物語は誰のものになってゆくんだろう。
一日を終える時、まだ何か大事なことを
し忘れていた気がする。
それはとても大事なことなのに、すこしも
手をつけなかったことのように思えて来て、
その大事なことがなんであったかを、手繰
ろうとするのに、なにかを忘れているという
感覚だけがふくらんでいて、うまく思い出せ
ない。
このぼんやりとした感情に包まれながら、
坂道を上りながら、ふと目にした道路脇に
名前の知らない花を見ていた。
名前を知らないのは私だけかもしれない。
SNSの中でも日常のなかの「物語」という
キー