行列苦手なのに6時起きで1時間並んだ

街中でよく見る行列。
ラーメン店、焼肉店、スイーツ店など
さまざまなところに人は並び、物や体験を手に入れる。

まさに今、私はかなり久々に行列に並んでいる。9時半オープンの店に、8時半から。
私の前には4人。帰省前のお土産を買うためなのか、スーツケースを持つ人もいる。

なんて人気店だ。

私は行列に並ぶくらいなら、空いているところで用事を済ませたいタイプだ。
レジャー施設でも「これに絶対乗りたい！」意志はあまりないから、空いていることが最優先されるくらい。

最近並んだ体験って、スーパーやコンビニのレジくらいしかないな。

テレビでもよく取り上げられている、冷やしみたらしが有名な
赤坂 青野。

だんごなら、みたらしよりもあんこの方が圧倒的に好きな自分が、
しかも早起きが苦手な自分が、
なぜ6時に起きて、8時半から冷やしみたらしを買うために並んでいるのか。

「みたらしだんごは？」

今から3カ月ほど前のGW、帰省した時に実家の田植えをした。
だいたい6時ぐらいから植えはじまって、10時前にお茶を挟む。

お茶の時間。
手伝いに来ていた私の甥っ子が、テーブルに並べられるお茶菓子を目で追いながら、みたらしだんごを期待して、そう尋ねた。

「あー、ないの。ごめんね、おまんじゅうならあるよ」
などと返された甥っ子は、他のお茶菓子をおいしそうに食べて終わった。

私はそのシーンがなんとなく記憶に残っていた。

行列も早起きも苦手だけど
「おいしい」と噂の冷やしみたらしを甥っ子に買っていこう、喜ぶかな。
あの時食べられなかったし…。

ただそれだけのシンプルな気持ち。

甥っ子は、当時みたらしだんごを食べたかったことなど、忘れているかもしれない。
これを買っていっても、好みに合うかはわからない。

でもいいや。
甥っ子が大きな原動力になったのは間違いないけど、これは自己満。

買っていって、もし喜んでくれたらラッキー。
それぐらいの気持ちで。

さあ、あと15分。
水分を摂りながら、もうひと踏ん張りだ。