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shiekasai
人語の一口話(116) 断られ方
仕事上の対応で、お相手にクレームを入れました。
「それはないんじゃないか。」と。
相手側の担当者の方が真っ先に、「お気持ちはわかるのですけど・・」と口にされました。
「ああ・・。このセリフが出てきたということは、“ご要望には添いかねます。” っていう結論やな。」
心の中でそうつぶやいてからも、お相手の対応が続きました。
私からは言いたいことのすべてを最初に告げていましたので、お相手がこちらの言い分を聞き入れるのか否かだけに焦点を当てていました。
結論は、予想通りのものでした。
憤懣やるかたない心情に至ったのは、その“断られ方”に満足できなかったからではないだろうか。
お気持ちは十分理解していますと口にしながら、そのお気持ちに寄り添うことを拒む。
「こちらのお気持ちなんて、全然分かってないやんか・・。」
そんな曖昧で漠然とした空虚にさえ感じる、お気持ちに寄り添うポーズぶりによって起こる不快へと向かう感情の変化。
『相手に要らぬ期待を抱かせない。』
昔のテレビドラマで、「同情するなら金をくれ。」というセリフがありましたが、改めて同情することの難しさを知ることにもなりました。
同情。無情。そして非情。
きょうもまた、人の情について考えさせられています。