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外国人高度人材の招聘

ご承知のとおり、2050年までには日本の労働人口は約半分になります。あと30年もある、ではなく30年しかありません。仮に労働人口が半分になると現在の富やサービスレベルが半分になることを全国民が享受するか、あるいは非常に大きな貧富の格差を受け入れるかのどちらかしか無いことも皆さんはご承知のとおりだと思います。
岸田総理は以前、外国人留学生を増やすという政策を出しました。私はベトナムを代表する大学にて教師をしておりますが、大賛成です。しかし、その後で、この政策はトーンダウンしている印象があります。

労働人口を増やす、減らさないという意味で打ち出されている、少子高齢化対策はもちろん喫緊の課題であり、重要だと思います。しかし、先進各国の例を見ても、それらの対策によって人材の質は保てる可能性が高いですが、出生率は増えず、移民で補わない限り人口は増えません。その点も多くの研究者や関係官僚ご承知のことと思います。
そうすると、やはり高度な知識を持つ外国人を如何に日本の文化・経済に受け入れて、定着させるかという事を考える必要があります。
日本人の一般的な考え方は保守的であり安定志向、変化を嫌います。ですので「移民」という言葉を使うと票が取れない、だから国会でも真剣に議論が出来ないのではないか、穿った見方かも知れませんが、私にはそう思えます。

現状では、せっかくJICAなども活用して教育事業をベトナムで行なっていても、学生らは既に欧米を向いており、日本に感心を持ってくれてもそれは観光地としてであり、そこに住み、働く対象とは思っていないのが現実です。それはベトナムに限らず、日本がODA援助している様々な国で起きている事だと思います。それどころか、技能研修の名の下に短期労働者として日本に滞在している外国人が待遇の悪さから日本を離れ、他国に移ろうとしています。さらに、日本人で技能を持った若者も、過剰労働と低賃金のため、主に欧米豪などにワーキングホリデーを切っ掛けとして移住するという事態になっています。

私は日本の大学院でもダイバーシティ・マネジメントとイノベーション・マネジメントを教えておりますが、多様化を進めると言うことはイノベーション、つまり経済成長を促す事であると考えます。
その意味でも改めて、如何にして高度人材を海外から呼び寄せるか、定着させるか、住みやすい環境を整えるかを真剣に考えるべきであり、国民的な議論にするべきだろうと思っております。
ぜひ改めて岸田総理には留学生を二倍、三倍、四番にして頂き、卒業後にはそのまま日本企業で採用し、活躍してもらうことで、経済成長のための一つの柱として推進していただきたいと思っています。

その為には、文科省、経産省、外務省、法務省、厚労省などを横串で連携しながら、現状の把握と整理、あるべき姿を描き、国民に問うという活動をして頂きたいと思います。
政治家、超党派で考え、行動する事を期待しています。

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