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小説:短編

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#ほのぼの

【短編】ツチノコ・ライ・ライ・ライスボール

【短編】ツチノコ・ライ・ライ・ライスボール

 明里が、隣町の山にはツチノコがいる、とあからさまな嘘を言い出したのは、ジュニア・テニス・スクールのレッスンを終え、いつもの三人で買い食いしながら帰っているときだった。
「熱でもあんのか」
「光也には言ってない」彼女は冷ややかに俺を睨む。
「ツチノコって?」
 冬樹がきょとんと訊ねると、待ってましたとばかりに明里が得意気に説明した。
「ツチノコっていうのは未確認生物の一種。ヘビが太くなったような形

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