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人語の一口話(111) 忘れ得ぬ関東煮の味

 暑い日が続いていますね。
 私も熱中症に注意しての日常生活になっています。

 いつもこの時季になると、関東煮を思い出します。

 神社の夏祭り。
 境内の一角にある関東煮の屋台。

 純度100%の和辛子をこれでもかとばかりにたっぷりと全体に塗りたくって食べた竹輪の関東煮。

 それを片手に手水舎へ行き、もう一方の手に水を入れた柄杓を持って、はひはひ言いながら食べて飲む。

 それはまるで、どれだけ多くの和辛子を付けて食べたかを争う競技であるかのような様相を呈しておりました。

 関東煮はおでんではない。

 私の関東煮へのこだわりは、こんな体験に由来しているのかもしれません。

 片手に持つのが、切子の徳利に入った大吟醸の冷酒になったとて、あの味に勝るのは簡単ではありません。

 『三つ子の魂百まで』

 きょうは天神祭の本宮。

 大阪の夏を思い存分感じたいと思います。


   

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