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置き去り

網膜に朝日を感じて目が覚める。
昨日の記憶はない。
みんなで喋って飲んで、
あれからどうしたっけ。

思い出そうとすると、世界が白くなる。
なのでやめた。思い出したところで、
変わらない世界だ。

マットレスから身を起こし、
サボテンに霧吹く。
「おはよう」と声をかけると、
「いつも水をかけながら挨拶をするけど、タイミングを考えた方がいいよ」と、叱られた。

水をやってるのはこっちなのに、
当たり前だと思って意見をし出したか。

むしゃくしゃしたのでサボテンを捻り潰してやった。

刺が拳に刺さる。
細くて白い刺は、色が黒かったら指毛と見分けがつかないだろう。

血が出た。
「そんなことして。痛いでしょ。」
ハンガーが共感とも相槌ともとれる、なんとも言えない台詞を吐いた。

「殴られる側の気持ちにもなって欲しいよね。」
指から生えたサボテンは言う。

誰もが誰かの立場に立っていたら、
誰が自分の立場に立ってあげるんだよ。

と言い返そうと思ったが、サボテンは正論を盾に自分が正義だと得意げな顔をするので、相手にするだけ無駄だ。
賛成も反対もしなかった。

ハンガーから服をとって、着替える。
「今日はそれ着てくんだ。」
プラスチック製ハンガーは折り畳めて便利。

ペンを起こして、バッグを虐げて、
電球にお疲れ様を告げて、
テレビにおやすみを告げる。
ドアに口を結んでもらい、
スニーカーを引っ掛けて外に出た。
各々が口々に、文句を言ったり、
励ましてきたり、わかったような口を聞いたり、言って欲しい言葉をくれたり、そうだろうなと言ったようなフレーズで終えたり。

どこでもなんでも溢れてる。
でもどいつもこいつも、うるさい。

殴っても消えないし、壊したって残る。
生活の中に溢れてるそいつらを、
黙らす事が出来たら楽だろうか。

衝動的に破壊したくなるし、
一生を共にしたくなるほど愛しい時もある。

敵か味方か。
それすらも分からない。
分かるのは、耳を塞いだって聞こえること。

こいつを味方につけたら楽だろうに。
なかなか味方になりきってくれそうにもない。
だからといって悲観する必要もないけど、
相手にするにはさすがに体力がいる。

外に出ると、巨大化した僕は、
なんの気なしに街を歩く。
その1刺激1刺激、相手にしていられないのに、大きくなったせいで刺激を受ける面積も増える。

つり革の揺れは催眠術か。
それでリアルを刻められれば、
意識がなく立って構わないかもしれない。

楽に、生きる。
のは楽じゃない。

楽に生きるために、
削ぎ落とそう。

象が鳴く。
その振動で、少しは気が紛れた。

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10:15起床。
1限ぶっ飛ばした。
眠い。途中から入れるけどYouTubeみたろ。

なこなこチャンネルなるカップルチャンネルをみた。すごいいい関係。素敵。

2限。日本文学講義2。
読本の歴史。
小説が今の形になるまでの変遷。
今との文学への見方に差があって面白い。

接続実験のお手伝い。
点数が入ってラッキー。
ハロウィンのお菓子を教授がくれるらしい。
なんやろな。楽しみ。

お昼ご飯。食べる。
炊き込みご飯ってだけでテンション上がる。

3限。アジア文学研究。
疲れてほぼ聞いてなかったけど、BTSの発言が問題になることは、問題になることを避けなかった結果にあるのではと思った。

4限からかなり寝た。
爆睡。

17:00起床。
夜のミーティングに向けて資料づくり。
ディベートを勝つための戦略を立てる。

22:30。ミーティング。
勝ちたいけど、まずは善戦をすること。
良いディベートを繰り広げることを念頭におきたい。

20201015
〈食事〉
朝:コーンフレーク
昼:きのこの野菜炒め、炊き込みご飯
おやつ:手作り大学芋
夜:蓮根の肉詰め、納豆

〈エンタメ〉
村上マヨネーズのツッコませて頂きます!
鬼滅の刃 8話
ロンハー 慰安旅行〜都内編〜

頂いたサポートで、ちょっといい生活を送ります。 ハーゲンダッツ買ったりとか、鶏肉を国産にしたりとか。