、歌詞の途中に、多少、違法薬物っぽいのが出てきますけれど、音楽的なものなのでOK (;´∀`)。現実には、「ダメ、ぜったい!」。

Diana Krall - Just The Way You Are

via @YouTube Diana Krall

A Blossom Fell

via @YouTube Diana Krall

一緒に歌おう(^^♪
Google ( a blossom fell lyrics 🔍)

If I Had You

via @YouTube Diana Krall

一緒に歌おう(^^♪
Google ( diana krall if i had you lyrics 🔍)

Boulevard Of Broken Dreams

via @YouTube  Diana Krall

一緒に歌おう(^^♪
Google ( diana krall Boulevard Of Broken Dreams lyrics 🔍)

All For You (A Dedication To The Nat King Cole Trio)  Play list
https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_l-V4-DuJWM5EJ2KcP3v4jFzgBkBsextro

via @YouTube  Diana Krall 

最後に、@YouTube Diana rall で今おススメされている Video clip から
@YouTube Diana rall

Videos from the duo's 2018 standards covers album. tony bennett diana krall standards lounge jazz 2018

Tony Bennett, Diana Krall - Fascinating Rhythm

via @YouTube Tony Bennett

おじいちゃん、幸せそう。
ダイアナ・クラール、わたしより1歳若いだけなのに、

「若い」。若すぎる。

アタシはね~、フレディ・マーキュリーにねー、こんなハッピーなじいちゃんになってほしかったの。

結論で主題に戻りました。"(-""-)"

今日は、ここまでっってことで。
みんな、色々あるけど、健康第一。

邪魔するやつは、やっつけろ!!

じゃあね。

Diana Krall Live in Paris

Live In Paris Verve https://www.amazon.co.jp/dp/B00006J9OT/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_beqsEb00TJGJV

via @amazonJP

大好きなCDです。買ったのは、30代後半か40代の初めだったかな。

探したら、@YouTube Diana Krall (公式)にアルバムの全て?のコンテンツがありました。びっくり。

ただし、音は、CDのほうが断然いいです。

せっかく見つけたので、YouTube からご紹介。
最近のYouTube ってすごいな。ライブの雰囲気は伝わる。

ライヴ・イン・パリ  Play list
https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lMmnFmnQ3vGxDKq_afHmwhTGbkkzGVPhc

via @YouTube

I Love Being Here With You (Live)

via @YouTube

Let's Fall In Love (Live)

via @YouTube

Deed I Do (Live)

via @YouTube

The Look Of Love (Live)

via @YouTube

East Of The Sun (West Of The Moon)

via @YouTube

Maybe You'll Be There (Live)

via @YouTube

'S Wonderful (Live)

via @YouTube

Fly Me To The Moon (Live)

via @YouTube

A Case Of You (Live)

via @YouTube

Diana Krall - Just The Way You Are

via @YouTube

おわり。

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