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認知科学コーチングにおける「現状の外側」の本質は挑戦ではない。

こんにちは。てらだです。
今日は前回の続きです。

前回は、認知科学コーチングにおける『現状の外側』の落とし穴について書きました。

概要としては、クライアントを「現状の外側」の未来へ押し出す際、「挑戦できない理由」に隠されたヒントを汲み取らず、言い訳(ネガティブセルフトーク)としてやみくもに遮断してしまうと、大切なものを見落としたまま未来に進んでしまう危険性について書きました。

今日は、
・認知科学コーチングにおける『現状の外側』とはそもそも何か?
・そして、私たちは何のために「現状の外側」へ挑戦するのか?

について一緒に考えていければと思います。

『現状の外側』の本質は挑戦ではない。

そもそも、現状の外側とは何か?
ここから向き合っていきましょう。

前回のnoteでは『現状の外側』には、こんなイメージがあるじゃないかと書きました。

「とんでもない挑戦」
「今までやったことのない挑戦」
「想像したこともない挑戦」
「ワクワクと恐怖が共存する挑戦」

他にも、

「人生を変えるもの」
「劇的に成果をあげるもの」
「コンフォートゾーンから抜け出すもの」
「力強く突き抜けるもの」

しかし実は、その本質は『挑戦』にある訳ではありません。

問.9
『現状の外側』とは何を意味するのか?

認知科学は脳の情報処理に注目する。

そもそも何を指標として現状か、現状の外側かを判断するのかというと頃から抑えていきましょう。

『認知科学』コーチングにおいて重要な見るべきポイントは、『クライアントの脳内の情報処理』になります。
つまり、クライアントの脳内の情報処理が『現状の外側』になるといういうことです。

問.10
脳内の情報処理が変わるとは、どういうことか?

認知科学の考え方として、人は外部からの何かしらの刺激(入力)があり、それに対して重要性関数(何が大事か優先順位を自動的に作ること)によって、その後の行動(出力)を決めている。


少し聞きなれない話かもしれませんが、クライアントの脳内の情報処理が変わるというのは、クライアントの重要性関数が変わる(重要性の指標が変わる)ということです。

少し噛み砕くと、もともと重要と思っていなかったものが、新たに(or再び)重要と思うようになったもしくはその逆で大事だと思っていたものがどうでも良くなった。という状態です。

認知科学コーチングに関わらず『気付き』が起こったときには、必ず重要性が書き変わっています。


しかし、単なる気付きだと『現状の外側』というパワフルな感じが足りないように感じるかもしれません。

問.11
『現状の外側』というほどの重要性関数(重要性の指標)の変化とは?

『現状の外側』ほどの内面に変化が起こるとは?

改めて、『現状の外側』とはそもそも何か?について整理をします。

上記の内容を整理してまとめると、

『重要性関数(重要性の指標)の変化が、現状の外側へ飛び出すほどである。』

もう少し噛み砕くと『もともと全然想定してなかったほどの、重要に思えるものが新たに見つかり、自分の中の優先順位が書き換わった』

もっとシンプルに言うと、『こんな自分、さっきまでだったら信じられない。』

という状態のことを指します。

問.12
重要性関数(重要性の指標)が大きく変わるとき、どんなことが起こるのか?

『現状の外側』ほどの内面に変化があると、どうなるのか

重要性がガラッと変わるケース(具体例)を書いてみます。

例1)高橋さん(仮名)
コーチングを受けるまでは自分は平凡な人間だと思っていた。でも、コーチングを受ける中で、自分の好きなこと、自分の才能、自分にしかできないことが見つかった。
今までに味わったことの無い感覚だった。さらに、今まで描いたことのなかったような未来まで描けるようになった。

自分の未来への可能性が、初めてこんなにも広がった。それによって、日々自信を持って行動できるようになり、仕事でも大きな成果が出た。

解説:自分のwant,才能,可能性の発見により、「自分なんて価値がない→自分を活かすことができる」という大きな重要性の変化が起きた。


例2)山田さん(仮名)
自分のことが大嫌いだった。自分は昔から人と違っていて、いつも周りに合わせようとしていた。できるだけ普通になろうとしていた。それでも普通になれないことがしんどくて、そんな自分が嫌だった。

でも、コーチングを受ける中で深い気付きがあった。本当は自分はアーティストになりたかったということ。ブレーキを自分でかけていたということ。

幼少期の頃に「人と違うことは良くない」と先生に言われたことによって、自分は違ってはいけないと思い込んでしまっていた。でも、自分はアーティストとして自分だけの表現をしたい。人と違っている自分だからこそ、私はアーティストなのかもしれない。そんな自分を解放してあげた。

それから、自分の表現活動をしていたら、自分の作品に魅力を感じて購入してくれるファンの人が増えて、それだけで生活ができるようになった。私は、この人たちを大切にしたい。もっと、表現活動をしていきたい。

解説:嫌いな自分の原因を受容し、自分を解放したことにより「自分が大嫌い→自分は魅力がある、自分が好き」という大きな重要性の変化が起きた。


例3)水野さん(仮名)
どうしても母親のことを好きになれない。いつも母親と喧嘩になり話にならない。何か新しいことを始めようとしても、いつも母親が頭によぎって、思うように動けない。

でも、コーチングを通してそれは「幻想」だったことに気付いた。私は母親の意見と違うけど、母親のことは自分にっての権威だと思っていた。母親がいうことは絶対守らなければならない。そんな無意識がはたらいていた。
それは、幻想だった。

母親は母親なりに、私が幸せになって欲しいと願って言ってくれてたんだ。その愛情が強すぎて、母親にとっての正解を私にぶつけてくれてたんだということに気が付いた。

「ありがとう、お母さん、私の幸せを願ってくれて。私にとっての幸せは、お母さんとの幸せとはちょっと違うんだ。これが私にとって幸せなんだ。」
そうやって涙ぐみながら母親と話してから関係性は良好になり、母親が私の生きたい人生を応援してくれるようになった。

解説:親の偏った愛情の意図を理解できたことにより「親が嫌い→親に感謝、愛情を感じる」という大きな重要性の変化が起きた。

例4)石田さん(仮名)
自分には正解が大事。学歴は高い方が良い。大手に行って年収が高い方がいい。そうじゃないと劣等感を感じる。だから自分の市場価値を高めないといけない。
そう思って、いつも社会的な指標で優劣でつけている自分に気付かずにただただ消耗し続けていた。

でも、コーチングの中で残酷な事実を知ることになった。それは、自分が他者の評価でどれだけ頑張ったとしても、永遠に自分の望む未来は訪れないということ。今まで頑張ってきた自分ってなんだったんだろう。

しばらく、落ち込んだ。
 
そこから、自分にとっての大切な指標を探し始めた。するとたくさん趣味ができて、自分が本来望む生活になってきた。年収や昇進はそれでも自分にとっては大切な指標だけど、それはあくまでも自分の人生にとって必要な一部だ。

心が軽くなり視野が広がるようになって鋭い意見を言えるようになったことで結果的に社内でどんどん評価されるようになって、年収も無理せずとも上がっていった。気が付いたら、会社の重要人物になっていた。

解説:他者基準からの解放(必要のない重要性が除去)されたことにより「他者基準で自分の人生が決まる→他者基準はあくまでも一つの指標にすぎない」という大きな重要性の変化が起きた。

4名とも、重要性が大きく変化し、それまでの自分では想定できなかった人生になっているように思いませんか?

無理に挑戦せずとも、重要性が大きく変化すれば、人はこれまで想像もしなかった行動をとります。そして、自然と挑戦へ向かいます。

(この段階で、初めて挑戦を後押しすることの効力が発揮されます)

問.13
上記の4人のように、無理せずとも挑戦ってできるの?
挑戦ってそもそも何?

挑戦とは、自分に対する受容と優しさである

挑戦は認知科学コーチングにおける一つのアウトプットの形であり、全てではない。

もっと言うと、挑戦って力強いイメージの言葉だけど、実は根底にあるのは許可と受容。 やりたいことをやって良いんだよって許可を出すこと、今までと違う自分であっていいんだよという受容すること。 力強さの裏側には優しさがある。

ここの重要性を変えないまま無理矢理「挑戦・行動」すると、心をすり減らし続けることになり、『現状の外側』の落とし穴にはまることがあります。

問.14
私たちは『現状の外側』とどう付き合っていけば良いのか?

『現状の外側』は、新しい自分に出会わせてくれるもの

もともと全然想定してなかったほど(現状の外側)の、重要に思えるものが新たに見つかり、それを実際に重要に思い自分の中の優先順位が書き換わったとき、私たちはこう思います。

『こんな自分、さっきまでだったら信じられない。新しい自分発見。』


そう、現状の外側は、

『無理する挑戦ではなく、新しい自分と出会わせてくれれるもの。』


そして、現状の外側へいくということは、『現状の自分の認知(こだわりや固定概念)が大きく変化するということ。

つまり、『自分の重要性の破壊と創造』なのです。

問.15
自分の重要性の破壊と創造をやりすぎると自分が分からなくならないのか?

『現状の外側』と上手く付き合って、で素敵な人生を送ろう。


現状の外側は、『無理する挑戦ではなく、新しい自分と出会わせてくれれるもの。』

だから、無理して破壊と創造を繰り返す必要もない。

「新しい自分と出会いたい」

「そろそろ自分アップデートするか」

「まだ見ぬ未来を見たい」

そう思った時や、

「自分を変えたい」

「今のモヤモヤから抜け出したい」

「人生をここから変えたい」


そう思った時に、


『自分の重要性の破壊と創造』を楽しんで、
『現状の外側』へ旅すればいいんじゃないかな。



では、良い人生を。


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