人語の一口話(122) 私にサッカーのおもしろさを気づかせてくれた試合
今でこそ、サッカーは身近に見れるスポーツ競技になりましたが、その昔はそうはいきませんでした。
テレビ放送は、ワールドカップや天皇杯など大きな大会でないと行われませんでしたし、生中継されるのは日本代表が出場するゲームや決勝戦といった関心の高いものしかないような、そんな時代でした。
実業団の日本リーグのテレビでの取り扱いは、週1回のダイジェスト番組やニュース番組のスポーツコーナーでゴールシーンを中心に編集された映像を流されるのを見れるだけ。そんな感じだったのです。
「学校のクラブ活動では多くの部員を集めるのに、サッカーを1試合フルに見る機会がほんま少ないよなぁ・・。」
そんなことを思うこと、しばしばでした。
1986年にメキシコで開催されたサッカーワールドカップ。
日本は代表チームを未だ送り出すことができない状況の中で行われたこの大会は、そんな私にサッカーを観戦する絶好の機会を与えてくれたのです。
アルゼンチンがマラドーナ選手の活躍で2度目の優勝を果たして幕を閉じましたが、メキシコ大会は私がサッカーのおもしろさに気づく試合に出逢わせてくれたワールドカップとして強く印象に残ることとなりました。
今現在、2026年に北中米で行われるW杯のアジア3次予選で、日本代表は快進撃を見せてくれ、勝利する度に私の心は小躍りしています。
その活躍ぶりを動画サイトで再確認しようと思い、訪れた際に、「あっ。そうや!あの試合、アップされてへんかな?もういっぺん見てみたいんやけど・・。」
そんな思いを胸に秘め、検索窓に“サッカー”の言葉と対戦した二か国の国名を入れました。
一つは“ソ連”。
もう一つは“ベルギー”と。
そして、ダイジェスト版ではありましたが、その試合の模様を見ました。
「ああ。そうそう。確かに。こんな試合やったな・・。」
ソビエト連邦 対 ベルギー
『サッカーは4対3のスコアで終わる試合がおもしろい。』
サッカープレーヤーの友人から嫌というほど聞かされていた私は、「あいつ。この試合のこと、言うてんのと違うやろか?」と勘繰ってしまうほど、この試合に惹きつけられたのでした。
サッカーのおもしろさに出逢えた喜び。
日本代表の活躍に刺激を受けて、ついつい、書いてみたくなった私自身の“サッカー今昔物語”の一節でございました。